震災起因で「水」が伸びる…世帯単位での各種飲料の利用性向推移をグラフ化してみる(2011年分反映)

2012/03/08 06:50

牛乳先に【カップめん参上…世帯単位での「カップめん」の購入性向推移をグラフ化してみる(2011年分反映)】【お米とパンとめん類と…世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(2011年分反映)】で、「二人以上の世帯」「単身世帯」を合わせた「総世帯」におけるいくつかの食品に関する消費性向の確認と分析を【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータを元に行った。今回はそれらにならう形で、各種主要飲料に関する購入性向の推移を眺めみた2010年分の値を反映させた記事について、2012年2月17日に行われた家計調査のデータ更新(2011年・年次分反映)に合わせ、更新と再検証を行うことにする。

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データの取得元は【家計調査(家計収支編)調査結果】で先の記事と変わらない。そこから「4.詳細結果表」「総世帯(平成14年から掲載)」「年データ」を選択(今項目には四半期・年・年度しか無い)。「3.時系列データ」は基本的要項しか掲載されていないので使えない。

「年データ」は現時点で2011年分までのものが収録されている。そこで1年ずつ「家計調査 > 家計収支編 > 総世帯 > 詳細結果表 > 年次 >」から「<品目分類>1世帯当たり品目別支出金額」「10 年間収入五分位階級別」を選び、ファイルを取得。その中にある「飲料」項目中の「茶類」、「コーヒー」「コーヒー飲料」「牛乳」「ミネラルウォーター」をチェックしていく。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかは、【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】で次のように解説されている。

・茶類……植物の葉や実などを主原料とし、一般的に「茶」と呼称されるもの。茶葉にあられ、玄米、こんぶなどを少量加えたものも含む。自動販売機・駅・車内売りも含む。

・コーヒー……粒、か粒、粉末、固体のもの。インスタントコーヒーも含む。
・コーヒー飲料……液体のみ。濃縮液含む。コーヒー牛乳は含まれない。

・牛乳……着香成分(果糖、コーヒー、色素、ビタミンなど)入りは除く。低脂肪や乳牛以外からの獣乳も含む。

・ミネラルウォーター……飲用適の水を容器に詰めたもの。炭酸が圧入されたものや栄養素や果汁を加えたものを除く。

なお「世帯購入頻度」は世帯単位での購入頻度。例えば構成員の誰かが特定期間に2回缶コーヒーを購入すれば、その世帯の該当期間における「コーヒー飲料」の購入頻度は200%になる。「コーヒー」では無いことにも注意。

まずは「購入世帯頻度」と「支出金額」(「総世帯」では「購入世帯数」の結果は掲載されていない)。また「世帯購入頻度」は世帯単位での購入頻度を示している。直近データの2011年分について、主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 2011年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次換算)
↑ 2011年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次換算)

↑ 2011年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次換算)
↑ 2011年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次換算)

単身も二人以上も老いも若きも全部ひっくるめた平均値であることから、「お茶」と「牛乳」の値が比較的高めとなっている。特にお茶は自宅で飲む以外に缶やペットボトルで外飲みされているのも含むため、購入頻度も額も高め。

「コーヒー」と「コーヒー飲料」とでは、購入頻度が4倍近く違うものの、平均支出額はほぼ変わらない。逆算すると、缶コーヒーの4本分位の金額で、家で沸かして飲むタイプのコーヒーを買っていることになる。

また「ミネラルウォーター」は全体額・頻度の絶対値としては昨年通り「常用している人が少数派のせいか、購入頻度も金額も控えめな結果が出ている」ことに違いは無いが、2010年と比べると大きな伸びを見せているのが分かる。これはひとえに「震災起因」によって、特に2011年3-4月にかけて、「ミネラルウォーター」が大いに売れたのが原因(【近頃目にする「ラベル無しのミネラルウォーター」、需要急増に伴う特例措置のものだった】)。

この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、データが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なお「ミネラルウォーター」は単独の項目として登場したのが2005年からなので、グラフ上のプロットも2005年以降のもののみとなる。

↑ 総世帯の平均購入頻度(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次)
↑ 総世帯の平均購入頻度(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(総務省統計局発表)(月次、円)

単年では高い頻度と購入金額を誇る「牛乳」だが、中期的に見ると購入頻度・購入金額共に漸減しているのが分かる。世帯構成人数の減少も一因ではあるが、それをはるかに上回る減少率(本統計上の集計値としての平均世帯人数は、2002年が2.63人・2011年が2.47人。6.1%の減少でしかない)であることは間違いない。

一方「茶類」は金額こそ漸減しているが、購入頻度は漸増していた。これは健康志向の高まりや、コンビニ・自販機ルートで多種多様なお茶の展開が行われたのが大きい。

水は品切れそしてグラフ上に「矢印」を追加した、2011年の「ミネラルウォーター」の部分だが、購入頻度・金額共に特異値を示しているのが分かる。これは前述したように、2011年3月に発生した東日本大地震とそれに伴う各種震災で、需要が急増したため。ここまで明らかな形で変移が出るにつけ、社会現象として大きな動きなのが改めて確認できる。また近年上昇を続けていた「コーヒー飲料」や「茶類」が購入頻度・支出金額共に減少している動きも、この「ミネラルウォーター」への支出をあてがうためのものと考えられる。また「コーヒー飲料」の頻度の下げ方(前年比17.1ポイント減)は、この「ミネラルウォーター」と引き換えに減った分以外に、自動販売機の節電事情も少なからず影響しているものと思われる。



2010年分反映の記事では「2011年は震災後の消費性向も多分に反映されるため、色々と特異な、そして状況を如実に表す動きを見せるものと思われる」と記したが、今件記事では「ミネラルウォーター」にその動きが確認できた。「コーヒー飲料」もその可能性は否定できないが、これは日本自動販売機工業会が毎年発表している【自販機普及台数及び年間自販金額】(記事執筆時点では2010年末時点の値が掲載されている)の更新を待たねばならない。動きがあれば逐次確認・分析を行うことにしよう。

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