日本の学歴・年代別失業率をグラフ化してみる(2011年版)

2012/02/23 12:10

総務省統計局は2012年2月20日、2011年における労働力調査(詳細集計)の速報結果を発表した(【労働力調査(詳細集計) 平成23年平均(速報)結果:発表ページ】)。それによると若年層(15-24歳)における完全失業率が年平均で9.8%に達したことが明らかになった。昨年より状況はやや改善されているものの、他年齢層と比べて高水準にある状況に変わりは無く、昨今の雇用情勢の悪化がとりわけ若年層に影響を及ぼしていることを裏付けている。今回は今データを元に、以前日本の学歴・年代別失業率をグラフ化した記事の2010年版を作成する。

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元となるデータは「労働力調査(詳細集計)平成23年平均(速報)結果」の「統計表」から、「表14 教育、年齢階級別完全失業者数(卒業者)」のデータを逐次抜粋したもの。前回と同じ形式のグラフに流し込む。ちなみに「完全失業率」とは【辞めさせられたけど再就職をあきらめる人が増えている!? 統計局の「完全失業率の急上昇」をざっと読み通す】でも説明しているように、「完全失業者÷労働力人口×100(%)」で算出される値。統計局の場合には「仕事についていない」「仕事があればすぐにつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」のすべてに当てはまる人が「完全失業者」に認定される。

また御承知の通り昨年2011年に発生した東日本大地震・震災の影響で、岩手県・宮城県・福島県における調査実施が一時的に困難となったことを受け、2011年1-3月期平均結果から同年7月-9月平均結果までは、当該3県を除く全国の結果を公表することとなった。そのため、2011年平均についても当該3県を除いた結果が公表されている。今回図表作成で用いる値では、前年比を算出する際は同じく当該3県を除いた値を用い、不整合が無いようにしている。

↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2011年平均)
↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2011年平均)

全体的な構造「高学歴ほど低失業率」「若年層ほど高失業率」という構造に変わりは無い。ただし、55歳以上の高齢層失業率がそれより前の世代と比べて高めに推移しているのが気になる。また後述することになるが、今年も大卒・大学院卒の15-24歳における、つまり大学卒業後間もない新社会人の失業率が8.2%と高めに位置しているのが目に留まる。

今回の資料に併記されている2010年分のデータを別途入力し(上記にあるように、震災で影響を受けた3県分をのぞいた値を用いるため)、その値との比較を算出して出来たのが次のグラフ。これは2010年から2011年の1年間で、どれだけ失業率が改善・悪化したかを示す。数がプラスに大きく振れるほど失業率が増加、つまり雇用状況が悪化したことを意味する。

↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2010年から2011年への変異値)
↑ 学歴(教育)・年齢階層別失業率(2010年から2011年への変異値)

ややばらつきを見せながらもわずかながらマイナス値、つまり雇用の改善が見られた昨年のグラフと比べると、特に学歴が浅い層(青色)での小さからぬ改善(マイナス)が確認できる。プラス値を示した(=悪化した)のは高齢層の「短大・高専」「小学-高校・旧中」のみ。やはり高齢層の雇用問題がクローズアップされる値が出たが、それをのぞけば失業状況の改善は素直に喜ぶ結果といえる。

なお、就職をあきらめて大学院入りした人などは完全失業者には入らないので、このグラフには反映されないことに留意する必要がある。



今回のデータは「若年層の高失業率」「全般的、特に学歴が浅い人達の雇用状況改善」「高齢者の雇用状況悪化」がポイントとなる。また、詳しくは機会を改めて解説するが、「計測該当人口はほぼ変わらず」「労働力人口はやや減少」「非労働力人口は少々増加、そのうち就業希望者はやや減少」「正規社員は減少、非正規社員は増加」という傾向を見ると、企業側は財務的に負担の大きい正規社員としての雇用を敬遠し、学歴の浅い者を非正規社員として雇用する傾向を強めていることが見て取れる。実際、雇用者に占める非正規社員比率は前年より増加している(単純前年比、及び当該3県を考慮した前年比共に)ことから、この仮説の裏付けが取れる。

また、「全般的、特に学歴が浅い人達の雇用状況改善」そのものは喜ばしい話だが、先日の【3年で中卒者は2/3、高卒者は4割が離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2011年版 子供・若者白書)】にもある通り、継続的な就労が維持できるか否かを考えると、諸手を挙げるだけでなく、今後の推移を注意深く見守る必要があることが分かる。

なお今回データを抽出した「労働力調査(詳細集計) 平成23年平均(速報)結果」には、注目すべきデータが多数盛り込まれている。さすがにすべてを網羅するのは不可能だが、過去の記事を踏襲する形で折を見てグラフ化し、検証を行うことにしよう。

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