2011年は176万人、前年比で2万人増加・フリーターの推移をグラフ化してみる

2012/03/02 12:10

2012年2月23日付で公開した記事【日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2011年版)】などでも公開データを利用しているが、総務省統計局は同年2月20日、2011年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を公開した(【労働力調査(詳細集計) 平成23年平均(速報)結果:発表ページ】)。その資料には2011年、さらには2011年を含む過去数年間の、日本の労働環境や雇用問題に関する調査結果が掲載されている。今回はその資料から、「フリーターの推移」について精査を行う。

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元となるデータは「労働力調査(詳細集計) 平成23年平均(速報)結果」の「平成23年平均(速報)結果の概要、統計表」にある。東日本大地震・震災の影響で、岩手県・宮城県・福島県における調査実施が一時的に困難となったことを受け、 2011年1-3月期平均結果から同年7月-9月平均結果までは、当該3県を除く全国の結果が公開されている。そのため、2011年平均についても当該3県を除いた結果の公表となっている。今記事での各種図表は、基本的に2010年・2011年の値は当該3県を除いた値を用い、直近2011年における「前年比」で不整合を避ける形をとっている。

それによると2011年における若年層(15-34歳)での「パート・アルバイト及びその希望者」(厳密には「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」で、「パート・アルバイトとして雇用されている」「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」のいずれかに該当するものと定義づけている)は176万人となり、昨年比で2万人増、3年連続しての増加となった。

↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)
↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)

フリーターは若年層そのものの人口減少に加え、該当する層の雇用受け皿として「派遣社員」に注目が集まったことなどから2004年以降は減少傾向を見せていた。フリーターの存在そのものが社会問題化したのも大きな要因だろう。しかし2009年には再び増加に転じ、2011年至るまでその動きは継続している。

理由は元資料には明記されていないが、いわゆる「派遣叩き」による派遣社員としての受け皿の減少が継続していること(【派遣以外は増加中…非正規社員の現状をグラフ化してみる(2011年版)】)、企業側の対応の変化(【「派遣叩き」がもたらす現実……企業は「派遣を減らしパートやアルバイトを増やす」意向】)などが影響しているものと考えられる。

さらに今年においては、元々女性が多かったフリーターにおいて、女性の大幅減・男性の大幅増という現象が確認できる。2011年では【正社員か、それとも非正社員か……雇用形態別の平均賃金をグラフ化してみる(2011年版)】にもある通り、女性社員の賃金面における状況改善・男性の悪化が確認されており、これがフリーターの増減にも影を差しているようだ。

また、フリーターの高齢化が指摘されているが、今データでもそれが顕著化しているのが把握できる。

↑ 年齢階級別にみた「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)
↑ 年齢階級別にみた「若年層のパート・アルバイト及びその希望者(完全失業者+非労働人口)」(いわゆるフリーター)の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)

15-24歳までの世代層では「フリーター」の減少が2003年から確認されている。また、減少過程においても、減少率・減少数共に15-24歳層の方が大きい。特に注目すべきなのは2006年から2007年の区切りで、直近10年間ではこの年ではじめて「15-24歳層」と「25-34歳層」の人数における逆転現象が起きている。今後さらに高齢化、言い換えれば「25-34歳層」の割合が増加する可能性は十分高い。

2011年では「15-24歳層」が増加し「25-34歳層」は横ばいとなったが、以前【2011年は77万人・年々増加中…高齢フリーターの推移をグラフ化してみる】で解説したように、「25-34歳層」の上の世代の「35-44歳層」では大きな増加が確認されており、今後広範囲の年齢層で「フリーター」が増加する可能性を示唆している。

ちなみに男女別では男性よりも女性の方が「フリーター」の、若年層人口全体に占める比率は高い。男性は6.1%、女性は7.2%との値が出ている。

↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)の若年層人口に占める割合の推移(2010-2011年は被災三県を除く)
↑ 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)の若年層人口に占める割合の推移(2010-2011年は被災三県を除く)

2011年の動きとしては、女性のフリーター率減少、男性の大幅増加が目に留まる。これは上記で触れたことの繰り返しになるが、【正社員か、それとも非正社員か……雇用形態別の平均賃金をグラフ化してみる(2011年版)】などでも示している通り、2011年では男性の境遇改悪・女性の改善の傾向があり、これがそれぞれのフリーター増・減の起因になったものと考えられる。



「フリーター」の高齢化に伴う、定義に当てはまらない「フリーター」に類する中堅層の存在は数年前から社会問題として注目されていたが、言葉の定義内年齢(34歳まで)でも高齢化が中長期的に進行していることが改めて確認された。当人たちがそのライフスタイルを望むのならそれで良いという判断もあるが、「その後」、つまり35歳を超えてからどのようなライフプランを持っているのか、疑問と不安を持たざるを得ない。

なお35歳以上の同様な立ち位置にある人たちは「フリーター」とは呼ばず、特定の呼称用語が無いのが実情。今後社会問題化するに連れて、別個の名称がつけられるはず。当サイトでは「高齢フリーター」「壮齢フリーター」と呼ぶことにしているので、その点は留意してほしい。

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