ネット広告がテレビを抜いた国も…主要国のメディア別広告費構成率

2011/12/30 07:07

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比率2011年12月28日に公開した記事【世界主要国のテレビ視聴時間】でも記したが、イギリスの情報通信庁は同年12月14日、【レポートページ】内にて、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめたレポート【International Communications Market Report 2011(PDF)】を発表した。イギリス中心の内容ではあるが、役立つデータが多数盛り込まれていて、注目すべき内容といえる。今回はその中から「主要国の広告費における、主要メディア毎の構成比」を見て行くことにする。


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日本では例えば【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(2011年12月発表分)】のグラフにもあるように、4マスとインターネットというグループ内では「テレビ」の広告費は膨大な額に登り、次いで「新聞」と「インターネット」が競り合う状態が続いている。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年10月、億円)
↑ 日本の4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2011年10月、億円)(再録)

それでは世界主要国では、どのようなつばぜり合いをしているのだろうか……という状況をかいま見ることができるのが、次のグラフ。タイトル中にもあるように、「映画」は1%未満の値がほとんどなので、多くの国で省略してしまっているが、「新聞」「雑誌」「テレビ」「ラジオ」「映画」「屋外」「インターネット」それぞれの広告費が、全広告費に占める割合を記したもの。

↑ 2010年の主要国広告費構成(「映画」は一部国以外単位未満のため省略)
↑ 2010年の主要国広告費構成(「映画」は一部国以外単位未満のため省略)

まずひと目で分かるのが、黄緑、つまり「テレビ」の領域が大きい事。主要国の多くでテレビの広告費が多額に及んでいることが分かる。これは以前紹介した【世界規模のメディア別広告費推移】でも明確にされている。

一方細部を見ると、国ごとの違いが色々と見えてくる。アメリカではインターネットへの移行が進んでいる「新聞」だが、ドイツやスウェーデン、アイルランド、インドでは3割超えの値を示し、特にドイツ・スウェーデン・アイルランドでは「テレビ」以上となっている。日本の現状からは想像もできない状態。

またオランダやスウェーデンでは「インターネット」が「テレビ」を超え、「新聞」に次ぐ広告費を占めるメディアの立ち位置を確保している。イギリスでは「テレビ」とほぼ同列に並び、このままインターネット広告費が伸びればメディア最大の勢力を持つことになる。来年以降その推測が果たされれば(早ければ今年2011年分の結果で逆転する可能性がある)、メディア全体で大きなニュースとして報じられるに違いない。

同レポートでは上記各国の広告費総額も添えられている。単位が10億ポンド(≒1200億円)で整数表記のため、かなり粗い値ではあるが、相対的な立ち位置を概略レベルで知ることができる。

↑ 2010年の主要国広告費総額(単位:10億ポンド≒1200億円)
↑ 2010年の主要国広告費総額(単位:10億ポンド≒1200億円)

アメリカの広告市場の巨大さが改めて分かる……と共に、「日本って案外大きな市場だったのか」という再認識を得ることができる。これだけ多額の広告費が投入されているのだから、ARをはじめとした各種新しい広告技法についても、他国同様に積極果敢にチャレンジをこなして欲しいものである。


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