実写版ドラえもんのCM攻勢でトヨタ自動車がトップに(民放テレビCM動向:2012年1月分)

2012/02/21 12:10

ゼータ・ブリッジは2012年2月20日、2012年1月度における関東民放5放送局(いわゆるキー局)のテレビCMオンラインランキングを発表した。それによるとCMの放送回数がもっとも多かった企業・団体はトヨタ自動車だった。また、商品別オンエアランキングなどを見ると、携帯コンテンツ関連会社の躍進が目立つ一方、自動車会社の活発な宣伝活動、そして季節属性的な企業の飛躍が見える結果となっている([発表リリース])。

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データの取得場所、各種データの意味、そして今件記事が関東地域のみを対象としていることについての説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行われている。そちらでチェックを入れてほしい。

発表資料には多種多彩なデータが掲載されているが、そのうち企業別オンエアランキング(放送回数順位)の中から上位10位を抽出したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2012年1月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2012年1月、上位10位)

ビデオリサーチコムハウスのデータを元にした記事【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(1)花王】などで解説しているが、花王は年明けに数を減らし、春以降は急激に戻したのち、夏期はやや落ち込みを見せる傾向がある。しかし前回の記事【関東民放テレビでのCM放送回数の上位企業をグラフ化してみる(2011年11月分)】でも指摘しているように、昨年2011年は夏期での落ち込みを見せず、高い放送回数のまま秋季・冬季攻勢の時期に突入したように見えた。しかし今回の1月分では順位・回数共に大きく後退しており、「年明けに数を減らし」に近い動きとなった。春までこの動きが続けば(=通常パターンに戻れば)、「花王は2011年”は”特別攻勢をかけた」と見ることができよう。

また、【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(3)ハウス食品】で解説している、興和(コーワ)が今月も顔を見せている。とはいえハウス食品はグラフのぎりぎり圏外の11位に、興和も数・順位共に後退。「フリースポット契約」の広告の需要動向は落ち込み気味、逆にいえば通常の広告が増加しているように見える。

携帯電話向けサービスの事業会社グリーや、そのライバル会社ディ・エヌ・エーは、今回は前者が3位、後者が圏外(21位以下)。「冬期攻勢」を終え、春の携帯電話本体の新規契約時期に向け、充電状態というところか。

今月は自動車メーカーと季節属性的な「ユーキャン」の飛躍が目に留まる。自動車メーカーではトップにトヨタ自動車、4位にスズキ自動車、7位に日産自動車、8位にダイハツ工業と、10位以内に4社も入っている。自動車セクターの復権ぶりが目立つ。

特にトヨタ自動車は前回記事でも紹介したが、『ドラえもん』を実写化したシリーズを展開し、しかもキャストに話題性豊富な人達を次々と選び(とりわけ「ドラえもん」にジャン・レノ氏を起用したのは大きな衝撃となった)、話題を集めている。トヨタ自動車の【テレビCM月間人気ランキング】でも、上位はすべて「Re BORN(ドラえもん)」で占められていることからも、その人気ぶりがうかがえる。

↑ 実写版ドラえもんに関する取材レポート公式動画(時事通信社)
↑ 実写版ドラえもんに関する取材レポート公式動画(時事通信社)。

また毎年この時期に大規模な展開を行う、生涯学習の【ユーキャン】は、今年も多彩な出演者によるCMを展開。今回2位に躍り出ることとなった。

↑ ユーキャンのテレビCM
↑ ユーキャンのテレビCM。単にCMの再生だけではなく、その他の同社コンテンツへのリンクも設定してある点は「さすが」といえる

これら上位10位の企業におけるCM出稿を、テレビ局ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 企業別放送回数ランキング(2012年1月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2012年1月、上位10位)(局別)

今回トップについたトヨタ自動車だが、キー局5局すべてに一定量の確認ができると共に、日本テレビとTBSテレビにはやや多めに割り振られているのが分かる。一定量の配信は「ドラえもん」という分かりやすいテーマを用いたCMを流す上で「できるだけ多くの層に、分け隔てなく」という意図、そして日テレとTBSへの多め配信は提供番組による差異だろう。「どの局にもそれなりに」の動きは、スズキ自動車・日産自動車・ダイハツ工業にも見られ、自動車メーカー共通の認識とも受け取れる(もっともテレ朝はスズキ自動車が多い一方、他社は少なめという気になる傾向もある)。

またユーキャンはテレビ東京への突出が目立つが、これは同局の経済分野でのアドバンテージとのマッチングを考慮した結果といえよう(テレビ東京親会社の日経新聞も、就職の上で日経購読は役に立つとの主旨のCMを流している)。

グリーは前回(2011年11月)はテレビ東京のみ突出していたが、今回はテレ朝へ大きく傾注している。CMの内容に対するターゲットが違うものとなったのかもしれない。

最後に、企業別ではなく個別商品別のランキングは次の通りとなる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2012年1月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2012年1月)

グリーは同社のSNS「GREE(グリー)」をプッシュしており、色々なパターンはあれど全部まとめて集計されている。ディー・エヌ・エーもまた同社SNS「モバゲー」で集約した上で集計されていることもあり、個別商品ランキングでは携帯コンテンツ会社(SNS運営会社)が先月に続き上位に顔を連ねる形となった(特にディー・エヌ・エーは企業別では20位圏外にも関わらず、こちらでは5位についている)。

グリーでは前回紹介した「海賊王国コロンブス」「聖戦ケルベロス」に続き、「探検ドリランド」でも大手タレント(TOKIO)を投入。CMのみならずゲーム内カードやイベントにも登場させることで、「意識の共有化・一体化」によるCM効果をかさ上げする試みを行っている。

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