外食全般、さらにはハンバーガーは? 単身・二人以上世帯での外食利用動向をグラフ化してみる(2011年分反映版)
2012/03/04 06:35

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データの取得元は先と同じように【家計調査(家計収支編)調査結果】から。そのページにある「4.詳細結果表」の項目から、「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれについて、やはり同じように「購入世帯頻度」と「支出金額」を確認する。今回は収録されているデータのうち、一番新しい2011年のものを使うことにした。
対象項目は「一般外食」、さらにはその中に含まれる「ハンバーガー」「他の主食的外食」。具体的な区分内容は【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】では次の通りに説明されている。
・一般外食……飲食店における飲食費。飲食店(宅配すし・ピザを含む。)により提供された飲食物。出前、持ち帰りの別にかかわらず、すべて含まれる。ただし「学校給食」「まかない(下宿や社員寮などで提供される食事)」は除く。
・ハンバーガー……セットも含む。ハンバーガーショップに限る。
・他の主食的外食……そば、うどん、ラーメン、パスタ、寿司、和食・中華・洋食各種、ハンバーガー「以外」の外食。例えばドーナツセット、お好み焼き、ピザパイ、お子様ランチ、会社での食事代など。ファミレスでの食事も該当する。
・ハンバーガー……セットも含む。ハンバーガーショップに限る。
・他の主食的外食……そば、うどん、ラーメン、パスタ、寿司、和食・中華・洋食各種、ハンバーガー「以外」の外食。例えばドーナツセット、お好み焼き、ピザパイ、お子様ランチ、会社での食事代など。ファミレスでの食事も該当する。
なお「世帯購入頻度」は世帯単位での購入頻度。例えば構成員の誰かが特定期間に2回ハンバーガーセットを購入すれば、その世帯の該当期間におけるハンバーガーの購入頻度は200%になる。
まずは月次購入頻度。「世帯単位での動き」であることに注意してほしい。「単身世帯」は当然本人自身のみだが、「二人以上世帯」の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」にカウントしきれていないので、あくまでも「世帯全体のお財布から買った」もののみ)「購入世帯」として該当することになる。

↑ 2011年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(外食全般と主要品)(世帯当たり)(総務省統計局発表)
月当たり「単身世帯」は平均で7.5回、「二人以上世帯」は5.8回ほど「(一般)外食」を利用している。上記説明にもある通り、実質的には「宅配」「中食」も含まれるので、感覚的にはあながち的外れでもあるまい。外食総計や「他の主食的外食」の利用頻度は単身世帯の方が多く、一人身世帯の食事事情がうかがえる。
「ハンバーガー」は月ベースで0.2-0.4回と少なめに見える。しかし今件は「単身世帯全体」「二人以上世帯全体」での話で、若年層だけでなく高齢世帯も含まれていることを忘れてはならない。
また2010年の値と比較すると、「ハンバーガー」「他の主食的外食」に大きな違いはないが、「単身世帯」の「一般外食」が大きく飛躍しているのが分かる。ポイントにして40ポイント、月平均回数で0.4回分の増加。これがイレギュラー的なものか否かは来年以降の結果を見守る必要があるが、注目すべき動きではある。
これを金額ベースで見たのが次のグラフ。一応「二人以上世帯」では「一人当たり」も試算して、グラフを併記しておく。

↑ 2011年における単身・二人以上世帯の月次「世帯当たり」平均支出金額(総務省統計局発表)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数3.08人)

↑ 2011年における単身・二人以上世帯の月次「一人当たり」平均支出金額(総務省統計局発表)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数3.08人)
購入性向同様に、「一般外食」「他の主食的外食」は「単身世帯」の方が、「ハンバーガー」は「二人以上世帯」の方が金額的に大きくなっている。世帯あたりの食費は「単身世帯」の方が少額なことを考えると(2011年は月あたり単身世帯が4万2420円、二人以上世帯が7万2730円)、いかに単身世帯の食生活が外食(中食含む)に支えられているか、その少なからずがファミレスなどによるものなのかが分かる。また、ハンバーガーは世帯全体としては、まだ「その他」レベルでしか食されていないのが分かる(後に別記事で解説するが、着実に消費額は増加中なのもここで書き記しておく)。
さらに2010年から2011年の変移を見ると、「二人以上世帯の外食切り詰め」「単身世帯の一般外食の利用額増加」が確認できる。上記グラフの「利用頻度」とほぼ同じ流れであり、商品・サービス価格の増減によるものではなく、利用性向の変化によるものであることが改めて確認できる。ざっくばらんに表現すると、「単身世帯で外食が増えた」「二人以上世帯で外食が減った」に落ち着く(二人以上世帯で平均世帯構成人数が0.01人減っているが、今件計算上では誤差の範囲でしかなく、利用性向の考察の上では影響を与えない)。
「単身世帯」が増加傾向にあることはすでに複数の記事で実証済み(例えば【核家族比率は幾分減ったが…? 種類別世帯数の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】)。外食周りの話題で「お一人様」なる言葉がしばしば出てくるのも、昨今の状況を反映したものと見て問題はなかろう。【SPA! 最新号に「孤独のグルメ」単発新作「汁おでん」掲載・ドラマCDの発売も発表】などで紹介している「孤独のグルメ」が根強い人気を誇るのも、そのタッチや表現方法の巧みさだけでなく、多分に共感性があるからなのかもしれない。
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