吉野家は客単価はプラスだが客数は前年同月の反動でマイナス…牛丼御三家売上:2012年1月分

2012/02/07 05:45

[吉野家ホールディングス(9861)]は2012年2月6日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2012年1月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でマイナス7.8%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年1月における売上前年同月比はマイナス0.6%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス4.8%の動きを見せている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家の直近での動向を確認すると、同社では2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した(同月の売上高は前年同月比でプラス5.9%を記録している)。しかしその後は大きな新商品展開のイベントなども無く、オプション的メニュー「小鉢」も大きな影響は与えていなかった。そして【吉野家でカレー…吉野家から「こく旨カレー」「旨辛カレー」登場】にもあるように2011年8月から「こく旨カレー」「旨辛カレー」の発売を開始。さらにトッピングとしてチーズも登場させている。

2011年9月には昨年発売した「牛鍋丼」をリニューアルすると共に、「追っかけ」のバリエーションを変更(【吉野家、「牛鍋丼」を新味に・「おくらとろろ」「とろりチーズ」を「追っかけ」に追加】)。これらの動きを受けて客単価は大きく上昇していたものの、11月にはそれも失速。昨月2011年12月分では【吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」 、販売累計数300万食突破】にもある通り同年12月8日から発売を開始した新メニュー「焼味豚丼 十勝仕立て」 が好評を博して客数・売上共に5か月ぶりに前年同月比でプラスに転じたものの、今回の2012年1月分では昨年同月の活況ぶりもあり(その反動から)、再び前年同月比でマイナス圏に位置することとなった。

↑ 牛丼御三家2012年1月営業成績
↑ 牛丼御三家2012年1月営業成績

この半年ばかりは「復調」「本格的な回復はまだ先」という表現を重ねていた吉野家の客数だが、2011年12月分でようやく前年同月比プラスを記録。しかし1月は再びマイナス圏のマイナス10.3%に落ち込んでしまう。1年前の2011年1月における客数が17.2%のプラスだったことを考えると、十分反動の範囲と考えてよい(ちなみに一昨年からの比較だと、117.2%×89.7%≒105.1%で、プラス5.1%となる)。

松屋は客数と客単価のバランスが良く、客単価が不調気味でもその分客数がカバーをし、売上高を積み増し、売上が下げても最小限のレベルで維持されていた。今回月も「牛丼御三家」の中では客単価の伸びが一番大人しいものの、客数の減り具合もわずかで、結果として売上高前年同月比ももっとも小さいマイナス幅に留まっている。同社では【松屋の牛めし、定価を320円から280円に値下げ・豚めしは販売終了へ】にもある通り、豚めしの終了・牛めしの定価値下げを断行しており、この影響が本格化する2月分以降の動向が気になるところ。

一方すき家は、昨月に続き今月も前年同月比の売上がマイナス。これは1年前の冬期において、客数の大幅増加に伴う売上増が起きており、この反動によるところが大きい。売上高1割超プラスは2011年1月まで続いていたことから、今回発表月分までは、その反動による影響が大きいとみてよい。むしろ来月以降の動きに留意したい。

先日の【2011年12月度のチェーンストアの売上高、前年同月比マイナス0.6%】でも書き記しているが、チェーンストア(デパートやスーパー)では12月の時点でも、「和牛は相変わらず不調、豚肉・加工肉は堅調」という動きが確認できる。多分に「震災」の影響によるところが大きいのだが、これが牛丼御三家においても心理的な部分で、客足を遠のかせている可能性は十分にある(もっともこれは牛丼だけに限らず、【2011年12月度の外食産業の売上は前年同月比でプラス1.8%・イベント、日取り、好天で客足増加】の通り、外食の焼肉チェーン店全体にいえることなのだが)。

1月分を各社一言ずつでまとめると「吉野家…客単価はプラス、客数は前年同月の反動でマイナス、売上も大きくマイナスへ」「松屋…大きな動きは無し」「すき家…客数軟調で、売上も振るわず」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年1月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年1月)

すき家の客数増加は昨年頭から歩みがゆっくりとしたものになり、8月以降はギリギリプラスを維持していた。そして2011年12月分では、先月に続き前年同月比でマイナスを記録している(プラスは2009年12月以降継続していた)。客数の増加も2年で一休止。

店舗数比較では、すでにすき家がはるかに吉野家を超える形(【牛丼御三家の店舗数推移をグラフ化してみる(2011年12月版)】)。今でもすき家の拡大戦略は続いている。また昨今では松屋でも少しずつ拡大路線を歩み始めたようだ。これらの動きが営業成績とどのように関連してくるか、気になるところではある。

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