高齢層が好む食パン…世代別・単身世帯の「食パン」「カップめん」「ハンバーガー」などの支出比率をグラフ化してみる(2011年分反映)

2012/03/11 19:30

先に【カップめん参上…世帯単位での「カップめん」の購入性向推移をグラフ化してみる(2011年分反映)】【お米とパンとめん類と…世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(2011年分反映)】で、「二人以上の世帯」「単身世帯」を合わせた「総世帯」における、いくつかの食品に関する消費性向の確認と分析を【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータを元に行った。今回はそれらから少々切り口を変え、単身世帯(一人暮らし)で「食パン」や「カップめん」などが、食費全体に対してどれだけ重視されているかを見た、2010年分のデータで展開した記事を、2012年2月17日に行われた家計調査のデータ更新(2011年・年次分反映)に合わせ、データの更新と再検証を行うことにする。当サイトでもしばしば取り上げるシンプルな食材の世代別利用性向、そして各世代の一人暮らし世帯における食事性向の一部がかいま見られるはずだ。

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データの取得元は【家計調査(家計収支編)調査結果】で先の記事と変わらない。そこから「4.詳細結果表」「単身世帯(平成14年から掲載)」「年データ」を選択。「3.時系列データ」は基本的要項しか掲載されていないので使えない。

「年データ」は現時点で2011年分までのものが収録されている。そこで最新の2011年のものについて「家計調査 > 家計収支編 > 単身世帯 > 詳細結果表 > 年次 > 2011年」から「<品目分類>1世帯当たり品目別支出金額」「10.男女、年齢階級別…単身世帯・勤労者世帯」を選び、ファイルを取得。その中にある「食料(食費)」「食パン」「他のパン」「カップめん」「即席めん」「ハンバーガー」「他の主食的外食」をチェックしていく。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかは、【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】で次のように解説されている。

・食費(食料)……飲食に供される食品及びこれに伴うサービスに対する支出。

・食パン……パンのうち、基本的な原材料(穀粉、酵母種、食塩、砂糖、脂肪)のみでできているもの。サンドウィッチブレッド、ソフトブレッド、バターブレッド、バターロール、コッペパン、フランスパン、ハンバーガー用パン、ホットドッグ用パンなどが該当。ジャム・バター・チョコレート付き食パンや調理パンは該当しない。

・他のパン……パンのうち、基本的な原材料以外の材料を加え、初めから一つに成形されたパン。原材料としてハム、卵、チーズなどが使われていてもよい。アップルパン、あんパン、コロネ、ジャムパン、ぶどうパン、メロンパン、カレーパン、ピロシキ、揚げパン、ジャム・バター・チョコレート付き食パン、ピザパン、野菜入り食パン(ほうれん草・にんじん・たまねぎなど)が該当。乾パンや中華まんじゅうは該当せず。

・カップめん……カップ状のものにめんや具材が入り,お湯を注ぐだけで飲食できるもの。主食的に食べるもの。

・即席めん……製造過程において調理味付けされ、保存可能の状態に加工されたもの。メンマ、あげ玉、わかめ程度を付加したものも含む。カップめんは除く。
・ハンバーガー……セットも含む。ハンバーガーショップ(での購入)に限る。

・他の主食的外食……そば、うどん、ラーメン、パスタ、寿司、和食・中華・洋食各種、ハンバーガー「以外」の外食。例えばドーナツセット、お好み焼き、ピザパイ、お子様ランチ、会社での食事代など。ファミレスでの食事も該当する。

また、家計調査では単身世帯の世代について、34歳以下(若年層)・35-59歳(中堅層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが今件では省略)。そこでこの年齢区分に従い、金額ベース、そして食費に対する各項目比率を算出していく。

まずは月次換算をした支出。単身世帯なので当然、世帯主本人のための購入になる。

↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(2011年)
↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(2011年)

ファミレスなどの外食は高齢者になるとグンと額が減る。お好み焼きはともかく、ドーナツやピザパイなどの調達もイメージしにくい。また、リーズナブルな主食としてイメージされる「他のパン」「カップめん」「ハンバーガー」なども、全般的に若年層の方が出費額は大きい。特に「ハンバーガー」は60歳以上の場合「月43円」しか出費していない計算になる。仮に100円バーガーを対象としたとしても、2か月半に1度。

他方、唯一「世代を経ることに出費が増える」項目として「食パン」が挙げられる。【3割が「毎日パンを食べますよ」、歳を経るほど「パンが大好き」】にもある通り、「日持ちする」「手間がかからない」利点から高齢者にも(特に朝食用として)好まれるパンだが、菓子パンや調理パン(コロッケパンなどの本格的な調理パンは今件の「他のパン」には含まれないが、やはり高齢者ほど購入額は下がる傾向にある)では無く、食パンなどのシンプルなパンを対象としていようだ。

また2010年分と比較すると、「ハンバーガー」が全世代的に増え、「他のパン」が逆に減る傾向が見られる。惣菜パンを買わずにハンバーガーに移行した結果か。また「他の主食的外食」項目で35-59歳層の値が激減し、-34歳層が漸増しているのが確認できる。特に前者は月当たり1300円近くもの減少で、食費全体の減り方とほぼ一致する。来年以降の動向を見極める必要があるが、単身世帯の中堅層のお財布事情が悪化し、外食を大きく切り詰めた可能性もある。

これを各世代毎に、食費に占める比率を算出したのが次のグラフ。

↑ 単身世帯世代別・食費項目の食費全体比(2011年)
↑ 単身世帯世代別・食費項目の食費全体比(2011年)

金額の変移グラフとの違いはほとんど見られない。一方で、単身世帯での若年層と高齢層における食事構成は大きく異なることが、この比率区分からもうかがえる。特に単身若年層は食費の約1/6をファミレスなどの外食に費やしていることになる。

2010年との差で見ると、若年層が外食やファストフードに頼る傾向を強める一方で、中堅層の「主食的外食」の比率が大きく下がっているのが確認できる。「主食的」だけでなく外食全般・食費そのものも月あたり1000円程度減少しており、生活の切り詰め感は否定できない。



2010年分の記事で説明したように、今件記事で単身世帯に的を絞ったのは、今後若年層・高齢層共に単身世帯の増加が予想されていること、そして「食パン」と「他のパン」をわざわざ取り上げたのは【ちぎりパン(敷島製パン/セブンイレブン)】でも紹介したように、高齢者に配慮したパン、特にシンプルな食パン系の新商品が目に留まるようになったのが、その理由。

今後各種新商品の動向を見て行く際には、これら単身層の食品利用性向も頭に入れた上でのチェックをお勧めしたい。きっと「なるほど」感をあちこちで見つけることができるはずだ。

また今回、中堅層の食費、特に外食周りの額の減少が確認できた。2012年分以降もこの動きが続き、今回の流れがイレギュラーなものでない場合、外食系企業にも少なからぬ影響があることが予想される。可能性としては震災起因が一因として考えられるが、その検証も合わせ、来年分の動向を注目したいところだ。

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