2011年は77万人・年々増加中…高齢フリーターの推移をグラフ化してみる

2012/03/01 12:10

以前の記事で、いわゆる一般定義における「フリーター」に該当しない年齢階層(それより上の世代)の、職業的立ち位置においてフリーターと同等にある「高齢フリーター(壮齢フリーター)」について触れた。34歳までのいわゆる「フリーター」は2011年のデータでは2010年比で増加傾向にあることが確認されているが、それより上の年齢層ではどのような動きなのだろうか。今回はこの件を追っていくことにした。

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元となるデータは2012年2月20日に2011年分データが反映された「労働力調査(詳細集計) 平成23年平均(速報)結果」の「平成23年平均(速報)結果の概要、統計表」から(<【労働力調査(詳細集計) 平成22年平均(速報)結果:発表ページ】)。ここから該当項目を抽出……と行きたいところだが、2011年分は2010年分と異なり、一般定義の「フリーター」の記述しか無い。そこで「結果表・データベース」からe-Statへアクセスし、「表43 年齢階級・教育・配偶関係,就業状態別15歳以上人口」をダウンロード。「フリーター」の条件にあった人数を独自で計算した(過去の分も同様の手法で算出し直し、整合性が取れることは確認済み)。

また御承知の通り昨年2011年に発生した東日本大地震・震災の影響で、岩手県・宮城県・福島県における調査実施が一時的に困難となったことを受け、 2011年1-3月期平均結果から同年7月-9月平均結果までは、当該3県を除く全国の結果を公表することとなった。そのため、2011年平均についても当該3県を除いた結果が公表されている。今回図表作成で用いる値では、基本的に2010年・2011年の値は当該3県を除いた値を用い、直近2011年における「前年比」で不整合が無いようにしている。

「フリーター」も月日の流れと共に歳を取り、中には就職出来ぬまま(あるいはしないまま)35歳以上の歳を数え、一般定義の「フリーター」からは除外される人も出てくる。しかし雇用上の立ち位置が変わらなければ、事実上「フリーター」と同じ。そこで冒頭にもあるように、「高齢フリーター」的な立場の人の推移を追ったのが次のグラフ。55歳以上になると通常雇用されていた人の退職者も多数混じるため、今件「高齢フリーター」の集計を取る意味が無くなってしまう。そこで35-54歳の範囲での集計となる。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の推移(万人)(2010-2011年は被災三県を除く)

定義としては年齢が35-54歳で、「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」で、「パート・アルバイトとして雇用されている」「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」のいずれかに該当する者。

本来の意味での「フリーター」は2002年以降しばらく数を減らしていたのに対し、「高齢フリーター」はほぼ一貫して(多少の起伏はあるが)増加する傾向を見せているのが分かる。35歳にまで歳を重ねた時点で突如フリーターを脱し、雇用上の安定感を得ているわけではなく、35歳以降も引き続き不安定な雇用情勢に置かれている人がいて、それが年々増加している計算(無論自分から望んでそのライフスタイルを維持している人も、多数いるだろうが)。

しかも階層別で見ると「45-54歳層」はほとんど横ばいなのに対し、「35-44歳」の増加が著しいのが分かる。このことから、本来のフリーターの「25-34歳」の人たちが逐次歳をとり、この層に加わって「高齢フリーター」の数を押し上げていることが容易に想像できる。特に2011年は35-44歳層の増加幅が大きく、計測・データがある期間内では最大の増加数(前年比8万人プラス)なのが確認できる。

年齢層人口に対する構成比率の変移を見ても、「35-44歳」層の増加は明らか。

↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」の中高年層人口に占める割合(2010-2011年は被災三県を除く)
↑ 「中高年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆる「高齢フリーター」)の中高年層人口に占める割合(2010-2011年は被災三県を除く)

雇用情勢が厳しいこと、そして自ら望んでその立場にある人を除けば、「フリーター」が置かれている状況が改善される気配は見えにくい現状から考えると、今後「高齢フリーター」、とりわけ「35-44歳」層は増加の一途をたどるものと思われる。



繰り返しになるが「(高齢)フリーター」がすべて「望ましくない姿」と否定的にとらえられるべきではない。そのようなライフスタイルを望む(、そしてそれをかなえられるだけの条件が整っている)人も多数いる。しかし一方で、フリーターから抜け出たいにも関わらず、悪循環の繰り返しでフリーターの立場に居続けざるを得ない人も大勢いる(雇用する側の立場で考えれば、それは容易に理解できるはず)。

このような状況に対し、企業、行政、そして周囲の人たちはどのような手を打つ必要があるのか。雇用市場全体が厳しい昨今ではあるが、該当者一人ひとり、関係各部局の意識改革が求められ、状況改善のためになすべきことは多い。とはいえ、対策が後回しにされがちなのもまた事実ではあるのだが。

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