【更新】東北電力管轄、電力予備率3%を切る状況発生

2012/01/13 07:08

炊飯器【冬場の時間単位での電力需給推移をグラフ化してみる】でもお伝えしているように、昨今の電力事情に伴い各電力管轄では、安定的な電力供給に懸念が生じている。特に冬場には寒さが厳しく、発電所も複数が被災し、さらに夏の水害で水力発電所の多くに被害を受けた東北電力管轄は、抜き差しならぬ状況下にある。そして先日2012年1月11日には電力供給力に対する電力需要との差(供給予備率)が3%を切る事態が発生している。これに伴い東北電力側では1月12日に北海道電力から54万kW、東京電力から30万kWの電力融通(それぞれ最大)を受けたと発表した。同時に今後寒さが一層厳しくなり、電力不足が懸念される場合、同様、さらにはそれ以上の融通を受ける可能性も示唆している([発表リリース])。

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↑ 東北電力管轄における2010年度の月次最大電力(万Kw)
↑ 東北電力管轄における2010年度の月次最大電力(万kW)(再録)

以前作成した上記グラフにある通り、東北電力管轄では冬期においても、夏期同様に高い電力需要が生じる。これは冬場における暖房(民間だけでなく商用も含む)需要によるもの。さらに平日におけるピークタイムとしては、夏期の「冷房使用により昼間、夕方17時前後位までがピーク」と異なり、夕飯の支度時における17時-19時頃に電力消費が最大になる傾向にある。また、夏期と比べて需要の大きい時間帯が長いのも特徴。

↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月20日(木)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)
↑ 東北電力管轄内電力需要推移(2011年1月20日(木)、経済産業省、自家発電設備所有者による自家消費分除く)(再録)

元々東北電力管轄では先の震災により多くの発電所が被害を受け、さらに「要請」から連なる連鎖反応的な社会事情に伴い、電力供給力が低下している。その上冒頭でも触れたが、【夏の豪雨で被害を受けた東北電力の水力発電所、まだこれだけ未復旧】にもある通り、昨年7月に発生した豪雨による水力発電所の被害が、未だに復旧しきれていない状態にある。

今回、供給予備率3%切れが生じたのは1月11日。確認できる範囲では17時25分時点で供給力に対し97.43%の需要が発生、予備率が2.57%となったのが需要最高値。夕食の支度の際に用いる各調理器具(炊飯器や電子レンジなど)が、電力需要をかさ上げしたものと思われる。

↑ 東北電力管轄・最大電力推移(2012年1月11日-12日)(万kW)
↑ 東北電力管轄・最大電力推移(2012年1月11日-12日)(万kW)

この事態を受けて東北電力側では冒頭にもある通り、翌日の12日には北海道・東京両電力から合計で最大84万kWの融通電力を受領。同じ17時25分時点で当日の最大電力需要が発生したものの、92.96%の使用率に留まり、7.04%ほどの予備率を確保できた。

もっとも上のグラフにある通り、電力需要そのものは12日の方が上。万一融通電力の手配がかなわず、11日と同様の供給力しか確保できなかった場合を考えると、いかに現在の東北電力管轄が綱渡り状態であるかが分かる。

無論東北電力側では現在も全力で(この酷寒の中でも)水力発電所の運転再開に向けた復旧作業を続けており、同じ1月12日には上野尻(かみのじり)発電所(最大出力5.2万kW)の復旧が果たされている(【水力発電所の復旧状況について(第11報)】)。

仮に温度変化が昨年と同じだとすると、東北電力管轄における「寒さに伴う電力需給の冬期ピーク」はむしろこれからで、2月中旬までは要注意な状況が続くことになる。一方で同地域での電力断絶はもちろんのこと、無理な節電も生命の危機を招きかねない。【江戸時代の平均寿命とエネルギー消費量】でも解説されているように、インフラ、エネルギーが人々の命を直接支えていることを一人ひとりが認識するよう、改めて願いたい。

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