「自分の資産・貯蓄に満足」約4割、ただし50代までなら3割強

2011/12/29 12:10

内閣府大臣官房政府広報室は2011年12月26日、国民生活に関する世論調査の結果を発表した。それによると、現在の自分の資産や貯蓄に満足している人は、全体の約4割に留まり、不満を覚えている人は6割近くに達していることが分かった。男女別では女性が、世代別では高齢者の方が満足度が高い傾向が見受けられる(【発表リリース】)。

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今調査は2011年10月13日から11月6日にかけて、層化2段無作為抽出法によって選ばれた20歳以上の人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は6212人。男女比は2866対3346、年齢階層比は20代543人・30代865人・40代1071人・50代985人・60代1351人・70歳以上1397人。

現在の生活において、資産や貯蓄の面で回答者自身がどれほど満足しているかを聞いたところ、全体では満足している4.8%・やや満足している34.5%となり、合わせて39.3%が「満足派」という結果になった。

↑ 現在の生活の満足度(資産・貯蓄)
↑ 現在の生活の満足度(資産・貯蓄)

逆に不満を持つ人は19.3%、やや不満が37.9%となり、57.2%が「不満派」。「満足派」と比べて17.9ポイントもの開きを見せている。男女別ではやや女性の方が満足派が多いものの、その差異は3.4ポイント。「分からない」「どちらともいえない」の値を考えれば、誤差の範囲とも考えることができる。

属性別の差異が見られるのは、むしろ世代別。

↑ 現在の生活の満足度(資産・貯蓄)(世代別)
↑ 現在の生活の満足度(資産・貯蓄)(世代別)

20代はまだ「満足派」がやや多めだが、それでも全体値と比べれば低い。そして30-50代は大きく値を下げ、逆に不満派が増える。これは多分に世帯を抱え、子供の養育費や住宅ローンの重圧により、首が回らない状態にあることを起因としている。60代になってようやくそれらの金銭的重圧から解放され、また退職金などもあり、資産・貯蓄の面で満足している人が増えてくる次第である。

もっとも70歳以上になれば(大抵の場合は)消費する額の方が多いので、現時点での資産・貯蓄の満足度は60代と比べて減ってもおかしくはない。ところがむしろ増えているのは、この世代における退職金の額が現在の相場よりも大きかったことや、金銭に対する価値観の世代間での違いなどに起因しているものと思われる(今件はあくまでも回答者の心境に基づくもので、個々の価値観によって同じ金額でも判断・回答は異なることに注意)。



やや余談になるが、二つのグラフを良く見直すと、全体における「満足派」4割という結果は、多分に高齢者層のかさ上げであり、20-50代に限れば3割強でしかないことが分かる。今調査結果は国勢調査などの結果を元にしたウェイトバックは行われていないが、調査対象数・回収率共に高齢層ほど多めとなっており、現在の人口構造に近い値を示している(回答率が若年層ほど低いため、余計に「高齢者の意見が大いに反映される」結果が出ている)。

「資産・貯蓄への満足派は4割」を、現在の人口構成比率にマッチした「全体としての意見」と見るべきか。その上で世代別の意見にも目を向け「若年層-中堅層までも4割の満足を覚えているわけではない。その層は3割程度でしか無い」とまで認識すべきか。考えさせられる結果ではある。


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