世界規模のメディア別広告費推移をグラフ化してみる

2011/12/29 06:38

コマーシャル先に【世界主要国のテレビ視聴時間をグラフ化してみる】でも記したように、イギリスの情報通信庁は2011年12月14日、【レポートページ】内において、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめたレポート【International Communications Market Report 2011(PDF)】を発表した。発信元の都合もありイギリス中心の内容ではあるが、有意義なデータが多数盛り込まれていて、注目すべき内容といえる。今回はその中から「世界規模のメディア別広告費推移」を見て行くことにする。

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多くのメディアが広告モデルをビジネスの主体として置いている以上、広告費の動向はそのメディア自身の勢い、そしていわゆる「メディアの力」を示す一つの指針となる。公知・周知効果の無いメディアに対し、スポンサーは対価を支払うのを躊躇し、離れて行くからだ。今レポートでは2005年から2010年で年単位における、主要メディアの広告費を掲載している。イギリスの通貨ポンド単位なので絶対金額のイメージがすぐにはわきにくいかもしれないが、経年変化はすぐに把握できるはず。

↑ 世界規模で見たメディア別広告費推移(映画は表記単位に達せず)(単位:10億ポンド≒1200億円)
↑ 世界規模で見たメディア別広告費推移(映画は表記単位に達せず)(単位:10億ポンド≒1200億円)

第一印象として左から右に移行する、つまり近年になるにつれて、配色バランスに変化が生じているのが分かる。これはすなわち、メディアの広告費の構成・勢力図に大きな変化が生じていることに他ならない。特にインターネット広告は大きく飛躍しているのが分かる。一方で4マスのうち唯一テレビは緩やかながらも確実な成長を遂げているのも確認できる。

主要メディアの広告費の動きを成長率・年平均成長率で換算したのが次のグラフ。

↑ 世界規模で見たメディア別広告費推移(増減)
↑ 世界規模で見たメディア別広告費推移(増減)

各メディアの左、水色部分のバーが大きくプラスに振れているが、これは一つ目のグラフからも分かるように、2009年の広告費が全体的に減少したこと(主にリーマンショックを起因とする)の反動によるもの。この数年間における動向を見るには2005-2010年及び2008-2010年の年平均成長率の方が理解しやすい。

屋外広告それによるとインターネット広告は大きな伸びを示す一方、4マスでもテレビはそれなりに堅調、そして(意外にも?)映画や屋外広告も順調に伸びている。それと相反する形で新聞・雑誌・ラジオは不調。この3者は「2005-2010年・年平均成長率」よりも「2008-2010年・年平均成長率」の方がマイナス値が大きく、直近でより深刻な広告費の減退に見舞われていることが見て取れる。

今件グラフ・数字はあくまでも「世界規模」のものだが、当サイトで定期的に報告している経済産業省(【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移をグラフ化してみる(2011年12月発表分)】)、あるいは電通・博報堂(【電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる(2011年11月分)】)の、日本国内における主要メディア広告費の傾向と、大きな違いは見当たらない。多少のぶれがあれど、広告費の観点から見た限りにおけるメディアそのものの変貌は、日本独自の動きではなく、世界共通のものであることが理解できるというものだ。


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