1987年がピーク、そして今年か来年には…新聞の推定購読者数の推移と今後予想(2016年)(最新)

2016/01/03 12:00

先行する記事【新聞の発行部数動向(最新)】【戦中からの新聞の発行部数動向(最新)】で、日本新聞協会による公開値を基に、日本の新聞発行部数について複数の視点からその動向を確認した。今回はそれら公開データなどを用い、推定レベルではあるものの、「新聞の購読者数」の推移を試算することにした。

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駅売りやスタンド売り、事業所での購入事例もあるが、新聞発行部数総数の動きは、おおよそ購入世帯数推移と連動・比例していると見て問題は無い。

↑ 新聞発行部数(1942年-2015年、万部)(再録)
↑ 新聞発行部数(1942年-2015年、万部)(再録)

一方日本新聞協会側では【新聞の接触・評価に関するデータ】で解説している通り(特に「購読世帯内の回読人数」の部分)、「1部の新聞は複数の人に読まれているので、読者数は単純な発行部数よりも多くなる」とし、これを「回読人数」と定義している。要は「回し読みまで含めた総読者数」。

この「回読人数」は調査する新聞社によって違いが生じているが、各新聞社の試算推定を合わせ見ると、2.0人から2.5人程度となる。スタンド売りや事業所購入事例もあわせ、(フェルミ推定レベルではあるが)以前【世帯平均人数は2.49人…平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】で取り上げた「平均世帯人員」数と同じと試算できる。要は「新聞購読者はすべて世帯ベースで、その世帯では構成員全員が新聞を回し読みする」とする仮定である。

世帯構成員で実質的に新聞を読まない人(読む意欲が無い以外に、乳幼児なども含む)がいること、スタンド売りの購入は原則回読人数が1人であることを考えると、やや甘めのカウントとなる。一方で事業所購入やホテル、美容院など商用施設での購入は「平均世帯人員」数を超える人が回読人数になると予想されるため、合わせるとプラスマイナスゼロに近いと考えても違和感は無い。あくまでも概算値を出せばよいので、細かい点まで確認しはじめたらキリが無い。

ともあれ、新聞発行部数について朝夕刊を1部と数えるようになった1956年から、直近の「国民生活基礎調査の概況」で平均世帯人員数が公開されている2014年分まで、新聞発行部数と平均世帯人員数を乗算。その上で、1956年時点の結果を1.00(基準値)とし、その変移を見たのが次のグラフ。

↑ 新聞推定読者数推移(1956年=1.00)
↑ 新聞推定読者数推移(1956年=1.00)

あくまでも「試算」前提による結果だが、読者数(回読人数)のピークは新聞発行部数ピークの1997年よりも10年前、1987年に起きていたことになる。世帯構成人数の減少度合いが、新聞発行部数(≒購読世帯数)の増加を上回ったのが主要因だろう。それ以降は何度かの起伏を経ながら、全体的には減少、21世紀に入ってからは下降速度を強めているのが見て取れる。

それでもなお、推定読者数は1970年代レベルを維持している。ただしこのままのペースでいけば、早ければ今年分となる2016年、あるいは来年2017年には、1956年の基準値レベルにまで落ち込むことは、容易に推測される。

↑ 新聞推定読者数推移(1956年=1.00)(多項式近似曲線・次数=5を追加・2020年まで延長)
↑ 新聞推定読者数推移(1956年=1.00)(多項式近似曲線・次数=5を追加・2020年まで延長)

これはあくまでも推論・試算のレベルでしか無い。さらにいわゆる「押し紙」は反映されていないため、現状はもっと厳しいものと予想される。さらなるターニングポイントとなるであろう今後数年の間に、新聞業界がダイナミックな改革を成し遂げ、カーブを上向きにさせるかじ取りを行うことを祈りたい。


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