「子供のテレビ離れ」…子供のテレビやDVD視聴時間をグラフ化してみる

2012/01/01 12:00

テレビ視聴先の2011年12月25日に掲載した記事【父の単身赴任増加中? 子供がいる世帯の父母同居状況をグラフ化してみる】でも解説しているが、厚生労働省は同年12月21日、2009年度版「全国家庭児童調査結果の概要」を発表している。この調査は全国の家庭内児童、その世帯の状況を把握し、児童福祉行政の推進に必要となる資料取得のために5年周期で行われているもので、1999年度以降今回発表分も含め、現時点では全3回の記録が確認できる。今回はその中から、「子供達が1日のうちテレビやDVDをどの程度の時間観ているか」について見ていくことにする(【発表リリース】)。

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調査要件は先の「父の単身赴任増加中? 子供がいる世帯の父母同居状況をグラフ化してみる」にて説明している。そちらで確認してほしい。

テレビの生放送だけでなく、録画したもの、さらには市販されているDVDの再生もあわせ、テレビ・DVDの視聴時間はどれくらいの長さなのかを尋ねたところ、全体では「一日3時間以上観る」という回答が1/4強を占めた。一方で「ほとんど観ない」とする人も6.6%いた。

↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間の構成割合(2009年)
↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間の構成割合(2009年)

男女別では女性の方が、世代別では低学年の方が視聴時間が長い。テレビ周りの他の調査結果でも何度となく語られてきたことが、改めて裏付けられた形。特に小学5-6年は1/3近くが一日3時間以上もテレビを観ており、「テレビ観てないで勉強しなさい」という母親の小言が聞えてきそうでもある(もっとも最近は「ながら視聴」の問題があり、この時間=テレビを視ているだけとは言い切れない)。

他方高校生等の区分では、1割強が「テレビはほとんど見ない」とある。受験勉強に注力しなければならない高校3年生はともかく、高校生全体でこの値とは、テレビ世代には驚きの結果かもしれない。

しかし前回調査の2004年の同様調査の結果を見ると、その驚きが拡散する心持ちを覚えることになる。

↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間の構成割合(2004年)
↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間の構成割合(2004年)

両グラフを比べると小学校5-6年生こそ視聴時間がやや増えている雰囲気はあるが、それ以外の属性では押し並べて減っている。また「ほとんど見ない層」にいたっては全区分での増加が確認できる。

これではやや分かりにくいので、各時間区分の中央値を元に概算平均値を算出し、2004年と2009年の値を比較しやすくしたのが次のグラフ。「増えている雰囲気」だった小学5-6年生は雰囲気道理に微増しているものの、それ以外は確実に減少している。

↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間・概算平均値(時間、2004-2009年)
↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間・概算平均値(時間、2004-2009年)

特に高校生は19分近くも視聴時間が減っている。30分番組なら本編丸ごとほぼ1本が入る時間である。今記事タイトルにもある通り、「子供のテレビ離れ」は視聴時間に焦点を当てて考察する限り、確実に進んでいる、ように見える。

では減った時間は何に費やしているのか。これは機会を改めて解説するが、今調査項目の限りにおいては「テレビゲームやパソコンで遊ぶ時間」「携帯電話の使用時間(通話、メール、ゲーム、ネット)」が増加しており、両グループ間には少なくとも相関関係があることが確認できる。1日は24時間しか無く、ある行動の時間を増やすには別の行動を減らねばならないことを考えれば、多分に因果関係も想定できよう(もっともその一部時間で「ながら視聴」をしている可能性もあるが)。



やや余談になるが、「ほとんど見ない」人の割合だけを抽出し、グラフを作成しておく。

↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間・「ほとんど見ない」人の割合(2004-2009年)
↑ 1日のうちテレビやDVDを観る時間・「ほとんど見ない」人の割合(2004-2009年)

概算平均視聴時間が増加した小学5-6年生ですら、わずかではあるが増加している。全体では6.6%と2.5倍、高校生にいたっては2.7倍に達している。記事タイトル通り「子供のテレビ離れ」が起きていることは、以前別調査の結果記事【テレビの視聴時間は平日3時間半・休日4時間強、お年寄りほど長い傾向】【テレビの視聴時間、若年層で減少中、でもその分高齢者が増えて…】で解説したが、改めて立証された形となった。世代別人口構成比と効率、さらに視聴傾向を考えれば、お年寄り向けの番組構成に重点を置くべきであることが分かる。

【なんだ、もう「MHKちょんまげ」みたいな局、あるじゃん】で紹介した時代劇専門チャンネルが好評を博していたり、中途半端な注力による若年層向け番組の多くが「視聴率が稼げない」「スポンサーが”効力薄し”と判断し離れて行く」「予算が確保できない」「ますます投下できる経営資源が減る」「さらに創りがチープで雑で二番煎じになる」のループを繰り返しているのも、今件の調査結果のような状況を、昨今のテレビ番組制作サイドが把握しきれていないのが一因なのかもしれない。

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