一人身のお年寄りは若者よりコロッケが好き…世代別・単身世帯の揚物や惣菜などの支出比率をグラフ化してみる(2010年分反映)

2012/02/20 06:50

フライデー2012年1月30日に掲載した記事【お米とパンとめん類と…世帯単位での主食3品目の購入性向推移をグラフ化してみる(2010年分反映)】など複数の記事で、「二人以上の世帯」「単身世帯」で構成される(要は全世帯である)「総世帯」における、いくつかの食品に関する消費性向のチェックを【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得したデータで実施した。今回は視点を変え、単身世帯(一人暮らし)で食される、代表的な「揚物」や惣菜の購入性向を見て行くことにする。

スポンサードリンク


データの取得元は【家計調査(家計収支編)調査結果】で先の記事と変わらない。そこから「4.詳細結果表」「単身世帯(平成14年から掲載)」「年データ」を選択。「3.時系列データ」は基本的要項しか掲載されていないので使えない。

「年データ」は現時点で2010年分までのものが収録されている。そこで最新の2010年のものについて「家計調査 > 家計収支編 > 単身世帯 > 詳細結果表 > 年次 > 2010年」から「<品目分類>1世帯当たり品目別支出金額」「10.男女、年齢階級別…単身世帯・勤労者世帯」を選び、ファイルを取得。その中にある「コロッケ」などいくつかの揚物、そして惣菜関連についてピックアップしていく。対象項目について【収支項目分類及びその内容例示(平成22年1月改定)】から説明を抽出すると次の通りとなる。

・コロッケ……生も含む。冷凍食品は含まない。

・カツレツ……トンカツ、ビーフカツ、チキンかつ、一口かつ、ささみフライなど。肉に限り、生も含む。冷凍食品は含まない。

・天ぷら・フライ……一般の天ぷら、くしカツ、メンチカツ(コロッケとは別物であることに注意)、フレンチドッグやアメリカンドッグ、から揚げを含む。生も含むが冷凍食品は含まない。

・冷凍調理食品……各種調理食品の冷凍品。

・そうざい材料セット……夕食材料セット、ファミリーセット、おでんや鍋料理の材料セット。店頭売り、宅配を問わない。

・他の調理食品のその他……肉のつくだ煮、焼肉、焼き豚、焼きフランクフルト、魚の照り焼き、きんぴら、レトルト食品、チルド食品、各種缶詰など。

また、家計調査では単身世帯の世代について、34歳以下(若年層)・35-59歳(中堅層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが今件では省略)。そこでこの年齢区分に従い、各種計算をしていく。

まずは月次換算をした、単身世帯・各世代の食費総額。単身世帯なので当然、世帯主本人のための購入になる。今件だけでなく、単身世帯の平均食費代として参考になる値である。

↑ 単身世帯世代別・食費(月次)(円)
↑ 単身世帯世代別・食費(月次)(円)

大体月4万円台。中堅層がやや高めなのは、飲み代などが含まれ、さらに他の食費項目でも他世代と比べて多少ながらもぜいたくな購入性向によるところが大きい。

続いて月次換算をした、各項目の支出額。世代別の購入性向に随分と違いがあるのが分かる。

↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の月次支出(円)
↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の月次支出(円)

今回「揚物」と「惣菜」にスポットライトをあてたのは、双方ともコンビニやスーパーなどではお馴染みの「お手頃食材」で、自宅に持ち帰って食べることが多い「中食」の商品であること、特にフライ系は「若年層が購入するイメージが強い」のを起因としている。そして単身世帯を対象としたのは、今後単身世帯が増えること、さらには若年層・高齢層共に単身世帯における食生活の動向が、小売各社の店頭展開・食品メーカーの商品開発にも関連・影響があるからに他ならない。

コンビニ等のフライヤー「フライ系は若年層が購入するイメージが強い」という点は、そのような「若年層が好んでいる」イメージがある一方、当方(不破)自身、100均ショップやスーパーでお歳を召した方がフライヤーの揚物を注文する場面をしばしば見かけており、実態はどのような状況なのか確かめたいという意図もあった。

今データを見る限り、惣菜の棚からの購入・レジ横ケースを見ながらの注文などルートは一つではないが、「コロッケ」は若年・中堅層より高齢者の方が調達額は高い。「カツレツ」「天ぷら・フライ」も若年層と比べれば大いに購入している。「高齢者は油系の食材を苦手としている」かと思えば、大違いの結果となった。

また、中食の浸透と共に注目を集めている「そうざい材料セット」「他の調理食品のその他」も、全般的に高齢者の方が購入額が高い。調理そのものの手間をかけたくない高齢者の需要に、惣菜の材料や各種調理済み惣菜はマッチしているといえる。ただし「冷凍調理食品」を使うのには抵抗があるようで、高齢者の利用性向は低めとなっている。

これを各世代の食費全体に占める比率でグラフ化したのが次の図。

↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の食費全体比
↑ 単身世帯世代別・該当食費項目の食費全体比

金額以上に高齢層の利用性向の高さ、例外として「冷凍調理食品」のみ若年層の方がよく使っているようすが確認できる。



各種データを見る限り、今後単身高齢者が増えることは間違いない。そして毎日の食生活を支える存在として、スーパーやコンビニなどの食品販売店は言葉通り「ライフライン」としての立ち位置を強めていく。

各店舗側も今件の揚物のように、イメージと異なる商品需要も合わせ、多種多様な需要の変化に対応していくのだろう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー