週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(総世帯版)(2011年分まで反映)

2012/02/24 12:00

統計先に【1か月の購入金額は143円!? 週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(2011年12月版)】などで、2012年2月17日に2011年分までの年次データが更新された【家計調査(家計収支編)調査結果】を元に、各種記事の更新を行った。これらの結果は基本的に「二人以上の世帯」のもので、一人暮らしの世帯(単身世帯)の動きは反映されていない。両世帯間では消費性向に小さからぬ違いがあるからだ。そこで今回は、市場全体の動向を明確に把握するため、「総世帯」(二人以上世帯+単身世帯)で先の記事同様の「新聞や雑誌、書籍などはどの程度買われているのか」の移り変わりを調べた過去の記事の内容を更新することにした。

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データの取得元だが、場所は【家計調査(家計収支編)調査結果】で先の記事と変わらない。そこから「4.詳細結果表」「総世帯(平成14年から掲載)」「年データ」を選択(今項目には四半期・年・年度しか無い)。「3.時系列データ」は基本的要項しか掲載されていないので使えない。

「年データ」は今回の更新で2011年分までのものが収録されることになった。そこで1年ずつ「家計調査 > 家計収支編 > 総世帯 > 詳細結果表 > 年次 >」から「<品目分類>1世帯当たり品目別支出金額」「10. 年間収入五分位階級別」を選び、ファイルを取得。その中の中央やや下部、ナンバリングは無いが横軸で553行目あたりにある「書籍・他の印刷物」から、該当項目の値を抽出していく。ただし今「総世帯」では「購入世帯数」の結果は無いので(世帯構造が違うので、まとめて数えても意味が無いと判断したと思われる)、「購入世帯頻度」と「支出金額」のみを見て行くことになる。

なお「世帯購入頻度」は世帯単位での購入頻度。例えば構成員の誰かが特定期間に2回雑誌を購入すれば、その世帯の該当期間における購入頻度は200%になる。

さてまずは直近データの2011年分について概要を。主要項目(金額面では新聞購読の特殊形態のために省略)の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらに「一人当たり」の金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 2011年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(総務省統計局発表)
↑ 2011年における総世帯の平均支出金額・購入世帯頻度(総務省統計局発表)

↑ 2011年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(総務省統計局発表)
↑ 2011年における総世帯の”一人当たり”平均支出金額(総務省統計局発表)

2010年次の数字と比べると、「新聞」の購入世帯頻度、「雑誌・週刊誌」の購入世帯頻度や平均支出金額、特に「雑誌・週刊誌」の落ち込み具合が著しい。これは【その他色々な雑誌部数の変化をグラフ化してみる(2011年4-6月データ)】などでも触れているように、震災後の流通混乱や生産力の低下により、「雑誌」の販売が一時的に止まった・大幅に縮小された事情を起因としている面が大きい。購入世帯頻度が「書籍」と逆転してしまっているのが象徴的だ。もちろんこれまでの記事で解説しているように、「雑誌・週刊誌」の中期的な漸減傾向も反映されている。

この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、データが収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。

↑ 総世帯の平均購入頻度(総務省統計局発表)(月次)
↑ 総世帯の平均購入頻度(総務省統計局発表)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(総務省統計局発表)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(総務省統計局発表)(月次、円)

新聞は2002年の時点で100%を超えており(新聞の場合は自宅に投函してもらうタイプは「1か月分の契約」で1購入と換算するので注意が必要。31日分投函してもらったから100×31=3100%となるわけではない)、すべての世帯が定期購読しているのに加え、スタンドや駅売店で購入している人も相当数居たことになる。それが2011年には87.1%。18ポイント近くの低下。

「書籍」はやや減少具合が緩慢だが減っていることに違いは無く、「雑誌・週刊誌」は著しい減退傾向にあるのが分かる。今や総世帯の約半数までもが、「月に一冊も雑誌や週刊誌を買っていない」状態。当然平均購入金額も漸減状態。

さらに減少傾向はいわゆる「メディアのターニングポイント」とされる2005年前後より前、今回データが取得できた2002年時点から起きている事実や、「雑誌・週刊誌」や「書籍」は多分に景気変動にも影響を受けやすいことなどを知ることができる。大勢としては「二人以上世帯」と変わりがない次第。

そして今回2011年分を反映した限りでは、購入頻度の視点で「雑誌・週刊誌」と「書籍」の逆転現象が起きていることが確認できる。元々この5年ほどの間は両者がきりもみ状態をしながら下げる向きがあったたものの、「書籍」よりも「雑誌・週刊誌」を買う人が少なくなったのは2008年に続いて2回目。震災の影響がより強く反映されたとはいえ、同時に「雑誌・週刊誌」の辛い現状を再確認させられる動きともいえる。



なお今件では市場全体により近い動きを知るために、「総世帯」として「二人以上世帯」「単身世帯」の双方を合わせた値で色々と吟味した。しかし世帯単位での消費性向が異なる両者には、興味深い違いも確認できる。その点については機会を改めてメスを入れることにしよう(要は【一人暮らしと夫婦世帯との間の「週刊誌や雑誌、書籍の支出額」の違いをグラフ化してみる(2010年分反映)】の更新も行う、ということだ)。

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