一人暮らしと世帯持ち、大きく異なる「遺産」への考え方

2012/03/05 06:35

遺産金融広報中央委員会の「知るぽると」は2012年2月22日、【家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2011年)】【家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](2011年)】を発表した。発表資料では主にお金のやりくりの視点から見た、一般世帯の動向を推し量れる数多くのデータが開示されている。今回はその中から、「遺産に関する想い」について焦点を当てることにする。

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今調査は直近のものについては「二人以上世帯」が2011年10月7日-11月14日に層化二段無作為抽出法で選ばれた「世帯主20歳以上で世帯員2人以上」世帯に対して訪問・郵送の複合・選択式で行われたもので、有効回答数は3800人。「単身世帯」は2011年10月14日から27日にかけて、「20歳以上70歳未満、単身で世帯構成」世帯に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2500人。過去もほぼ同形式で行われているが、「単身世帯」調査は2007年以降に限定されている。

額によっては小説やドラマの素材となり、そして現実でも多種多様な問題を引き起こすことになる「遺産」。多くの人が「(金融)資産」を直に感じる数少ない機会となるだけに、「家計の金融行動に関する世論調査」でも調査対象項目として取り上げられている。

今件では「遺産についてどのような考えを抱いているか」を、主に財産処分方法と、子供に残すか否かの視点から選択肢を創り、選ばせている。単身世帯・二人以上世帯それぞれに聞いた結果が次のグラフ。

↑ 遺産についての考え方
↑ 遺産についての考え方

単身世帯での最多回答は「子供がいない&人生を楽しみたいので財産使い切り」派。一方二人以上世帯では「老後の世話か稼業引き継ぎなどの条件無しに、子供に財産残したい」。それぞれ「一人もの」か「子供が居る(今は居なくとも将来的な話も含む)」かで、遺産への考え方が大きく異なってくる状況が良く分かる結果といえる。要は「残す相手がいなければ自分で全部使い切りたい」「残す相手が居ればとにかく残したい」ということ。

他方、「稼業引き継ぎ」を遺産相続の条件に挙げている人はごくわずか。元々引き継ぎが必要な稼業をしている人が少数ということもあるのだろうが、遺産をネタに稼業引き継ぎを「強要」することを是とはしていないようだ。一方で交換条件的に何かを呈する選択肢としては、「老後の世話をしてくれれば遺産を」とする意見が、二人以上世帯で2割近くに達している。考え方としては現実的。

気になるのは「子供は居るが、自分の人生を楽しみたいので(遺産は残さず)使い切りたい」との意見。一人暮らし(将来結婚して子供を設けるという設定)はともかく、二人以上世帯でも14.1%が回答している。【高齢者の7割強は「子の世話無しでいいから、財産は自分で使い切る」】と比べれば少数派だが、それでも決して少なくない人が答えているのが分かる。



念のため時系列データを調べたが、「遺産」に対する考え方はこの数年、直近2011年のそれと比べても大きな変化は無い。景気変動や高齢化で遺産への見方も変わってきた、との話もあるが、少なくともその動きは今調査では見受けられない。今調査は東日本大地震・震災後に行われたものだが、肉親に対する「遺産」という視点からの想いに変化は生じなかったようだ。

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