世界主要国のテレビ視聴時間をグラフ化してみる

2011/12/28 06:48

テレビ以前【「テレビ広告費」<<「インターネット広告費」の国が欧州で複数登場】でも触れたように、イギリスの情報通信庁は2011年12月14日、【レポートページ】内において、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめたレポート【International Communications Market Report 2011(PDF)】を発表した。発信元の都合もありイギリス中心の内容ではあるが、有意義なデータが多数盛り込まれていて、注目すべき内容といえる。そこで今回から何回か分けて、このレポートから役立ちそうな、あるいは興味深いデータを抽出、グラフの再構築などを行い、考察を加えて行くことにする。今回は主要国のテレビ視聴時間についてである。

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各国のテレビ視聴時間だが、例えばアメリカなら【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】【毎日5時間はテレビを観ています…アメリカのテレビ視聴状況をかいまみる】など、日本ならば【テレビの視聴時間、若年層で減少中、でもその分高齢者が増えて…】【減る「テレビ」「新聞」、増える「ネット」……メディアへの接触時間推移をグラフ化してみる(2011年発表版)】などで挙げられているが、その他の国の事情はあまり資料として公開されることは無い。今回は良い機会なので、今レポートから各国のテレビ視聴時間を抽出し、グラフ化する次第。

まずは2010年における平均テレビ視聴時間。1日あたり1人がどれだけの長さ視聴しているかを示したもので、いわゆる「ながら視聴」の有無は考慮されていないことに注意する必要がある。つまり集中視聴もながら視聴も共に視聴時間に含まれている。

↑ 主要国テレビ視聴時間(分/人・日)
↑ 主要国テレビ視聴時間(分/人・日)

日本のデータは納められていないが、上記記事から抜粋すれば160分-200分くらいであることが分かる。今回の調査対象国ならば中間層くらいだろうか。

アメリカが長めの結果を示しているのは、先の参照記事などにもあるように「ながら視聴のライフスタイルへの浸透」「安価な娯楽としての定着」などが原因で、納得のいくものがある。さらに最近ではDVR(デジタルビデオレコーダー)などの普及も後押ししているものと思われる。

また見方を変えると、インドや中国など一部諸国を除けば、多くの国々で一日3時間以上はテレビが視聴されていることになる。1日は24時間、起床時間は16時間と仮定すれば、2割近くの時間がテレビ視聴に割かれている計算。「ながら視聴」が少なくないとはいえ、やはりテレビのメディアパワーが世界的に絶大であることをあらためて実感させる値といえる。

同レポートでは2009年から2010年にかけての視聴時間変移にも触れているが、多くの国で伸びを見せており、少なくとも「見られている時間」という観点では、テレビはメディアとして成長しているようすがうかがえる。

↑ 主要国テレビ視聴時間(2009年-2010年の変移)
↑ 主要国テレビ視聴時間(2009年-2010年の変移)

インドが唯一大きなマイナス値を示しているが、この傾向についてレポートでは「インドではテレビの普及が急加速で進んでおり、それら”新規のテレビ導入世帯”が操作や視聴スタイルに不慣れなため、あまり視聴していないために起きたもの」との推測を寄せている。テレビ本体の普及率が上昇しているのなら、その推測も十分説得力を持つ。

またレポートでは各国全体の視聴時間の伸びと共に、各国のチャンネル数と視聴時間シェアの違いが、伸び率にも反映されている可能性を記している。端的にいえば、チャンネル数が多い方が視聴時間の伸びが良いとの話であり、暗に「良い意味での」競争原理が働いていることを示唆する内容となっている。

インターネットの登場と浸透で、不特定多数が気に留める唯一無比的な存在では無くなったテレビだが、未だに世界規模で多くの人達の時間と心を奪う存在であることに違いは無い。もちろん同時に、「ながら視聴」の浸透による視聴そのものの質の変化や、他メディアとの融合・相乗効果についても考察が進められるべきだろう。

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