増える精神科・減る産婦人科や小児科…医療施設の数などをグラフ化してみる(2010年版)

2012/01/04 12:00

お医者さん先日から【2055年には9000万人割れ…日本の人口推移をグラフ化してみる(高齢社会白書(2011年版))】を皮切りに【高齢社会白書(2011年版)】の内容をいくつかまとめているが、その過程で医療施設の動向資料が必要になった。その時に使ったデータが、医療施設の数などをグラフ化して精査した過去の記事なのだが、現時点では【平成22年(2010)医療施設(動態)調査・病院報告の概況】にある通り、昨年10月に最新版の値が公開されていることが分かった。そこで今回はそれらを反映させ、各種グラフなどの更新を行うことにした。

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今回も前回同様、診療科はメジャーなものに特定して抽出。また病院と診療所などの違い、さらには「有床」「無床」についてだが、次の通りとなる。

●病院
医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所であって、患者20人以上の入院施設を有するものをいう。

●一般診療所
医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所(歯科医業のみは除く。)であって、患者の入院施設を有しないもの又は患者19人以下の入院施設を有するものをいう。

●歯科診療所
歯科医師が歯科医業を行う場所であって、患者の入院施設を有しないもの又は患者19人以下の入院施設を有するものをいう。

●「有床」と「無床」
1床でもベッド(病床)を有する診療所は「有床診療所」。入院施設を持たずに診療のみを行う診療所は「無床診療所」。

それではまず医療施設の推移。

↑ 医療施設数の年次推移(各年10月1日現在)(※一般診療所=有床診療所+無料診療所)
↑ 医療施設数の年次推移(各年10月1日現在)(※一般診療所=有床診療所+無料診療所)

↑ 医療施設数の年次推移(各年10月1日現在)(前年比)
↑ 医療施設数の年次推移(各年10月1日現在)(前年比)

まず驚くのが「歯科診療所」、いわゆる歯医者さんの多さ。ちまたでも「歯医者が過剰」という話は耳にしており、実際都心部など人口密集地帯で検索すると、雨後のタケノコのように歯医者が表示される。全国で7万件近く、一般病院数の8倍近くに達しているという結果には、その多さを再認識させられる。

一方、病院数だが数は漸減。この数年に限っても、前年比はマイナス値を維持したまま。診療所の数そのものは増加しているが、その大部分は無床診療所で、入院が可能な有床診療所は大きく減少している。人口の漸減、医療技術の進歩で入院日が短くなる(入院の必要の無い手術すらある)ようになった一方で、診察と処方せんを書いてもらうのがメインとなる、高齢者を筆頭とした通院患者が増えたことなど状況・需給の変化にマッチした動きともいえる。

続いて一般病院における診療科目数の変移。これは重複した値となっている。例えば小児科・産婦人科を兼ねる病院があれば、それぞれの診療科で1つずつカウントしている。絶対数の値も手元にはあるが、今件ではむしろ変移を見るのが主旨なので、前回同様にデータ上一番古い1987年の値を1とした場合の変移の折れ線グラフと、同じく20余年間に渡る変化によって生じた変化率を元に生成した。

↑ 診療科目別にみた一般病院数の年次推移(主な科目のみ)(1987年を1とした時)
↑ 診療科目別にみた一般病院数の年次推移(主な科目のみ)(1987年を1とした時)

↑ 1987年から2010年における一般病院数の推移
↑ 1987年から2010年における一般病院数の推移

前回の記事以上に精神科の増加が目に留まる。元々日本には少なかったことに加え、ニーズの増加に伴い供給数も増加している実情に合わせたものといえる。ちなみに具体数は2010年時点で1585。産婦人科の1252よりは多いが、眼下や小児科などと比べれば少ない。

一方、子供周りの診療科である小児科や産婦人科は、病院の診療科としても減少の一途をたどっているのが分かる。特に産婦人科は減少率が4割を超えており、確実に少子化のスピードを上回っている。出産予定の人が、産婦人科の予約を取るのに難儀する話は冗談でも何でもないことが、あらためて認識できるというものだ。いわゆる「懐妊が分かった時点で出産の予約をしないと間に合わない」という冗談まがいの話に、リアリティを山ほど盛りつけられるのが、この現状。

少子化問題では、産婦人科の減少問題をいかに解決していくかも重要な要素となる。医療現場の責任と保護の観点も合わせ、重要な課題として挙げられるに違いない。

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