朝日新聞は中部地域では読売以上…全国紙の地域別世帯シェア動向(2011年下半期版)

2012/03/11 07:00

先に【読売1000万部未達成継続、毎日は前期比マイナス0.97%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2011年後期分データ更新・半期分版)】で半期単位での全国紙における動向を確認した。今回は【読売新聞社の広告ガイドページ】でのデータ更新に合わせ、以前全国紙の地域別世帯シェアを2010年下半期のデータでチェックした記事を再精査する形で、全国紙5紙(読売、朝日、毎日、日経、産経)の都道府県別シェアの再確認を行うことにする。

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まずは概要的に「全国紙5紙の朝刊世帯普及率」をそれぞれ算出し、単純に合計したものを都道府県別に列挙した。なお今回のデータは先の記事同様、日本ABC協会「新聞発行社レポート 普及率」2011年7月-12月平均データを一次ソースとしている(ことになる)。また、被災三県(宮城・岩手・福島各県)は直近データが存在しないため、前回の2010年7月-12月平均データをそのまま流用している。

↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率・単純合計値(2011年下半期)
↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率・単純合計値(2011年下半期)

グラフ中にも但し書きがあるが、「1世帯が複数の全国紙を購読している事例も多分にあるため、この値がそのまま『いずれかの全国紙を購読している世帯普及率』では無い」を表すわけではないことに留意する必要がある。例えば奈良県なら99.0%とあるが、奈良県はほぼ全世帯がいずれかの全国紙を購読していることを意味しない。あくまでも「全国紙普及の(相対的)指標」程度のものである。

とはいえ、多数の世帯が全国紙を複数定期購読しているという状況も想定しにくい。このグラフで高い値を示している地域(関東・近畿圏や山口県)ではやはり、以前の地図展開記事【「全国紙」の都道府県別トップシェア新聞を地図化してみる(2010年下半期版)】において読売や毎日のシェア比率が高い結果が出ており、納得もできる。

次に、前回2010年下半期からの差異を計算したのが次のグラフ。前述の通り被災三県は前回データをスライドさせているため、変移は無く、イレギュラーな数字が出ている。

↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率・単純合計値(2010年下半期から2011年下半期への差異)
↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率・単純合計値(2010年下半期から2011年下半期への差異)

実質的に全都道府県でマイナス。特に東北-関東北部、山口県、九州地区での減少ぶりが目立つ。偏りを見せる原因は不明だが、それぞれ震災・口蹄疫問題における全国紙の報道姿勢・地域紙の奮闘が思い起こされる。

続いて全国を「北海道・東北」「関東」「中部」「近畿」「中国」「四国」「九州・沖縄」に区分し、それぞれの地域別に各新聞の朝刊世帯普及率を算出した。

↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(地域別)(2011年下半期・暫定)
↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(地域別)(2011年下半期・暫定)

「暫定」としたのは、先にある通り被災三県の算出が前年の値を用いていること、そのために全国の普及率にややぶれ(特に日経新聞)が生じていることによる。

元々普及率が高めの関東・近畿だが、特に読売と朝日が高い値を示しているのが分かる。一方、例えば毎日新聞は近畿や中国などの西日本の方が強い、朝日新聞は中部地域では読売以上の世帯普及率を誇っている、産経は関東と近畿で他地域より強めなど、地域特性や各新聞社の特徴などが見えてくる。

この値について、前年同期からの変移を計算したのが次のグラフ。

↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(地域別)(2010年下半期から2011年下半期・暫定における変移)
↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(地域別)(2010年下半期から2011年下半期・暫定における変移)

前述したように「全国」で被災三県の値の調整のため、日経新聞がプラスを示してしまっている。部数は減少・世帯数は増加しているのだから、世帯普及率は減るはずであり、これは計算上のイレギュラーといえる。この部分は翌年以降の正式値公開を待って考察したい。

地域別に見ると、特に西日本での朝日新聞の減少ぶりが目立つ。一方毎日新聞は全国的に減少しており、両紙の減少特性の違いが見てとれる。また読売新聞は関東で大きく減少しているが、元々同紙は商業施設向けの新聞としての強みもあるため、関東地区の商業施設での費用削減のあおりを受けたという想像も成り立つ。

昨年の記事同様、各新聞社別に普及率グラフを再構築したのが次の図。

↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(新聞別)(2011年下半期・暫定)
↑ 全国紙5紙の朝刊世帯普及率(新聞別)(2011年下半期・暫定)

読売新聞の強さは関東や近畿のような、人口密集地域での世帯普及率の高さにあることがひと目で分かる(商業施設での強さが改めて理解できる)。朝日新聞もそれに近い動きを見せており、第二位の座にあるのも納得ができる。産経新聞も傾向的には読売や朝日に近いのだが、絶対値があまりにも不足しており、今一歩及ばない感は否めない。



今回は一年越しということで一部差異計算によるグラフも掲載したが、震災起因によりやや値にばらつき・不安定なところがあるのは否めない。2012年分の公式な世帯普及率データが公開された暁には、震災前のものと比較する形も合わせ、色々と検証することにしよう。

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