足で走るロボット最高速記録…あのBostonDynamicsが今度は四脚歩行型ロボット「Cheetah(チーター)」を公開

2012/03/06 12:10

Cheetah以前紹介した【静音性は10倍以上…あの「BigDog」を超えた「AlphaDog」登場】や先日の【動きはまるで人間そのもの…あのBostonDynamicsが今度は人型ロボット「PETMAN」を公開】のように、科学技術の進歩と未来を実態感させるロボットを続々と開発・公開している【BostonDynamics社】。同社はそのプロジェクトの多くを、アメリカの軍事用の技術の収斂と開発を幅広い分野で行うDARPA(国防高等研究計画局:Defense Advanced Research Projects Agency)の支援を受けて行っているのだが、そのDARPAが2012年3月5日、BostonDynamics社開発と公式に銘打った上で、新しい「未来」を見せてくれる資料と映像を公開した。「Cheetah(チーター)」と呼ばれるロボットで、発表資料によれば(他の試作ロボット同様に上から吊り下げた形ではあるが)「足による歩行型ロボットとしては史上最高速の記録を打ち出した」とのことである(発表リリース:【DARPA’s “Cheetah” Sets Land Speed Record for Legged Robots】)。

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↑ Cheetah Robot Gallops at 18 mph(BD社による公式動画)。
↑ Cheetah Robot Gallops at 18 mph(BostonDynamics社による公式動画)。

リリースなどによれば今回公開された「Cheetah(チーター)」は、DARPAのプロジェクトの一つ、【M3(機動性及び操作性の最適化:Maximum Mobility and Manipulation)】の一環として創られたもの。この「M3」とは、「ロボットは人間や動物と比べて多様な方面で優れた力を発揮するが、機動性や操作性の上ではまだ解決すべき問題は多い。さらに開発性・生産性・コストパフォーマンスにも難がある。これらのハードルさえクリアできれば、ロボットはますます活躍の場を与えられ、効果的な任務達成を期待できる」とする、今日のロボットに対する問題点をクリアすることを目標とするもの。具体的には機動力や操作性の改善、開発や生産性の向上・工業化(工業商品的に量産を容易とすること)、自然環境にも対応しうるタフな耐久性などを求め、ロボットの試作開発を進めている。

「Cheetah(チーター)」は、このM3の目的達成のための技術研究・検証用、もう少し細部に渡り説明すると「四足歩行によるロボットの可能性研究」を課題としてつくられたもの。製作・検証工程で各種開発ツールの設計や開発・製作プロセスの改善、そして開発するロボットそのものの機動性や操作性の改良を逐次検証・実施していくことになる。

映像の字幕スーパーでも流れているが、今回「Cheetah(チーター)」は「足を使って歩くロボットの陸上走行速度記録」として、これまで1989年に記録された13.1mph(時速21.1キロ)を上回る18.0mph(時速28.8キロ)を打ちだすことに成功した。本物のチーターの挙動同様、背中や各足を巧みに折り曲げることで、走行速度の変化へ柔軟に対応している。


↑ 動画の撮影環境のせいもあり、多分に稼働部分がぶれているが、速度を速めると共に背中、足の関節部分の傾斜が変化し、全体で姿勢を変えて対応しているのが分かる
↑ 動画の撮影環境のせいもあり、多分に稼働部分がぶれているが、速度を大きくするのと共に背中、足の関節部分の傾斜が変化し、全体で姿勢を変えて対応しているのが分かる

なお動画を見れば分かるように、現時点で「Cheetah(チーター)」はブームでぶら下げられ、油圧ポンプ式で稼働するベルトコンベアの上で「足踏み」をしている状態で稼働実験が行われている。BigDogなどのような自律走行の試験は今年の後半期に予定されているとのこと。

先の「PETMAN」は走行挙動を試験するために、複数のヒモでぶら下げての運用が前提だった。「Cheetah(チーター)」は今後、先行するBigDogやAlphaDog(BD社ではLS3と呼んでいる)などと同様に自律走行が予定されており、スケジュールも発表ずみ。自律走行タイプでこの速さが維持できるかは現時点では不明だが、これまでの技術蓄積を効果的に活かすことで、期待に違わぬ成績を見せるに違いない。今後の情報公開に期待したいところだ。

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