「映画は観る」が「映画館では観ない」、その理由とは

2012/02/24 06:50

映画館ライフメディアのリサーチバンクは2012年2月22日、映画に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、映画館・テレビなど場所・媒体を問わなければ、7割以上の人が半年に1回以上映画を観ていることが分かった。一方、「映画は観る」ものの「映画館は利用しない」人も映画視聴者のうち7%強ほどおり、その理由を尋ねたところ、「自宅で観る方が楽だから」「入場料が高いから」の2つが約半数の回答率を見せる結果となった(【発表リリース】)。

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今調査は2012年2月11日から2月16日にかけて、インターネット経由で10代-60代の男女に対して行われたもので、有効回答数は1461人。男女比は726対735、世代構成比は10歳区切りでほぼ均等割り当て。

今調査母体では半年に1回以上映画を観る人は、7割強に達している。月1回以上に仕切り直しても38.9%と4割近く。

↑ 映画を観る頻度(場所・媒体を問わず)
↑ 映画を観る頻度(場所・媒体を問わず)(再録)

「映画を鑑賞する」状況は、映画館以外にテレビやレンタルDVDを利用する場合もある。そこで「場所はともかく映画を観ている」と回答した人に、「映画館で」と場所を限定して尋ねた結果が次のグラフ。「映画は観るが、映画館にはいかない(映画館では映画を観ずに、他の媒体で「のみ」観る)」という人が7.2%もいる。

↑ 映画館で映画を観る頻度(映画は観ないと回答した人以外)
↑ 映画館で映画を観る頻度(映画は観ないと回答した人以外)

その他の区分を見ても、最初のグラフと比較して少なめの感は否めず、「映画を鑑賞する人でも、地上波テレビの利用率ほど映画館での鑑賞率・利用率は高くない」ことがうかがえる。

それでは「映画は観るが映画館では観ない」(映画そのものを観ない人は除く)人達は、なぜ映画館を利用しないのか。映画そのものは観る以上、映画自身が嫌いなどではないはず。

↑ なぜ映画館に行かないのか(映画館に行かないと回答した人、複数回答)
↑ なぜ映画館に行かないのか(映画館に行かないと回答した人、複数回答)

「映画は観るが映画館では観ない」のうち、ほぼ同率・約半数の人が「自宅で観る方が楽だから」「入場料が高いから」と答えている。「入場料が高い」件は絶対金額以外にコストパフォーマンス的な側面もあることを考えると(他の鑑賞スタイルとの経費面での比較。例えば「レンタルDVDなら自宅で鑑賞できるし、300円で済むのに」「有料動画サービスを使えば自宅のパソコンを使って500円で鑑賞できる」など)、多分に「自宅で観る方が楽」と被るところがある。

映画館見方の切り口を変えれば、「映画館の入場料が高い」と判断されるのは、多分に比較対象となる鑑賞スタイルの仕様性能が向上し、より便利・より高画質・よりお手軽になったからといえる。相対的に評価が下げられたというワケだ。

第三位以降の「長時間座っているのが嫌」「近くに映画館が無い」「他の客が気になる」などは映画館の特性・環境上の問題であり、解決するのは一朝一夕にはいかない。他方「子供が小さい」「観たい映画が無い」「上映時間が間に合わない」などは、映画館側の工夫と努力で改善される余地はある。

「映画館市場が不調」との話をちらほらと耳にするが、まずは出来る範囲の手を打った上で、競合鑑賞スタイルの質の向上に伴う「相対的な価値観・必要性の低下」からもたらされるコストパフォーマンスの悪化に歯止めをかけ、改善化を模索すべきだろう。相手の価値を下げるわけにはいかないので、「映画館での鑑賞ならではの価値」を、「映画を観たい人」の需要に合わせる形で付加していく必要がある。

無論、「ネットやレンタルでは得られないメリット(と提供側が考えているもの)」なら何でも良いわけではない。映画鑑賞を望む人が、その「メリット」を求めていなければ、単に余計なものとなる。慎重で精度の高いリサーチが必要とされよう。


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