興味が無いわけではないが…新成人の自動車への想いとは

2012/01/10 12:00

若者と自動車ソニー損保は2012年1月5日、新成人に対するカーライフ(自動車生活)意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、過半数の人が自動車に興味を抱いていることが分かった。一方で自動車を所有する経済的余裕が無いと考えている人は約3/4に達しており、金銭面でのハードルの高さが若年層の自動車保有の妨げと読める結果となっている。またメーカーに「若者向けの自動車を創ってほしい」と考えている人も過半数に達し、メーカーが「若年層の方を向いていない」実態が垣間見られる(【発表リリース】)。

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今調査は2011年12月14日から20日にかけて新成人(1991年4月2日-1992年4月1日生まれ)に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。

「若者の自動車離れ」とは、マスコミや自動車関連企業の上層部がしばしば口にする言い回しで、「若者層が自動車を購入しないから、自動車のセールスが落ちている」ことを意味し、それを自動車販売部門の不調の主要因に掲げる場合が多い。しかし【年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化してみる(2011年データ反映版)】【年代別の自動車保有数とその変化をグラフ化してみる】を見る限り、(二人以上世帯においては)可処分所得の変化や環境に即して購入性向が変わっているだけで、ダイナミックなまでの自動車忌避の動きは見られない。むしろ若年層の(自動車の必要性の薄い)独身世帯の増加が、間接的に「若年層全体」という枠組みでの、自動車需要を減らしているとすら考えられる。

実際今調査でも、新成人の過半数は自動車への興味を抱いている。

↑ 自動車に興味があるか(とてもある・ややある・どちらとも・あまり無い・まったくない のうち、とてもある・ややあるの合計)(新成人対象)
↑ 自動車に興味があるか(とてもある・ややある・どちらとも・あまり無い・まったくない のうち、とてもある・ややあるの合計)(新成人対象)

ところが自動車の保有はゲーム機やフィギュアの購入とはワケが違う。初期投資費用がケタ違いに高いだけでなく、免許取得や駐車場の確保も必要で、さらに毎月一定額の費用が発生する(駐車場代にガソリン代、さらには車検をはじめとした各種メンテ費用)。現実問題として、自動車を欲しくてもフトコロ事情が許さない事例が多々生じることになる。「自動車を所有する経済的余裕があるか否か」と尋ねた結果では、実に7割強の人が「無い」と回答し、金銭面でのハードルの高さが若年層の自動車取得のネックとなっていることが分かる。

↑ 自動車を所有する経済的余裕がない(新成人対象)
↑ 自動車を所有する経済的余裕がない(新成人対象)

特に都心部の値が高めに出ているのは、都心部での自動車所有にかかるコストが高めにつく(駐車場代)のが原因と思われる。

一方、創り手である自動車メーカーの姿勢への、若年層の不満もかいま見ることができる。次のグラフは「メーカーにもっと若者向けの自動車を創ってほしいか」との質問の結果だが、5割強が同意を示し、否定する意見は2割足らずでしか無い。

↑ メーカーにもっと若者向けの自動車を創ってほしい(新成人対象)
↑ メーカーにもっと若者向けの自動車を創ってほしい(新成人対象)

「若者向け」が具体的に何を示すかは設問では問われていない。本体価格、ランニングコスト、仕様、デザイン、その他いろいろな要素を総合した上で、「買いたい」と思わせる魅力を持つ自動車が、市場に出てこない実態がすけて見える。



上で触れているように、若年世代の独身率の上昇も一因ではあるが、そのような状況の変化も合わせ、創り手側はしっかりと市場分析を行う必要がある。その上で「買いなさい」とメーカー側が押し付けるのでは無く、「是非売って下さい」と市場、特に若年層が請う・歓迎するような商品を開発・提供しない限り、創り手側が「若者の自動車離れ」と命名し、頭を抱えている現状を打破することは難しい。

そしてそのような「市場を、買い手の方を向いて物事を考える」は何も自動車市場に限ったことでは無い。商売全般において基本中の基本、大原則。よもやそれすら忘れてしまったわけではあるまい。

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