パートやアルバイトの平均時給は? 年齢別短時間労働者の平均賃金をグラフ化してみる(2011年版)

2012/02/27 12:10

先に【フルタイムの平均賃金は29万6800円・前年比でプラス0.2%(2011年版)】で厚生労働省発表の資料を元に2011年における一般労働者(フルタイム労働者。正規・非正規を問わず)の所定内賃金(所定内給与額)について触れた。その資料には色々な面から賃金の流れを知ることができるデータが盛り込まれ、非常に価値が高いものであった。今回はその中から、短時間労働者の平均賃金について、グラフを生成してみることにした。

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今回使用したデータは、2011年における賃金構造の基本統計調査の概要【平成23年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況】からのもの。

なお賃金(所定内給与額)とはあらかじめ定められている支給条件・算定方法によって支給された現金給与額から、超過労働給与額(要は残業代)やボーナスなどを除き、所得税などを控除する前の額を指す。言い換えれば基本給に家族手当などを足したもの。また「短時間労働者」とはパート(パートタイム)やアルバイトのように、一般労働者定より短い就労時間で就労する労働者を指す。「賃金構造の基本統計調査」での定義は「同一事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い又は1日の所定労働時間が同じでも1週の所定労働日数が少ない労働者」。正社員と同じ時間帯で働く契約社員は、この「短時間労働者」ではなく、「一般労働者」の範ちゅうとなる。

↑ 雇用形態区分。今件は「常用労働者」のうち「短時間労働者」をチェックする
↑ 雇用形態区分。今件では「常用労働者」のうち「短時間労働者」をチェックする

また、パートやアルバイトの時給においてよく挙がるのが最低賃金制度と最低賃金法。詳しくは【厚生労働省の最低賃金制度に関する公式ページ】で確認してほしいが、都道府県別・産業別で時給単位の最低賃金を法的に定めたもの。例えば東京都の場合は時給837円(2012年2月時点)となっている。

さて、男女・年齢階層別の短時間労働者における平均賃金をグラフ化したのが次の図。全体では男性1092円、女性988円となっている。全体的に女性より男性の方が幾分高めな状態。

↑ 短時間労働者(パート・アルバイト)の年齢階級、性別1時間当たり賃金
↑ 短時間労働者(パート・アルバイト)の年齢階級、性別1時間当たり賃金

また、男性では40代前半まで上昇を続けているのに対し、女性は30代前半で頭打ちとなり、以後漸減する動きを見せている。男女別のパート・アルバイトの需要の違いにもよるが、歳を経るにつれて就けるパートなどの職種の男女での違いがはっきりしてくる表れでもある。

昨年2010年からの変移を見ると、興味深い動きが確認できる。

↑ 短時間労働者(パート・アルバイト)の年齢階級、性別1時間当たり賃金(前年比増減)
↑ 短時間労働者(パート・アルバイト)の年齢階級、性別1時間当たり賃金(前年比増減)(2011年)

具体的には「20代後半までは男女同じ動き」「30代後半以降は概して上昇傾向にあるが、男性の伸び率が大きい」という形(60代前半の男性はさすがにイレギュラーだろう)。2011年は男女ともに正社員の代替として、パート・アルバイトを積極雇用するための条件改善による結果と思われる。実際、先日【日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2011年版)】で参照した最新版の「労働力調査」によると、パート・アルバイト数は2011年平均で1181万人で前年比プラス33万人増加、正社員は3185万人で25万人の減少という値が確認できる。

参考までに主要産業別の平均賃金、及び去年からの変移(金額)を挙げておく。

↑ 短時間労働者の主な産業、性別1時間当たり賃金(円)
↑ 短時間労働者の主な産業、性別1時間当たり賃金(円)(2011年)

↑ 短時間労働者の主な産業、性別1時間当たり賃金(円)
↑ 短時間労働者の主な産業、性別1時間当たり賃金(前年比、円)(2011年)

接客業に該当する「宿泊、飲食サービス業」は女性の方が賃金が高い。その他は男性の方が高く、特に「製造業」は200円近い差を見せている。適材適所というところだろうか。

なおこれらの値はあくまでも全国平均であり、地域によって差があること、さらには前述したように最低賃金法との兼ね合わせもある(もちろん今回の平均賃金はすべて最低賃金を上回っているが)のを忘れてはならない。



パートやアルバイトには昇進・昇給が難しい(短中期的、サポート的な仕事が多いため)、技術を習得するには向いていない(単純作業が多い)、正社員と比べてリストラの対象になりやすい(法的保護の面で弱い)、福利厚生の面で不利などの弱点がある。一方で時間の自由が効きやすい、技術・資格を問われにくく就業しやすいなどのメリットがある。また、【「派遣叩き」がもたらす現実……企業は「派遣を減らしパートやアルバイトを増やす」意向】にもあるように無意味な派遣叩きが行われた結果、現時点でパートやアルバイトの求人は(条件の善し悪しを別にすれば)増加の気配を見せている。

世代構成の変化と、高齢者への雇用上での優遇措置が取られる一方、他の先進諸国同様に若年層の失業率の上昇が大きな社会問題化する動きを見せる中、今回掲示した各種データが今後どのように変化していくのか。気になるところではある。

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