高齢者の犯罪被害状況をグラフ化してみる(高齢社会白書(2011年版))

2012/01/09 06:36

詐欺内閣府は2011年6月7日、2011年版の高齢社会白書を発表した。日本の高齢化の現状や将来予想をまとめたもので、日本の社会情勢を推し量る重要な資料を多数盛り込んだ、注視すべき白書の一つである。今回はその中から、高齢者が刑法犯の被害者となってしまった割合や、その中でも認知度が高い「振り込め詐欺」に関する被害状況について見て行くことにする(【高齢社会白書(2011年版)】)。

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まずは高齢者(65歳以上)が刑法犯罪の被害者として認知された件数の推移。刑法犯罪認知件数そのものが戦後最大を記録した2002年において、高齢者を対象とした件数も最大値となる。それ以降は「件数」は減少の一途をたどっているが、全認知件数比を算出するとむしろ増加傾向にあるのが分かる。

↑ 高齢者の刑法犯被害認知件数(万件)
↑ 高齢者の刑法犯被害認知件数(万件)

なお直近では全認知件数比が幾分低下したように見えるが、2010年の速報(【平成22年の犯罪情勢(警察庁)、PDF】。数字の換算基準が異なるためグラフには反映させず。同資料内での昨年比から増減を確認)では再び増加しており、全人口比における高齢者の増加と共に、高齢者が被害を受ける割合も増加しているのが確認できる。

その高齢者が受ける被害としてもっとも認知されているのが、いわゆる「振り込め詐欺」。これは今世紀に入ってから大きな社会問題化しており、関係当局では2008年に入り本腰を上げて対策に取り組んだ結果(金融機関の「振り込め詐欺防止システム」の導入、犯罪性のある口座の凍結の促進や開設時の本人確認の厳格化、警察官立会や呼びかけなど)、2009年以降は大きく減少することとなった。

↑ 振り込め詐欺の認知件数・被害総額の推移
↑ 振り込め詐欺の認知件数・被害総額の推移

ただしグラフの注記にもある通り、「警察官などを装ってキャッシュカードを直接受け取る手口のオレオレ詐欺」をはじめ、官公庁職員や金融関係者を装ったタイプの手法など、手を変え品を変えているのが確認できる。また【60歳以上が79.6%…未公開株・社債のトラブル相談、2010年度は1月末時点ですでに1万件超】でも触れているが、未公開株などの有価証券や外国通貨等の取引名目の詐欺も増加中。この事例には多分に従来の振り込め詐欺グループが関与していると、白書側でも推測している。



今後「金融資産を多分に持っていることが推測される」高齢者の増加に伴い、刑法犯罪、特に振り込め詐欺の類による高齢者の被害が(手口・切り口は変化すれど)増加していくことは、想像するに難くない。本人はもちろんだが、周囲に高齢者がいる環境にある人は、十分以上に注意し、配慮を払ってほしいものである。


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