長期でグラフを描くと別の動きが見えてくる…諸種雑誌部数動向(2011年まで)

2012/02/20 12:10

先日公開した記事【少年・男性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2011年10月-12月データ)】など複数の記事で、【社団法人日本雑誌協会】が2012年2月9日にデータベース上に公開した、2011年10月から12月分の主要定期発刊誌の「印刷証明付き部数」をベースとして、いくつかのグラフを生成すると共に、その状況の精査分析を行った。これに関連し、【少年・男性向けコミック誌の部数推移をグラフ化してみる(2011年まで)】では「継続的な推移動向」について、「抽出可能な期間は4年近くのみ」「部数上位雑誌限定」との制限を設けながらも、部数推移をグラフ化し、中期的な流れを追いかけた。今回は同じ趣旨で【その他色々な雑誌部数の変化をグラフ化してみる(2011年10-12月データ)】と連動する形で、さまざまな雑誌の印刷証明付き部数の推移を見て行くことにする。

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今回使用したデータは「2008年4-6月期」から「2011年10-12月期」まで。四半期単位で構成されており、都合15期分が使えることになる。個々の分野では多数の雑誌を対象としているが、すべてを対象としたのでは雑多すぎるため、各項目では部数が上位のものに限定している。

まずは一般週刊誌。これは写真誌あるいはそれに近い雑誌と、一般週刊誌の二つに区分した上で、上位陣の雑誌について動向をグラフ化した。

↑ 一般週刊誌(除く写真誌)の印刷実績(部)(上位・一部のみ)
↑ 一般週刊誌(除く写真誌)の印刷実績(部)(上位・一部のみ)

↑ 一般週刊誌(写真・写真系誌)の印刷実績(部)(上位・一部のみ)
↑ 一般週刊誌(写真・写真系誌)の印刷実績(部)(上位・一部のみ)

まず写真誌系以外の雑誌だが、いくつかの特徴が確認できる。

・全般的には漸減
・「週刊ポスト」「週刊現代」は漸増
・上位2誌「週刊文春」「週刊新潮」はいわゆる「震災特需」が確認できる

特に「週刊現代」の上昇ぶりは3か月おきの定期報告記事でも何度か触れている通り。内容の質とセールスが一致しているかはともかく、「週刊ポスト」「週刊現代」の2誌が2009年後半以降、徐々に部数を伸ばしていることは事実である。逆に「週刊新潮」の下落ぶりが気になる。

次に写真・写真系誌。こちらも定期報告記事で言及の通り、減少ぶりが著しい。唯一「FRIDAY ダイナマイト」が2009年中盤以降に盛り返しを見せるが、それも2010年に入ってからは失速、再び減少傾向を示している。

ただし良く見ると、「FRIDAY」が2011年以降わずかながら上昇に転じている、「FLASH」が震災期を底として反転する気配があるなど、今ジャンルでの2誌に状況転換の兆しが見えているのが確認できる。

続いて育児系雑誌。こちらはせっかくなので、現在発刊・定例記事で検討対象誌全部の動向をグラフ化した。

↑ 育児系雑誌の印刷実績(部)
↑ 育児系雑誌の印刷実績(部)

付録や特集で一時的な盛り上がりを見せるが、多くの雑誌で厳しい局面下にある(特に「エデュー」が大変)。ただし「ひよこクラブ」「ベビモ」など複数の雑誌で、緩やかながらも底打ち・反転上昇の気配が感じられるのが嬉しい所ところ。とりわけ最上位の「ひよこクラブ」が2期連続上昇しているのは頼もしい。

最後にエリア情報誌。これは休刊した数誌も盛り込んでみた。

↑ エリア情報雑誌の印刷実績(部)
↑ エリア情報雑誌の印刷実績(部)

「ぴあ(首都圏版)」が休刊に向けて大きく部数を落としたこと、そして休刊が決定した際には(恐らく最終号だろう)大きく売上を伸ばした動きが印象的。それ以外は概して「漸減」で復帰の芽は見つけにくい。もっとも「北海道ウォーカー」のようにボックス圏内にある(=比較的手堅い)雑誌が季刊誌に変更・内容の大幅リニューアルを図るあたり、エリア情報誌も黙って状況に身を任せているだけではないということか。



今件以外の項目、例えば「いぬのきもち」「ねこのきもち」や「小学-年生」などは、逐次3か月毎の定期更新の記事の中で盛り込んでいる。気になる人はそちらを確認してほしい。

一部週刊誌のように、内容的になりふり構わない手法で売上を伸ばしているところもあるが、そのようなドーピング的手法がいつまで続くか、少々疑問に覚えるところがある。「ドーピング」は続ければ続けるほど効果が薄れ、より強い刺激を求めるようになり、リスクも次第に大きくなるからだ。しまいにタガが外れ、手遅れな事象を起こさないことを祈りたい。

他方写真系など一部雑誌では復調の動きもある。今後の定期的動向報告で、良い数字を確認できると嬉しいのだが。

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