吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」 が健闘、売上プラス4.4%…牛丼御三家売上:2011年12月分

2012/01/06 06:28

[吉野家ホールディングス(9861)]は2012年1月5日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2011年12月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス4.4%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年12月における売上前年同月比はプラス1.4%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス4.1%の動きを見せている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家の直近での動向を確認すると、同社では2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した(同月の売上高は前年同月比でプラス5.9%を記録している)。しかしその後は大きな新商品展開のイベントなども無く、オプション的メニュー「小鉢」も大きな影響は与えていなかった。そして【吉野家でカレー…吉野家から「こく旨カレー」「旨辛カレー」登場】にもあるように2011年8月から「こく旨カレー」「旨辛カレー」の発売を開始。さらにトッピングとしてチーズも登場させている。

2011年9月には昨年発売した「牛鍋丼」をリニューアルすると共に、「追っかけ」のバリエーションを変更(【吉野家、「牛鍋丼」を新味に・「おくらとろろ」「とろりチーズ」を「追っかけ」に追加】)。これらの動きを受けて客単価は大きく上昇していたものの、同年11月にはそれも失速。しかし今回発表された同年12月分では、【吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」 、販売累計数300万食突破】にもある通り12月8日から発売を開始した新メニュー「焼味豚丼 十勝仕立て」 が好評を博したこともあり、客数・売上共に5か月ぶりに前年同月比でプラスに転じることとなった。

↑ 牛丼御三家2011年12月営業成績
↑ 牛丼御三家2011年12月営業成績

この数か月は「復調」「本格的な回復はまだ先」という表現を重ねていた吉野家の客数だが、12月分でようやく前年同月比プラスを記録。1年前の2010年12月における客数が13.1%のプラスだったことを考えると、わずかだがそこからさらに上乗せできたのは、大いなる健闘と見てよい。また客単価が大きく跳ねたのも、「焼味豚丼 十勝仕立て」(並盛380円)が多分に貢献していると見られる。

吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」松屋は客数と客単価のバランスが良く、客単価が不調気味でもその分客数がカバーをし、売上高を積み増し、売上が下げても最小限のレベルで維持されていた。今回月は客数も客単価もわずかずつだがプラスとなり、売上高もプラスに戻すことができた。本日別記事で報じたように、同社ではメインメニューの「牛めし」の定価引き下げを発表しており、次回以降の客単価動向が気になるところ。

一方すき家は、昨月に続き今月も前年同月比の売上がマイナス。これは1年前の冬期において、客数の大幅増加に伴う売上増が起きており、この反動によるところが大きい。売上高1割超プラスは2011年1月まで続いていたことから、来月発表分の2012年1月分までは、売上高のマイナスが見られる可能性はある。

先日の【2011年11月度のチェーンストアの売上高、前年同月比マイナス2.3%】でも書き記しているが、チェーンストア(デパートやスーパー)では11月の時点でも、「和牛が不調。代わりに加工肉や鶏肉・豚肉は堅調」という動きが確認できる。多分に「震災」の影響によるところが大きいのだが、これが牛丼御三家においても心理的な部分で、客足を遠のかせている可能性は十分にある(もっともこれは牛丼だけに限らず、【2011年11月度の外食産業の売上は前年同月比でプラス1.0%・天候良好で客足増加】の通り、外食の焼肉チェーン店全体にいえることなのだが)。

12月分を各社一言ずつでまとめると「吉野家…客単価はプラス、客数は復調、売上は5か月ぶりにプラスに」「松屋…客数・単価共にわずかだがプラス」「すき家…客数・客単価共に軟調で、売上も振るわず」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年11月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2011年11月)

すき家の客数増加は昨年頭から歩みがゆっくりとしたものになり、8月以降はギリギリプラスを維持している状態。そして今回発表された2011年12月分では、ついに前年同月比でマイナスを記録してしまった(プラスは2009年12月以降継続していた)。客数の増加も2年で一休止というところか。

店舗数比較では、すでにすき家がはるかに吉野家を超える形。今でもすき家の拡大戦略は続いている。12月における11月からの店舗増加数は21件・先月比プラス1.2%となっている。この拡大方針がどこまで続くのか、気になるところではある。

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