13年間のマンション販売戸数と平均単価をグラフ化してみる

2012/02/25 12:00

マンション不動産経済研究所は2012年2月23日、2011年の全国マンション市場動向を発表した。それによると民間マンションの2011年の発売戸数は8万6582戸となり、前年に比べて2.2%の増加となった。一方で平均価格は3896万円で、前年比で3.1%の減少を見せている(発表リリース、PDF)。

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発表データの詳細な解説はリリースにあるとおりだが、概要をまとめると次の通りとなる。

・マンションの発売戸数は前年比2.2%増。首都圏・近畿圏は落ち込んだが、地方圏の増大で全国的には増加。東北地区は3割減。
・発売価格平均値は3896万。前年の4022万円と比べて3.1%の減少。1平方メートルあたりの単価は54.3万円。前年比で1.4万円のダウンで、平均価格は2年ぶり、単価は6年ぶりの減少。

それでは早速過去のデータと合わせ、発売戸数と発売価格をグラフ化してみることにする。まずはマンション販売戸数推移。首都圏・近畿圏・その他、そして全国の合計値について。

↑ 民間マンション販売戸数推移(2011年分反映)
↑ 民間マンション販売戸数推移(2011年分反映)

発売戸数そのものは、直近のいわゆる「不動産プチバブル」時期にも大きくプラスに転じていたわけではない。首都圏・近畿圏ではほぼ横ばいに推移し、「その他」が2005年から1、2年増えている動きを見ると、大都市圏そのものではなくその周辺地域で発売物件数が増加していたことが把握できる。

一方で首都圏では2005年から、近畿圏でも2006年あたりから早くも発売戸数の減少が見られ、それに伴い全国合計数も減少。2007年以降は雪なだれ式にその数を減らしている。特に2006年以降の急落カーブぶりからは、急速に供給数が落ち込んでいるようすが手に取るように分かる。2009年にはその動きもようやくゆるやかなものとなり、2010年では「首都圏」「近畿圏」ではプラスに転じることになった。

そして2011年は件の東日本大地震・震災の影響もあり、首都圏、近畿圏では減少。特に東北圏の減少ぶりが著しい(全国の戸数に占める割合は1.1%とごくわずかだが、同地域における前年比はマイナス33.1%)。それに対し「その他」地域、特に九州・中国・四国地域が大幅に増え、これが全体値をプラスに引き上げることとなった。

続いて販売価格推移。

↑ 民間マンション発売価格推移(万円)(2011年分反映)
↑ 民間マンション発売価格推移(万円)(2011年分反映)

販売戸数の動向とはまったく別の、無関係さを想像させる形のグラフが描かれている。元々マンションは高額商品なだけに(大抵は一生、あるいは半生をかけてローンを支払っていくもの)、年間で10%も20%も上下されては困るが、それでも(大きな上昇が見える)2007年は7.1%も上昇していた。2008年は2.3%と上昇率が落ちたが、それでもまだ全国平均では上昇しているのが分かる。

「このまま上昇を続けるのでは」とも思われたが、需給バランスを鑑みて高値維持は難しいようで、2009年はさすがに下落傾向を見せた。しかし2010年には大手デベロッパーが主導する形で都市部の市場を形成し、それぞれの圏域での上昇を支えていた。

そして2011年では価格も首都圏で震災要素(液状化現象リスクなど二次的要因も含む)、さらには(多分に核家族化・少数世帯化の進行を背景とする)コンパクト住宅のシェアの高まりを受け、価格・単価の下落を示す結果となった。一方近畿圏は逆に、1.1%の増加を見せている。

西日本の不動産需要の高まり、東日本の低迷はある程度予想がつく話ではあるが、実際に数字化すると(特に販売戸数における差異)、一段と重みを増してくる。一方、【マンションの悪質な勧誘増加中・キーワードは「強引・強迫」「長時間勧誘」「夜間勧誘」】【被災地での震災悪質商法、不動産周りが多数を占める】などの事例にもあるような、強圧あるいは悪質なセールスの状況は相変わらず。活性・低迷を問わず、健全な動きとばかりは言い切れない。

不動産の動向は経済そのものの流れにおいて大きな要素となるだけに、今後も注意深く見守りたいところだ。特に2012年は復興需要、さらには消費者が求める住宅スタイルの変化に伴う新規需要でどこまで値が伸びるか(同研究所ではプラス15.5%・10万戸を見込んでいる)、気になるところではある。

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