ギリシャ再び上昇しCPDは95.39%に(国債デフォルト確率動向:2011年12月)

2011/12/15 12:00

2010年12月17日付の、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化し精査した記事で説明したように、経済動向を推し量るのを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2011年12月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)自身の細かい定義、データの取得場所、さらに各種概念は一連の記事まとめページ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。

今件のグラフは日本時間で2011年12月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2011年12月15日時点)

いわゆる「ジャスミン革命」「Facebook革命」と呼ばれた中東近辺の連鎖反応的動乱は、「ロンドン暴動」「イスラエルの大型デモ」、さらには現在も進行中の「Occupy Wall Street」運動などへも飛び火したが、結局のところ(背景や表現の仕方に違いはあれど)前者は「モバイル端末」と「相互情報の容易なコミュニティ」というツールで形成された、主に若年層による「エネルギーの発散」という形で収束しつつある。一方後者は格差是正を求める声の高まりから全世界的な流れを見せる雰囲気もあるが、同時にその行動自身が、社会的混乱を狙う勢派に悪用されたり、救うべき人々の生活をより困窮化させているという、皮肉な現実も巻き起こしている。

イタリア債務の状況一方で債務問題の悪化を起因とした欧米通貨、特にヨーロッパ方面のユーロをはじめとした各通貨への信頼性への揺らぎは続いており、これがここ数か月の間の極端な(特に対ユーロにおける)円高の一因でもある。今件データを見ると分かるように、特にギリシャのCPD値は高止まりのまま。先月やや落ち着いたと見られたが、今月では再び増加。ポルトガルやイタリアの値も悪化しており、【対外債務がインタラクティブに分かるページ】でも紹介した図版・インタラクティブページにもある通り、EU各国の債務が互いの足を引っ張りかねない状態にあることを再認識させてくれる。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2011年第3四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt
Credit Risk Report、PDF)】
で確認可能。それによると、CPDfは11.3%・格付けはaa-で順位は18位。2011年第2四半期の値がCPD値7.3%・格付けaa・順位23位なので、状況は悪化、世界各国との相対的なリスクは減少したことになる。少々妙な結果だが、トップを行くノルウェーですら、CPDが1.9%から4.4%に悪化しているなど、世界全体的に経済状況の悪化とリスクの上乗せが起きているのが分かる。

ヨーロッパの債務問題はギリシャやイタリア、スペインなど大きな債務を抱える国自身だけでなく、ドイツやイギリスの動向も合わせ、複雑に絡み合った状態で日々状況の変化を起こしている。このような不安定感を受けて金融市場は総じて軟調にあり、これがさらに関係諸国だけでなく先進国・新興国を問わず世界各国の経済を足踏みさせている。引き続き「臨戦態勢」で気を引き締めるべきといえよう。


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