年末商戦、北米の334万台をはじめ国内外で大きく売れる…ニンテンドー3DS販売数動向(2011年度3Q)

2012/01/27 06:45

[任天堂(7974)]は2012年1月26日、2011年度(2012年3月期、2011年4月-2012年3月)第3四半期決算短信を発表した。業績概要は各報道で伝えられている通り、為替差損やニンテンドー3DSのソフト・ハード両面での売れ行き不振などから思わしいものではなく、通期予想も1981年に連結決算移行後はじめての「営業赤字」(第2四半期時点では「最終赤字」だった)を予想するものとなった。今回はそれらの業績はさておき、過去の記事に続く形で、ニンテンドー3DSの販売動向をまとめ、グラフ化してみることにする。

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データの取得場所の解説、対象としている機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

今回発表されたデータを元に、先の記事と同様に同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。なお元データは万台単位までの表記で、今回はその値を差し引きしているため、項目によっては実数値と2-3万台程の差異が生じている場合がある。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で1503万台。今期に限れば1143万台。今期販売分の3/4近く、累計の過半数を値下げ後初となる年末商戦時期を含むの2011年度第3四半期のみで売りあげており、いかに値下げが年末商戦に大きな加速を与えたのかが分かる。なお最初の期「2010年4月-2011年3月」は一年分の時間区分となっているが、発売日が2011年2月26日以降(日本での発売が世界で最初)のため、実質的に他の期同様四半期と見て問題は無い。

これを販売時期に区分し、それぞれの時期における各地域での販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。今年度第1四半期の不調ぶり、そして値下げ効果と年末商戦効果が今第3四半期の大きな上昇気流となったことが良く分かる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)

日本での値下げ発表は7月28日、値下げ開始は8月11日。値下げ発表後は買い控えが起きるので売上はそれ以前より落ち、そして第2四半期における値下げ効果が発揮された時期は2か月足らずでしか無い(日本国内の話)。にもかかわらず販売台数は日本国内だけで4倍強に達している。そしてそこからさらに3倍以上もの売上が第3四半期に発生しており、年末商戦の勢いが改めてうかがい知れる。

海外でも同様の動きで、例えばアメリカでは当初249.99ドルから8月12日以降169.99ドルに値下げしている(【What Is the Nintendo 3DS Ambassador Program?】))。アメリカでは前四半期比で7倍近いセールスを挙げた第2四半期と比較しても、さらにそこから4倍強もの伸びを示しており、日本以上に価格が大きな要因足り得たことが分かる。

一方任天堂では今回の第3四半期決算短信の発表において、今期(2012年3月期)におけるニンテンドー3DSの全世界での販売目標台数を1600万台から1400万台に下方修正した(同時にDSは600万台から550万台、Wiiも1200万台から1000万台に引き下げている)。そこで新旧の販売目標台数に対する進捗状況をグラフ化したのが次の図となる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2011年4月-2012年3月期における目標販売台数1600万台に対する達成状況)(2011年12月末時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2011年4月-2012年3月期における目標販売台数1600万台に対する達成状況)(2011年12月末時点での同期内販売累計)

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2011年4月-2012年3月期における目標販売台数が1600万台だった場合の達成状況)(2011年12月末時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2011年4月-2012年3月期における目標販売台数が1600万台だった場合の達成状況)(2011年12月末時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ82%。すでに3/4は余裕で突破している。しかし最後の四半期がゲーム業界においては閑散期であることから、残りの四半期で下方修正した1400万台に届くか否かは微妙なところ。旧目標の1600万台だった場合の達成率は約71%でしか無く、年度末の時点で未達となる可能性が高かったことが想像できる。より現実的な路線として、200万台分の下方修正をしたことが良く分かる。



おもちゃ・ゲーム類は年末年始が一番のかきいれどき。そして任天堂は毎年のように年末年始のゲームソフトランキングで、軒並み上位陣を独占していることからも分かるように、この時期には非常に強い底力を発揮する。

そして今年もまた例年通り、大きな売上を挙げることが出来た。以前の記事で呈した「震災などによる消費性向の動き、一般携帯電話やスマートフォンの普及、そしてソーシャルメディア・ソーシャルゲームの浸透によるゲーム・エンタテインメント部門でのユーザーニーズの変化など、これまでとは違う不安定要素」は流れそのものを変えてしまうほどの大きな影響力は無かったように見える。

しかし26日の時点で記者会見をした岩田聡・任天堂社長の会見を伝える話【任天堂、円高や「3DS」販売不振で初の営業赤字へ(ロイター)】によれば、

・欧米の年末商戦で「ゲーム市場の盛り上がりが想定よりも遅くなった」とし、中でも3DSの販売が「任天堂側の期待に届かなかった」と指摘。
・3DSは値下げで大きく売れたが「ハードの採算がとれていなかった」。
・「(ハードの採算問題は)来期の早いうちに解消できる。ハードを売ることでプラスがでる」(量販効果により採算性改善の見通し)。
・3DS販売目標の下方修正は「未来を悲観するような悪い状況ではない。未来に向けてしっかりとやれる土台はできた」
・スマートフォンの普及には「ゲーム専用機にはちゃんとした市場がある。ソフトとハードがかみ合えば爆発的に売れる。現実に(昨年)12月の日本での3DS(の販売)の勢いは、DSのピーク時とほとんど変わらない規模だった。ゲーム専用機に未来はないというのは間違いと証明できた」と認識。

などの言及が確認できる。詳細は定例通りなら数日中に開催・資料発表が行われる、決算説明会及びその資料で語られることだろう。

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