日本の出生率と出生数をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2012/01/08 06:30

出産先日から【2055年には9000万人割れ…日本の人口推移をグラフ化してみる(高齢社会白書(2011年版))】を皮切りに【高齢社会白書(2011年版)】の内容をいくつかまとめているが、その過程で関連事項として、出生率や出生数を検証する必要が生じた。その時に使ったデータが、過去に日本の出生率と出生数をグラフ化して精査した記事なのだが、現時点では【平成22年人口動態統計月報年計(概数)の概況】【子ども・子育て白書 (旧少子化社会白書)】にある通り、2010年分の値が公開されている。そこで今回はそれらを反映させ、各種グラフなどの更新を行うことにした。

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具体的なデータは上記の「人口動態統計」「子ども・子育て白書」にある通り。2009年までの分については以前のものをそのまま流用する。つまり戦中戦後の混乱期を除き、出生数は1872年以降、出生率は1947年以降は毎年、それ以前は1925年以降飛び飛びのものを用いることになる。

まずは単純な出生数。

↑ 出生数推移(人)
↑ 出生数推移(人)

戦前はほぼ横ばいで推移。戦後になり、戦地から帰還した人たちによる第一次ベビーブーム、そしてその時期に生まれた子供達による第二次ベビーブーム(その間に丙午(ひのえうま)による減少も確認できる)、その後漸減、横ばいの動向が見て取れる。直近2010年は107万1306人。

続いて合計特殊出生率。舌をかみそうな用語だが、これは「一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数」を示している(計算対象を一般的に出産可能な年齢である15-49歳の女性に限定している)。単純計算でこの値が2.0なら、夫婦二人から子供が二人生まれるので(男性は子供を産まない)、その世代の人口は維持されることになる。実際には多種多様なアクシデントによる減少があるため、人口維持のための合計特殊出生率は2.07-2.08といわれている(これを「人口置換水準」と呼ぶ)。

↑ 合計特殊出産率(人)
↑ 合計特殊出産率(人)

戦前のデータはほとんどつぎはぎだらけで間を補完したため、不自然な直線部分が多いが、1925年には5.11、1930年には4.72という値が確認できる。戦前最後の1940年は4.12人。

戦後になると第二次ベビーブームの1970年代がほぼ2.1台で推移しているが、1974年に人口置換水準2.08を割り込む値となり、以後漸減傾向が続いている。最近になってやや上昇傾向を見せ始め、2010年は2009年より0.02ポイント高い1.39で推移している。



少子化の原因は多種多様に及び、複数の要因が複雑に絡み合った結果といわれている。晩婚化(【ますます伸びる交際期間と縮む夫婦間年齢差…日本の夫婦事情の推移(2010年分反映版)】でも解説しているように、初婚年齢の上昇)、未婚化、女性の高学歴化、住環境の問題、経済状況の悪化、社会風土の変化などが個別の事由として挙げられている。

この「少子化」という問題を解決するには、まずは一つひとつの絡み合った要因を解きほぐし、その上で出来ることから解決していかねばならない。同時に社会全体のさまざま問題を解決していくための、(他の方面にひずみを起こし得る)安易で短視的な手法では無く、中長期的な戦略眼の上での対策が求められよう。

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