スマートフォンの利用さらに進む、10代と30代後半以降の利用率上昇…mixi動向(2011年12月)

2012/02/05 12:00

【ミクシィ(2121)】は2012年2月3日、2011年度第3四半期(2011年10月-12月)における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料などから、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料からグラフを再構築・構成し、「可能な範囲で」「継続データについて」mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース一覧ページ】)。

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スマートフォンの浸透進む、そして「幽霊会員」は
資料によれば2011年12月時点でのmixiの主要データは次の通り。提示された資料は2011年度第3四半期(2011年10月-12月)のもので、基本的に2011年12月末のデータが提示されている。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1520万人
・登録ユーザー数
 ……2623万人
・月間ページビュー数
 モバイル……181.8億
 パソコン……28.2億
   Touch(スマートフォン)……21.8億
  計……231.8億

月間滞在時間のデータは非公開を継続中。ページビューの減少傾向、月間ログインユーザー数の成長鈍化についてリリースでは、直接的には「1ページの情報量が多いスマートフォンへのユーザー移行が増えた」「スマートフォンでは一部アプリの利用において、ページビューに反映されない」「ユーザー利便性を優先したインターフェイスの変更で、(誤操作や迷いのための別ページ視聴が起きにくく)ページビューが減退している」と説明している。

ビジネス的な視点での対応策として資料では「ページビューに依存しないビジネスモデルへの転換を図る」、具体的には広告ビジネス面では「タイアップ広告の強化」「ディスプレイ広告商品の拡充」「新しい広告商品形態の拡大」などを通じ、ソーシャルメディアとしてのmixiを母体とした多方面からのプロデュースを推進していくと言及している。先の【ミクシィとTwitter、サービスやビジネス領域における提携発表】に挙げた、外部類似サービスとの提携もその流れをくむもの。

今後のmixiの注力点として、大きく分けると「既存利用者にこれまで以上にmixiを活用して、さらなる消費をしてもらう(課金ユーザーの増加や現実物品の購入の促進)」「スマートフォンの利用拡大という現実を踏まえ、適切な収益を挙げられる商品の開発(利益面でも「スマートフォンへの利用のシフトにより、モバイル広告売上が落ち込み」と言及されており、現状のスタイルでは効果的な収益が上げにくいことをうかがわせている)」の二つが、資料からはうかがえる。スマートフォン利用者数の増加については、スマートフォン向けに最適化されたmixiこと「mixi Touch」のログインユーザー数増加が、それを裏付けるひとつのデータとなる。

↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)
↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)(2011年1月から測定ツール変更)

留意すべきはアクセス周りの数字一覧のうち、上位二つの項目。ユーザー数が2623万人なのに対し月間ログインユーザー数が1520万人、つまり差し引き1103万人(42.1%)が2011年9月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月ほど前のデータ(1019万人・40.2%)と比べて割合も人数も増加しており、大変気になるところだ。

「システムの整理統合改変やインターフェイスの改善でページビューが減る」「1画面当たりの情報量が少ない一般携帯電話から、情報量の多いスマートフォンへ利用者が移行することで、総表示ページ数が減退する」との指摘は以前からのものだが、現在のmixiではその状況がリアルタイムで進行している(上記にある通り、同社資料中でも文言が確認できる)。また、以前【国内主要ソーシャルメディアのアクセス機器傾向をグラフ化してみる】でも外部調査の結果として「携帯電話・スマートフォン向けの画面構造上、同じようなアクセス・巡回でも、パソコンより携帯の方がページビュー数が増えてしまう」との技術的解説をしている。この逆の現象が、今mixiで起きている次第。

他方、前回同様に具体的数字は提示されず資料ではグラフのみの掲載のため、今回も当記事でのグラフ反映を略するが、従来上昇・拡大のセールスポイントの一つであったはずの各種コミュニケーション機能(ボイス投稿、チェック投稿など)の総投稿数・利用率は、今回四半期では前期同様に横ばい、あるいはやや減退の動きを見せている。mixiからの売上における広告費が額・率共に減退し、(ゲームなどの)課金売上が増加するという収益構造の変化のさなかにあるため、このような動きをするのも理解はできる。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。今回の資料でも月次ベースの会員数推移が非公開となっている(12月末時点のは上記の通り)。そこで可能な範囲で数字を入力し、グラフ生成を行う。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン+Touch経由とモバイル経由)推移(※前回グラフから右縦軸・ユーザー数の区分を変更していることに注意)

グラフからは、2009年秋のmixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また2011年後半期は概してページビュー数が横ばいから、微量ながらも減退する方向に見て取れる。これは前述の通り「仕様の変更」「一般携帯電話からスマートフォンへの移行が急速に進んでいる」のが最大要因。

「PV視点で」mixiがモバイルSNSであることに変わりなし
次のグラフはPVにおけるPC(+Touch)・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。

直近3か月においては、前述した話の繰り返しになるが、携帯電話からスマートフォンへの移行組の増加の影響もあり、モバイル率が減少する動きを見せている。しかしパソコン(+スマートフォン)のページビュー数はページビュー全体の五分の一程度でしか無い事実は覆しようも無い。さらに赤系統色のグラフの内部も、実のところスマートフォンによるものが少なからずあることを考えれば、mixiがモバイルSNSという状況に変化は無いのが分かる。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

なおこの「PVから見たmixiのモバイル・PC率推移」のグラフは、元々「スマートフォンでもPC用のサイトを閲覧してもらっていた」という歴史的経緯があるため、「モバイル」と「PC+Touch」の区分で計算している。しかし実際には「Touch」経由のスマートフォンは「PC」よりも「モバイル」と分類すべきである。そこで今回、「Touch」の値が確認できる2010年5月(ただし5月末スタートのため、同月は実績ゼロ)以降に限り、「モバイル」「PC」「Touch」の三区分化した推移グラフを試験的に作成した。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC・Touch率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC・Touch率推移

パソコン経由率は凹凸を経ながら中期的には減退、その減少分を補い、ありあまる形でスマートフォン(Touch)利用率が増加しているのが分かる。

ちなみに直近データをこの「モバイル」「パソコン」「mixi Touch」の区分で詳しい数字を盛り込んでグラフ化すると次の通りとなる。

↑ 2011年12月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年12月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率

↑ 2011年9月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率
↑ 2011年9月時点での、モバイル・パソコン・mixi TouchのPV比率(再録)

「モバイル」「パソコン」ともに大きく数は減少、ただし「モバイル」は比率はほぼ維持。代わりに「Touch」が数・比率共に大きく伸びを見せている。前期同様、比率の視点では偶然ながら、モバイル(一般携帯)分が(比率の上で)そのままmixi Touchに移行したようにすら見える。またパソコン用画面をスマートフォンで見る人は多分に想定できるが、mixi Touchをパソコンで使うのは意味がないことを考慮すると、モバイル率は約9割に達していると見てよい。

なお「パソコンと携帯電話、スマートフォンでは閲覧スタイルが違うのだから、同列で比較してもモバイルが上になって当然」という意見を承っている。それは重々承知した上で、「ページビュー」という一つの「物差し」の上での比較であることを、改めて記しておく。

世代構成分布
「決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる」のが定例のパターン。関連データは以前「登録者ベース」だったものが、2回前から「月間ログインユーザーベース」に変更となり、かつ「全ユーザー」のみの公開で「モバイルユーザー」に限定した数字は非公開となってしまった。今記事のグラフでは見やすさを重視するため、都合3回分の値を反映させるので、今回から同一基準での動向を見渡すことができる。

もちろん「登録者ベース」と比べると「現時点での利用者」という性質が強くなるため、「mixi全体の」との視点としては多少ぼやけた形となる。さらに非公開化された「モバイルユーザー」のグラフは更新できないが、これまでの記事同様にグラフを生成する。まずは直近の値について。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

2011年12月末時点でも最多階層が20-24歳であることに違いはない。

これを前回・前々回、つまり3か月前・6か月前のデータと比較すると、別の動きが見えてくる(あくまでもアクティブユーザーの階層比であることに注意)。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)

今回のグラフからは、

・10代半ばの増加、18-19歳の減少
・20代-30代の減少
・30代後半以降は微増か横ばい

の傾向が確認できる。全体として、現在比率的に中枢にある中堅層は少しずつその比率を減らし、若年層・高齢層が漸増、年齢階層のバランスが調整されつつあるように見える。

また同時に以前から指摘している「利用継続者がそのまま歳を取ることによる所属年齢階層のスライド化」「ソーシャルメディアが社会全体に認知・利用されたことによる、中堅層の新規利用者」を起因とする中堅層(40代前後)の増加、そして携帯電話・スマートフォンを初めて所有するようになった若年層が、mixiへの入会を「モバイル端末を持つ時のスタンダード・スタイル」として認識している状況が推測できる。

これらの動向については、機会をあらためて、もう少し別の切り口でも精査してみることにしよう。

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