世界各国の天然ガス埋蔵・生産・輸出入量などをグラフ化してみる(2010年分反映・EIAデータ版)

2011/12/24 06:43

天然ガス2011年12月20日に公開した記事【世界各国の原油生産・輸入・輸出量をグラフ化してみる(2010年分反映・EIAデータ版)】でも解説しているが、【米国エネルギー情報局(EIA:Energy Information Administration)】の公開データベースのうち、【石油関連部分のデータ一覧】部分における2010年分の値の反映が先日確認された。それに合わせ他のエネルギー資源の値も同時に更新されたのを受け、石油や石炭と同じような形式で、天然ガスの記事について2010年分の値を反映し、各種グラフなどを構築、再精査を行うことにする。

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天然ガスの特性などは【天然ガスの生産・貿易動向をグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】で詳しく説明しているが、陸続きの場合はその多くがパイプラインで、海を隔てた場合はLNGに転換されて輸出入が行われる。LNGとはLiquefied Natural Gas、つまり液化天然ガスの略。天然ガスの運搬・貯蔵を容易にするため、凝縮して液化させたもの。1959年に世界ではじめて生産され、天然ガスの大規模な海上輸送を可能とした画期的な手法であり、天然ガスの利用を飛躍的に促進させるものとなった。

昨今では天然ガスは環境負荷が小さいこと、埋蔵量が石油と比べて多いこと、そして【世界の天然ガス埋蔵量の急増(JOGMEC)(PDF)】のレポートにもあるように、技術の進歩によってこれまで「採掘困難、採算が取れない」とされてきた「非在来型ガス」(例えばシェールガス……泥岩の一種である頁岩(シェール)に含まれる天然ガス)の多くが採掘可能となり、「確認埋蔵量」(現在の技術で経済的に採掘できる量)が増加していることなどから、大いに注目を集めている。

それではまず天然ガス埋蔵量トップ15。EIAでは2009年時点まで世界各国のデータを収録しているので、この時点でのグラフを生成した。直上の説明にある通り、現在では各国ともさらに増えている可能性はある。

↑ 天然ガス埋蔵量トップ15(兆立法フィート)(2009年、採掘可能量)
↑ 天然ガス埋蔵量トップ15(兆立法フィート)(2009年、採掘可能量)

トップはロシア、次いでやや下がってイランやカタール、さらに下がってアメリカ合衆国、サウジアラビアなどが続く。今データは国単位での区分だが、仮に地域別で再構築すれば、ロシアの次に中東地域が位置することとなり、石油同様にこの地域での埋蔵資源の豊富さを裏付けることになる。

次いで年間の生産量、そしてその生産量上位の国における消費量を重ねたもの。エネルギー政策は国によってまちまちなため、消費量の大きさがエネルギー関連の技術の先端性を意味するものでは無いことに注意する必要がある。

↑ 天然ガス生産量トップ15(兆立法フィート、2010年)
↑ 天然ガス生産量トップ15(兆立法フィート、2010年)

↑ 天然ガス生産量トップ15とその国の消費量(兆立法フィート、2010年)
↑ 天然ガス生産量トップ15とその国の消費量(兆立法フィート、2010年)

埋蔵量トップのロシアは生産量でもトップだが、その次にアメリカ合衆国が入っているのが驚き。しかも消費量ではロシアを抜いている。このままでは早晩自国埋蔵分が底を尽きてしまうのではないかという懸念もあるが、先のレポート「世界の天然ガス埋蔵量の急増」にもある通り、「非従来型天然ガス」の開発が進んでおり、これが需要を大いにカバーしている。

さて、天然ガスを消費するにあたり国内生産量でまかないきれなければ、どこかから調達しなければならない。逆に国内消費量以上の生産がおこなえる国では、無理に生産しなくてもよいし、余った分を貯蔵したり輸出する事も可能となる。そこで輸出・輸入量についてまとめたのが次のグラフ。

↑ 天然ガス輸入量トップ15(兆立法フィート、2010年)
↑ 天然ガス輸入量トップ15(兆立法フィート、2010年)

↑ 天然ガス輸出量トップ15(兆立法フィート、2010年)
↑ 天然ガス輸出量トップ15(兆立法フィート、2010年)

輸出量は最大の生産・埋蔵量を誇るロシアがトップ。原油同様に天然ガスの価格もまた、ロシアの財政を大きく左右しうる要因であるのが分かる。一方輸入国では多分に生産しているアメリカ合衆国がトップで、この国のエネルギー消費量が言葉通り「エネルギッシュ」であることをうかがわせる値となっている。また日本が第三位についているも目に留まる。



上記にある通り天然ガスは環境負荷が小さいことや扱いやすいこと、技術の進歩で運搬が容易になり、採掘量も増加しつつあることから、注目を集めつつある。特に日本では震災以降、火力発電所の燃料として石炭と共に需要が急増しているのはすでにご承知の通り。2011年分のデータは来年の今ごろの更新となるはずだが、日本の輸入値は大きく伸びているに違いない。

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