グリーが第二位に、実写版「ドラえもん」のトヨタ自動車や日産も健闘(民放テレビCM動向:2011年11月分)

2011/12/18 06:02

ゼータ・ブリッジは2011年12月16日、2011年11月度における関東民放5放送局(いわゆるキー局)のテレビCMオンラインランキングを発表した。それによるとCMの放送回数がもっとも多かった企業・団体は、先月から続き花王だった。また、商品別オンエアランキングなどを見ると、先月同様に携帯コンテンツ関連会社の躍進が目立つ一方、自動車会社の活発な宣伝活動の様相が見える結果となっている([発表リリース])。

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データの取得場所、各種データの意味、そして今件記事が関東地域のみを対象としていることについての説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】で行われている。そちらでチェックを入れてほしい。

発表資料には多種多彩なデータが掲載されているが、そのうち企業別オンエアランキング(放送回数順位)の中から上位10位を抽出したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2011年11月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2011年11月、上位10位)

ビデオリサーチコムハウスのデータを元にした記事【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(1)花王】などで解説しているが、花王は年明けに数を減らし、春以降は急激に戻したのち、夏期はやや落ち込みを見せる傾向がある。しかし今年は夏期での落ち込みを見せず、高い放送回数のまま秋季・冬季攻勢の時期に突入したことが、この数か月の動向で確認できる。

「今件が関東のデータのみを計測しているのが原因」とする仮説も考えられるが、これは2か月前に検証したように、過去におけるビデオリサーチコムハウスの関西分データだけを参照しても、やはり夏期は毎年減少気味で、過去の事例の減りぶりは関東のみの傾向では無いことから、否定されている。今年の花王は、新商品などの展開の上で通期における一大攻勢をかけているのかもしれない。あるいは逆に、他社が一歩も二歩も引いており、相対的に花王が抜きん出ている可能性もある。

また、【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(3)ハウス食品】で解説している、ハウス食品と興和(コーワ)が今月も顔を見せている。ハウス食品はやや後退したが、興和は大きく前進。「フリースポット契約」の広告の需要動向は興和の上がり方を見ると、やや増えているように見える(もっとも興和は冬に向けてマスクや肌荒れ防止用の化粧品を大規模にプッシュしており、この商品展開も一因と思われる)。

携帯電話向けサービスの事業会社グリーや、そのライバル会社ディ・エヌ・エーは、今回は前者が2位、後者が14位。先月と比べてグリーは大きく伸び、ディー・エヌ・エーは現状維持。すでに冬休みを間近にひかえているが、圧倒的な「戦力」による攻勢は未だに続いている。いわば「冬期攻勢」というところか。

自動車メーカーでは4位にトヨタ自動車、そして20位に日産自動車が入っている。特にトヨタ自動車は『ドラえもん』を実写化したシリーズを展開し、しかもキャストに話題性豊富な人達を次々と選び(とりわけ「ドラえもん」にジャン・レノ氏を起用したのは大きな衝撃となった)、話題を集めている。

↑ サイトに貼りつけ可能な公式動画が無いので、公式サイトでの公開ページを。観る者に深い印象を与えるという点では最強の部類。
↑ サイトに貼りつけ可能な公式動画が無いので、公式サイトでの公開ページを。観る者に深い印象を与えるという点では最強の部類。

これら上位10位の企業におけるCM出稿を、テレビ局ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 企業別放送回数ランキング(2011年11月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2011年11月、上位10位)(局別)

最初のグラフで花王が突出しているが、今グラフではその花王について「日本テレビとフジテレビ」に大きく傾注しているのが分かる。また「興和の日本テレビ・フジテレビへの出稿が少ない」のは、この数か月の定番の動き。それぞれスポンサードしている番組の有る無しが、偏りを生み出す結果となっているのだろう。一方で通常局に隔たりなく出稿している日本コカ・コーラは、今月はややフジテレビに注力している一方、上記の「ドラえもん」攻勢を行ったトヨタ自動車はキー局すべてにまんべんなく展開しているのが分かる。「できるだけ多くの層に、分け隔てなく」という、トヨタ自動車側の意図が透けて見える。

また先月に続き今月もグリーにおいて、テレビ東京のみ大きな値を出しているのが確認できる。アプローチしたいターゲットの属性との相性が良いものと思われる。

最後に、企業別ではなく個別商品別のランキングは次の通りとなる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2011年11月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2011年11月)

グリーは同社のSNS「GREE(グリー)」をプッシュしており、色々なパターンはあれど全部まとめて集計されている。ディー・エヌ・エーもまた同社SNS「モバゲー」で集約した上で集計されていることもあり、個別商品ランキングでは携帯コンテンツ会社(SNS運営会社)が先月に続き上位に顔を連ねる形となった。また市場動向の変移に対応するためか、ソフトバンクモバイルの企業CMが多いのも目に留まる。

特にグリーでは11月以降の新作ソーシャルゲーム「海賊王国コロンブス」「聖戦ケルベロス」の公知に続々と大手タレントを起用し、インパクトのあるCMを大量投入。これが第2位の2倍以上という大差をつける形となった。

EXILEが登場するGREEの「聖戦ケルベロス」のCMの一つ。キャッチコピーは「美しすぎるカードゲーム」。
↑ EXILEが登場するGREEの「聖戦ケルベロス」のCMの一つ。キャッチコピーは「美しすぎるカードゲーム」。

福山雅治氏やEXILEのメンバー諸氏のファンはテレビにかぶりつきとなること必死、そうでなくとも通常のGREEのCMとは異なる印象、そして畳みかけるような放送回数に、つい目を留める人も少なくあるまい。

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