50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収比の移り変わりをグラフ化してみる(2010年分データ反映版)

2011/12/27 06:38

お金の推移とグラフ先日12月22日に掲載した【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)】を手始めに、総務省統計局が発表している【家計調査報告】を元にした過去の記事について、最新のものとなる2010年分のデータ更新を反映させた上で、グラフの再構築や精査などを行っている。今回は「二人以上世帯」という限定はあるが(元々「家計調査」の貯蓄・負債項目のデータは「二人以上世帯」のみ)、50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収比の移り変わりをグラフ化して精査した記事の更新を行うことにする。

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今「家計調査」は全国のすべての世帯(学生の単身世帯を除く)に向けて家計収支の調査を実施。各種世帯の特性による集計結果を集計し、日本国民生活の実態を毎月明らかにすると共に、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を蓄積することを目的としている。調査期間は原則毎月。対象は毎月6分の1ずつが差し替えられるため、調査対象母集団の固定化による偏りの心配はない。調査方法は基本的に調査票を用い「調査員による質問」「記入された調査票の回収」などによる。

また、今回グラフ化したデータのうち、2000年までは「家計調査」の附帯調査として実施されていた「貯蓄動向調査」のものを参照している。「家計調査」そのものへは1年の準備期間をおいた上で移行された。2001年分のデータが空いているのはそれが原因。

さて、データとして用意された1959年以降の二人以上の世帯における「貯蓄現在高」「年間収入」、さらには「貯蓄の年収比」の推移を示したのが次のグラフ。物価上昇と共に年収や貯蓄現在高が上昇していること、さらにはそれらとは別に貯蓄の年収比が少しずつ増えていることが確認できる。

↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)
↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)

↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2002年以降限定)
↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2002年以降限定)

1990年以降年収が横ばい、ややむしろ減退気味なのは【過去60年にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】にもあるように、物価そのものが横ばい、さらには多少ながらも下がっていることから分かるように、日本の成長率が鈍化したのが大きな要因。2001年以降の漸減は物価安定に加えて、デフレ感の進行、さらには【日銀レポートによる「なぜ好景気でも賃金は上がらなかったのか」】【大企業の配当金と人件費の関係をグラフ化してみる】にもある通り、多種多様な要因による結果。

↑ 消費者物価指数推移(1950年-2011年)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(2011年は10月まで)
↑ 消費者物価指数推移(1950年-2011年)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(2011年は10月まで)(再録)

一方、年収は横ばい-漸減しているにも関わらず、貯蓄高は漸増-横ばい。従って貯蓄年収比も漸増しているのが分かる。貯蓄額が変わらず、比率計算の際のベースとなる賃金が下がれば、倍率が上がるのは当然の話(もっともこの数年は、貯蓄を切り崩す傾向も確認できるが……)。これは単純に貯蓄性向が高まっただけでなく、ある程度の貯蓄を成している中堅層-高齢者の世帯の全体比が増えているをも意味する(毎月同じ額だけ貯蓄して、切り崩しがなければ、高齢世帯主がいる世帯の方が、当然貯蓄額は大きくなる)。



ちなみに最新の2010年分データでは、平均貯蓄額1657万円・平均年収616万円・平均貯蓄年収比は269.0%となっている。あくまでも平均値であり、中央値とは別ものだが、参考値として、あるいは目標値として覚えておくとよいだろう。

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