「節電」「防災」「絆」…震災後強く意識するようになったこととは?

2011/12/30 07:05

内閣府大臣官房政府広報室は2011年12月26日、国民生活に関する世論調査の結果を発表した。それによると、2011年3月の東日本大地震・震災後において「生活の上で強く意識するようなったこと」を選択肢の中から複数回答型式で選んでもらったところ、もっとも多くの人が選択したのは「節電に努める」だった。約6割の人が同意を示している。次いで「防災」「家族・親戚とのつながりを大切にする」「風評にまどわされない」の順となっている。男女別では全般的に女性の方が同意率、つまり意識変化をした人の割合が高く、世代別では高齢層ほど食品や周辺の人々とのつながりを重視し、金銭的な面では疎くなる傾向を見せている(【発表リリース】)。

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今調査は2011年10月13日から11月6日にかけて、層化2段無作為抽出法によって選ばれた20歳以上の人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は6212人。男女比は2866対3346、年齢階層比は20代543人・30代865人・40代1071人・50代985人・60代1351人・70歳以上1397人。

今年の3月に発生した東日本大地震とそれを起因とする各種震災の後、人々のマインドは大きく変化したことが各種調査結果で明らかにされている。今件調査は10月-11月に実施されたものだが、その結果においても(震災の状況が現在も進行中であることも一因だが)強い影響を与え続けていることが分かるのが、今回の項目。設問の各項目は「なったこと」であり、一時的なものでは無く現在も続いている、言い換えれば震災後に変化した心境を意味している。

↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)
↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)

最多回答項目は「節電」。数々の失政で現在もなお需給が極めて厳しい電力事情を考えれば、節電意識が高まるのも当然といえる。次いで15ポイント近く落ちるが「防災」意識の高まりが来る。これは余震が今なお相次いでいることを考えれば、十分理解できるというもの。

また、震災をきっかけに周囲の人達との関係・大切さを再確認し、強く意識する動きも見受けられる。関連項目でもっとも多くの回答を得られたのは、一番身近にいる「家族・親戚」で、続いて「地域」、そして「友人や知人」の順。さらに今なお止むことなく続いている「風評」に対する防御姿勢も見受けられる。

これを男女別に見ると、概して女性の方が高い値を示し、多くの面で男性以上に女性の意識が変化したことがうかがえる。

↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)(男女別)
↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)(男女別)

【女性が高め、高齢者は長め…本震後の自粛意識傾向】【震災後の節電意識の高まり8割近く、中堅女性層は特に高い傾向】など多数の調査結果でも、今般震災における各種反応は、女性・高齢者の方が高頻度・高レベルであることが確認されている。今件でも特に生活の身の周りの項目で、女性は男性と比べ高い値を示しているのが分かる。

最後に世代別。こちらは男女別とはまた別の、注目に値する動きが見えている。

↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)(世代別)
↑ 震災後、強く意識するようになったこと(複数回答)(世代別)

冒頭で触れたように、高齢層ほど食品の安全や節電など自分自身へダイレクトに関係することに強い意識を持つようになる一方、寄付や貯蓄、消費など金銭面での行動・意識は若年層と比べて敬遠している。より具体的に「自分自身の防御」を優先する判断の結果、このような傾向を見せたものと思われる。



意識・心境の変化はさまざまな方面に影響を及ぼすようになる。消費性向の変化(主に「守り」の姿勢)は良く聞かれる話であるし、今件項目中で「注意すべき」と上位に入っているものの、流言・風評に惑わされる人が多いのも否定できない。

今件項目に挙げられているような、良い方向性を持つ変化なら許容すべきではあるが、周囲に迷惑をもたらすような、あるいは本人にですらマイナスとなるような意識の変化は、早く元に戻ってほしいものではあるのだが。

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