諸外国の検索エンジン利用性向をグラフ化してみる

2012/01/10 05:05

検索昨年末に掲載した記事【世界主要国のテレビ視聴時間をグラフ化してみる】でも解説しているが、英情報通信庁は2011年12月14日に【レポートページ】内にて、各国の通信業界・メディア動向を整理した報告書【International Communications Market Report 2011(PDF)】を公開した。発信元の都合もありイギリス中心の内容となっているものの、世界的な話として見ても有意義なデータが多数盛り込まれ、注目すべき内容といえる。今回はその中から「欧米諸国を中心とした主要検索エンジンの利用性向」を見て行くことにする。

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今やインターネットを利用する際に欠かせないサービスとなった「検索エンジン」だが、現時点ではGoolge・Yahoo、そして【Googleのシェアは約三分の二…アメリカにおける検索シェアをグラフ化してみる】などでも触れているようにMSN/Windows Live/Bingが上位シェアを占めている。そこでその3項目に絞り、アクティブリーチ(接触率。この場合、集計対象期間である2011年8月の一か月以内に一度でも利用した人の比率)を算出したのが次のグラフ。自宅や勤務先を問わず、そしてウェブブラウジング以外にアプリによる利用も含めた結果である。

↑ 主要検索エンジンの利用性向(2011年8月、アプリ経由含む)
↑ 主要検索エンジンの利用性向(2011年8月、アプリ経由含む)

ご存じの通り他国事情と異なり日本では、ヤフーの方が利用性向が高い。これは多分に日本における特殊事情(ブランド志向の強さ。プロバイダYahoo! BBの普及率。対抗エンジンのGoogleと比べて多種多様なサービス(特にオークション)を提供している。サービス立ち上げに4年半の開きがあり(ヤフージャパンは1996年1月、Googleの日本でのサービス開始は2000年8月)、その間に多くの人が「検索エンジンはヤフー」という刷り込みを受けた。ヤフーは多くの他ポータルとも手を結んでいた。などなど……)による。ウェブサイトの検索回りの分析でも、「初心者はヤフーを使うことが多い」とする結果が出ているのも、この「検索エンジンはヤフー」という刷り込み効果によるところが大きい。居酒屋における「とりあえず、ビール」が「とりあえず、ヤフー」になったと考えれば分かりやすい。

その日本以外では主要国すべてにおいてGoogleが最優位の立場にある。そしてヤフーが……と以前なら書き連ねていたのだが、昨今では米ヤフーのサービスの足踏み状態やMSN/WindowsLive/Bingの攻勢(シェアは減少しつつあるがいまだにトップを見せるインターネットエクスプローラーで、大抵の場合初期利用設定されているのは強い)もあり、ヤフー以上にMSN/WindowsLive/Bingの利用性向が高い国も少なくない。むしろヨーロッパ諸国ではヤフーは完全に三番手に甘んじている。



検索エンジンの利用は「何を使うか」では無く「何のために使うか」が一義的なもの。ヤフーでもGoogleでもMSN/WindowsLive/Bingでも、自分にとって一番使いやすく、役立つものを使い続ける。一回ごとに個々のサービスをローテーションで使う人は居ないだろう。この利用スタイルの構図は携帯電話会社のそれに似ているところがある。

ヤフーリアルタイム検索【Yahoo! JAPAN、検索サービスでグーグルの検索エンジン・検索連動型広告配信システムの採用などを発表】で伝えているように、検索回りの基本ロジックについてGoogleのそれを採用したヤフージャパンだが、ツイッターのツイートをリアルタイムで検索できる「ヤフーリアルタイム検索」など独自のサービスも提供し、既存の各種連動サービスの充実化も継続している。日本では単なる「検索エンジン」ではなく「検索エンジンも含めたオールマイティなポータルサービス」として、引き続き圧倒的なシェアを占めている。

ヤフージャパンがGoogleのシステムを採用した際には「独自性が薄れる」と危惧する声もあったが、現状では逆に、むしろ「同じような結果が出るのなら、今まで使い慣れてきたヤフーのままで良い」「検索部分でほぼ同じ精度であれば、多種多様なサービスが付帯しているヤフーの方が良い」というプラスの面も少なからず見えている。

Googleにとっても自社エンジンの浸透、そして提供契約上のビジネスの点ではプラスになるため、この関係を破棄する大きな理由は見当たらない。ヤフー(ジャパン)が検索エンジンシェアで優位にあるという、世界的に見た日本の特異性はしばらくの間継続するだろう。

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