日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる(1899年以降・2010年分反映版)

2012/02/09 07:05

グラフ先に【出生率・死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)】などで、【人口動態調査統計一覧】、さらには【日本の長期統計系列】を用い、明治以降の日本における社会保険、医療体制や健康状態に関する中長期的動向をグラフ化してきた。その際、「平均寿命も見たい」との要望をいただいたこともあり、今回は同様の期間を対象に、平均寿命の推移をグラフ化してみることにした。

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ベースとなるのは以前【日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】で作成した、簡易・完全生命表の値を元にした、戦後1947年以降のグラフ・値。

↑ 平均寿命推移(1947-2009年、日本)
↑ 平均寿命推移(1947-2009年、日本)(再録)

これに戦前の分を足していけばよい。データ取得元は「日本の長期統計系列」。この【「第2章 人口・世帯」】から「2-35 完全生命表(明治24年-平成12年)」と「2-36 男女,年齢別平均余命(明治24年-平成15年)」の双方を取得し、必要な値を抽出していく。

さて、いくつか説明をしておこう。「平均寿命」とは「各年における0歳児の平均余命」を指す。例えば2010年の女性の平均寿命は86.39歳なので、「2010年に生まれた女性は、社会情勢などで大きな変化が無い限り、平均的に86.39歳まで生きられる」ことを意味する。「2010年時点で亡くなった女性の平均年齢が86.39歳」では無い。

また「簡易生命表」と「完全生命表」だが、「完全生命表」は国勢調査による日本人人口(確定数)や人口動態統計(確定数)をもとに5年ごとに原則、作成しているもの。一方で「簡易生命表」は推計人口による日本人人口や人口動態統計月報年計(概数)をもとに毎年作成している。この「生命表」に掲載されている0歳時の平均余命が、上記にある通り「平均寿命」となる次第。

今回取得した戦前のデータは「完全生命表」のもののみで、しかも5年毎では無く、都合6回しか行われていない。調査期間も数年間に渡っている。そこで今回補完する戦前分は「調査期間内の結果は期間全体に適用」「空白期間はグラフ作成ツールで自動補完」のルールを用い、グラフを生成した。

↑ 平均寿命推移(1891-2010年、日本)(戦前は完全生命表のみ、不連続)
↑ 平均寿命推移(1891-2010年、日本)(戦前は完全生命表のみ、不連続)

今グラフでは分かりやすいように、節目となる部分に吹き出しを加えている。一番古いデータの1891年-1898年では男性42.8歳・女性44.3歳。以後少しずつ近代化と共に上昇を見せるが、1921年-1925年には大幅に減少してしまう。これは【乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)】でも示した通り、1918年から世界的に大流行したスペイン風邪、そして1923年に発生した関東大震災によるところが大きい。

いずれにせよ結局のところ戦前は、緑の薄い破線で記した「50歳ライン」を超すことは叶わず、戦後の1947年調査で初めて男女とも平均寿命が50歳を超えることになった。以後の動向は以前の記事にある通り。



現在では現役真っ盛りの50歳ですら、平均寿命では生き長らえるのが難しい年齢。そのような社会情勢・環境がわずか半世紀ほどの日本では当たり前だった。それが数多の環境整備・各方面の努力によって現状のような、80歳前後の平均寿命という現状が成し得られていることを、改めて認識するべきである。

「当たり前だ」「何をいまさら」とする意見もあるだろう。しかし、やもすれば不確かな知識のみ、あるいは現実と物語を混同した上で物事を主張する人がいる昨今だからこそ、その認識が求められている。改めて書き記しておこう。

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