子供のネットトラブル、「コミュニティサイト」では2008年以来初の減少(2011年データ反映版)

2012/02/24 07:05

携帯と子供警察庁は2012年2月23日、2011年全期における出会い系サイトなどに関連した事件の検挙状況をはじめ、各種現状を伝える値を発表した。それによると2011年全期における出会い系サイトの事件検挙件数は1004件と前年同期比で-21件、被害にあった児童は282人で前年同期比+28人と、件数減少・人数増加の傾向を見せている。一方でコミュニティサイト(以前は「出会い系サイト以外のサイト」と呼ばれていたもの。SNS、プロフィールサイトなど、ウェブサイト内で多人数とコミュニケーションがとれるウェブサイトのうち、出会い系サイトを除いたものの総称)では、検挙件数は1421件(-120件)、被害児童数は1085人(-154人)と、こちらは件数・人数共に減少する状況にある。警察庁側では引き続き問題のある出会い系サイト事業者に対する取り締まりを継続すると共に、コミュニティサイト対策としては「サイトの規模、態様及び取組状況に応じたサイト内監視体制の強化促進」「ミニメール内容確認等の推進」「フィルタリングの普及徹底」「実効性のあるゾーニングの促進」などを行うとしている。またEMA(一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)への情報提供によるサイトの厳格な認定・監視なども続けるとのこと(【発表リリース、PDF】)。

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子供のネット界隈での問題は以前【子供がネットトラブルを起こしそうな場所、親はちゃんと把握して……ない!?】でも取り上げ、アメリカにおける同じような事情として【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】【ネット上でいじめを受けている子供の徴候】を紹介した。また、先日【サイバー餌付け(cyber-baiting)ってなんぞや?】【多種多様な問題点が浮き彫りに...シマンテック発・子供のインターネット利用実態】などで触れているように、デジタル機器の子供への浸透率の向上と共に、多種多様な問題が発生するようになり、セキュリティ関連会社でも高い関心を示し、対策を呈している。今回警察庁から発表されたデータは、日本における子供とネットの関係上の「リスク」において、問題を生じる場所がもはや「出会い系サイト」は少数派となり、「コミュニティサイト」が多数に及んでいることを明確に表すものとなっている。

今回発表されたデータでは、1年を通した統計データとして、「コミュニティサイト」のリスク体現化事象が減ったことでも注目できる。

↑ 出会い系・出会い系以外のサイトに関連した被害児童数・検挙数推移
↑ 出会い系・出会い系以外のサイトに関連した被害児童数・検挙数推移

・各種規制の強化や啓蒙で、出会い系サイトを対象とした児童周りの問題は減少傾向にあった。しかし2011年ではその効果も限界に達したらしく、ほぼ横ばいとなっている(青系統色)
・コミュニティサイトの児童周りの問題は増加の一途をたどっていた。今年の上半期は統計を取り始めた2008年以降、初めて減少傾向を見せた(赤系統色)

出会い系サイトについては、2008年の「出会い系サイト規制法」の改正で事業者の届け出制を強化すると共に、各種フィルタリングの強化が功を奏している。逆にコミュニティサイト絡みでは計測を始めた2008年以降増加を続けていたが、2011年でははじめて明らかな減少傾向を確認できるものとなった。

この数年間「コミュニティサイト」のリスク体現化件数が増加していた理由はいくつかあるが、主なものを挙げると

・普通のソーシャルメディアなどコミュニティ系のサービスなのでフィルタ対象になりにくい
・業界団体の「健全認定」を受けたサイトでも状況は発生しうる(実行者の手口の巧妙化)
・「健全認定」を受けたところも含め、ソーシャルメディアなどの利用者数そのものが増加している

などがある。そして2011年に「コミュニティサイト」でも件数・人数が減少したのは、「今後の継続対策」部分でも挙げられている「ミニメール内容確認等の推進」「ミニメール内容確認等の推進」「ミニメール内容確認等の推進」の効果が発揮されつつあることを裏付けるものとなっている。ただし今回の2011年に限れば、東日本大地震・震災による影響も否定できず、2012年以降の動向を見極める必要はこれまで以上に高まっている。

困った……警察庁では【コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査分析について(PDF)(2011年上半期)】を2011年11月9日に発表。「コミュニティサイト」に関して、独自の児童被害に関する分析を行っている。そこでは「サイト内ミニメールの悪用事例が増加」「保護者の放任」「アクセス環境として携帯電話が多数にも関わらず、フィルタリングに加入していないのが9割以上」などの分析結果を挙げた上で、「実効性のあるゾーニングの促進」「ミニメールの監視体制拡充の促進」「フィルタリングの普及徹底」「EMAにおけるサイトの認定・監視機能の強化促進」と、今件発表における対策とほぼ同じ項目を挙げ、対策の強化をうたっている(特にミニメールに関するリスク拡大と、それへの対応には重点が置かれている)。

不特定多数の人が集まる場が存在する以上、そのような「状況」が発生し得るのは確率論的に避けることはできず、また人数が増えれば「比率」は低くても「絶対数」が増え得るのも避け難い(例:100人の0.1%なら1人ですらないが、100万人の0.1%なら1000人になる)。しかし「比率として低いから『仕方ない』と妥協する」ことが出来ないのが、犯罪防止関連の対策なのもまた事実。特にコミュニティサイトは元々普通のコミュニケーションを行うための場所であることから、その場所での児童被害者が、出会い系サイトのそれよりも低年齢にあることも重要な問題と受け止められている。

↑ 出会い系・コミュニティサイトにおける児童(18歳未満)の被害者数(2011年全期)
↑ 出会い系・コミュニティサイトにおける児童(18歳未満)の被害者数(2011年全期)

携帯電話事業をはじめとする関連業界側としては、「健全認定」が単なるお飾り的なものとして世間一般に軽視されることの無いよう、「発生数ゼロ」を目指して最大限の努力を続ける必要がある。

それと共に保護者や教員など周囲の人たちは児童に対する啓蒙・周知を徹底、そして子供自身も十分な注意を意識しなければならない。特に携帯電話やインターネットの利用が「当たり前」のものとなった昨今、保護者の子供への啓蒙・周知責任は、「社会生活に慣れさせる」という視点において、それこそ「電話のかけかた」「横断歩道の渡り方」「信号の意味」「お買い物の仕方」と同じくらいに重要であることを認識する必要があることはいうまでもない。

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