増える共働き・減る専業主婦…共働き世帯の増え方をグラフ化してみる(2010年分反映版)

2011/12/24 06:28

共働き夫婦の朝食シーン先に【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】などで厚生労働省が2011年7月21日に発表した【平成22年度版の「国民生活基礎調査の概況」】を元に、いくつかの記事データの更新を行った。しかし今調査の詳細データのうち一部は、東日本大地震・震災などの影響で公開が遅れており、11月末までにようやく全データが出そろうことになった。そこで先日から、9月の時点でデータ未収録のため更新できなかった記事に関して最新の値を反映させ、2010年版としてあらためてグラフ・記事化を行っている。今回は共働き世帯の増え方について、最新値を反映させることにしよう。

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家計内の就労回りに関するデータは通常総務省統計局の【家計調査】の値を使うのだが、「全体比では少数ではあるものの、男性が主夫、女性が雇用者(他人に雇われ、報酬を受けて働いている者)の世帯もある」ので、そのまま利用することはできない。そこで今回も前回分同様に、【男女共同参画白書】の最新版を確認し、「概要版」の第16図「共働き等世帯数の推移」から該当するデータを抽出。この値を以前の記事で入力した、2009年までの数字を反映したグラフに盛り込んだのが次の図。直近の動向が分かりやすいよう、前回同様に21世紀以降のもののみのグラフも併記した。

↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)
↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)

↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)
↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)(2001年-)

いくつか留意点を挙げておくと、

「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」……夫が非農林雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口か完全失業者)

「雇用者の共働き世帯」……夫婦ともに非農林業雇用者の世帯

を指す。つまり今件では「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者や個人事業、商店主など)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」などは含まれない。

今回のデータで盛り込まれている「夫が勤め人、妻が専業主婦」という世帯と「夫も妻も勤め人」という共働き世帯数の推移としては、「夫が勤め人、妻が専業主婦」世帯が1990年まで漸減、それ以降は横ばい、2000年以降は再び漸減の傾向を見せている。一方で「共働き世帯」は1990年まで漸増、それ以降は横ばい、2000年以降は再び漸増。

両者の関係を見ると、1990年-2000年の間はほぼ同数で推移しているが、2000年以降は1990年以前とは逆転現象が起きて「共働き世帯数>>夫が勤め人・妻が専業主婦世帯」という構図が維持されている。しかも両者の差は年々広がる傾向にある(2010年分のデータはその傾向が顕著に出ている)。これは夫の可処分所得の減少を妻がパートで補う、妻が働きやすい非正規雇用の仕組みが整備された(あるいは店舗側による需要が増えた)ことなどを起因とする。

視点を変えて……全世帯に占める割合を計算してみる
前回記事同様、「全世帯に占める割合」も算出し、グラフ化する。つまり上記ではグラフ生成時に該当しなかった世帯、「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者や個人事業、商店主など)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」などを合わせた全世帯数に対し、「共働き世帯」などがどの程度の割合を占めているのか、その変移をグラフにする。

世帯数推移については【3人までの世帯3/4超…構成人数別世帯数の推移をグラフ化してみる(2010年分反映版)】などにあるように、【e-Stat】から「平成22年国民生活基礎調査」中、「世帯(第1巻・第2章)」「報告書掲載」「年次推移(第1表-第17表)」「年次」「2010年」「1.世帯数-構成割合,世帯人員・年次別」を選べばすぐに抽出できる。年次で揃えて、「共働き世帯」数などと合わせて計算をした結果が次のグラフ。こちらも前回同様に21世紀分だけのものを併記した。

↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移
↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移

↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(2001年-)
↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移(2001年-)

「勤め夫に専業主婦」の割合が年々減少している(約30年で半減近く)のはともかくとして、「全世帯数に占める共働き世帯の占める割合」は1990年以降ほぼ横ばいを維持しているという、意外な結果が確認できる。

これは【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】でも触れたように、日本の世帯数そのものが増加現象にあること、そして年金生活者や単身生活者が増加していることにより、(共働き世帯数そのものが増加していても)比率としては一定率が維持されたままの状態になっているのがその理由。

共働き世帯数の全世帯数比率がほぼ2割を維持」し続けている理由については、まったく説明のつけようがない。裏付けとなる社会的規範・法令も見当たらない。不思議な現象だが、社会構造学的にこのような均衡がとれるようになっている可能性はある。逆にいえばこの比率がさらに上向くようなら、社会全体として大きな変化が生じていることのシグナルととらえるべきだろう。

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