右肩下がりが続く、一部出版社では一斉にリニューアルを図り…少女・女性向けコミック誌部数動向(2011年まで)

2012/02/18 06:45

先日まで【少年・男性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2011年10月-12月データ)】などで【社団法人日本雑誌協会】が2012年2月9日に発表した、2011年10月から12月分の主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータを元に、いくつかのグラフを生成した。これに関連して先日【少年・男性向けコミック誌の部数推移をグラフ化してみる(2011年まで)】で「継続的な変移」について、「抽出可能な期間は4年近くのみ」「部数上位雑誌限定」としながらも、部数推移をグラフ化した。今回は同じ趣旨で【少女・女性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2011年10月-12月データ)】と連動する形で、少女・女性向けコミック誌の印刷証明付き部数の推移を見て行くことにする。

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使えるデータは「2008年4-6月期」から「2011年10-12月期」まで。四半期単位なので、都合15期分となる。個々の分野では多数の雑誌を対象としているが、すべてを対象としたのではグラフの動き把握しにくい・部数が少ない雑誌はぶれが大きくなるので、各項目では部数が上位のものに限定している。

まずは少女向けコミック誌。3か月毎の定期更新記事でも触れているように「ちゃお」の独壇場的雰囲気が強く、グラフでも他誌の動きが見えにくくなっている。そこで「ちゃお」を除いた上で上位陣をまとめた版も合わせて構築した。

↑ 少女向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)
↑ 少女向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)

↑ 少女向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)(除く「ちゃお」)
↑ 少女向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)(除く「ちゃお」)

あらためて「ちゃお」の絶対優位性と、その「ちゃお」自身の減退ぶりが見て取れる。4年近くの間に、約30万部も印刷部数が落ちているようすは、ビジュアル化してあらためて確認すると、言葉に表現し難いものがこみ上げる。また同時に、二つ目のグラフと合わせ、東日本大地震・震災の影響が改めて認識される。

二つ目のグラフに焦点を合わせると、一様に「減少」ではなく、雑誌によって沈み方に違いがあるのが分かる(このグラフは縦軸の最下部がゼロではない事に注意)。「なかよし」「りぼん」の落ち込み方は急だが、「少女コミック」「LaLa」などはゆるやか。それどころか「少女コミック」は2010年以降はむしろ微増する流れすら確認できる。

印刷部数そのものと共に、その動きの違いから、各誌のどの部分が足を引っ張っているのか、底上げをしているのか、例えば「『少女コミック』は下げ止まるどころか持ち直している。2010年以降どのような手を打ったのだろうか」などと考えてみるのも良さそうだが……ここでは省略しておこう。ともあれ、下降カーブのきつい数誌は、今後の定例更新でも動向が気になるところ。

続いて女性向けコミック。こちらは「ちゃお」のような存在がないので、上位陣だけをまとめて一枚のグラフに納められる。

↑ 女性向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)
↑ 女性向けコミック誌の印刷実績(万部)(上位・一部のみ)

縦軸の違いもあるが、少女向けコミック同様に厳しい状況なのは一目瞭然。また、少女コミック以上に「震災の影響」が色濃く2011年4-6月期に出ているのが分かる(震災影響期以降、数字を戻していない雑誌がいくつかあるが、それより前の期の動きを見れば分かるように、元々漸減していたため、通常の減少分が追いついてしまったのが原因)。

また「YOU」「Cocohana(コーラス)」の2誌が直近で上跳ねしているが、後者はリニューアルに伴う御祝儀相場的なところが大きい。前者は定期更新記事では言及しなかったが、2011年11月15日発売号からリニューアルを行い、月二回刊から月刊誌に転じている(名も「月刊YOU」に変更)。この際の御祝儀相場的動きと、震災の影響が薄れたのが合わさった動きといえる※。

※今件記事執筆後の話として、【集英社のリニューアル大作戦?】で詳しく解説していますが、昨年後半期において集英社が大規模なリニューアルを敢行したとの推測があります。



少女・女性コミック誌においては、少女コミック誌はまだ何誌か減退ぶりがゆるやかなもの・現状維持・自立反転している雑誌があるものの、女性向けは一様に厳しい状況にある。これを受けて何誌かはリニューアルを図り、軌道修正・最適化を図り、事態の打開を模索しているのが分かる。

まずはリニューアルで数字の上で明らかに初動が見えた「YOU」「Cocohana(コーラス)」の2誌について、動向をしっかりと注視していきたい。状況の回復が果たせれば、他誌のお手本にもなるに違いない。

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