【更新】アジア太平洋主要国のブロードバンド普及率をグラフ化してみる

2011/12/21 06:35

モバイル使用中世界規模のモバイルオペレーターの業界団体である【GSM Association】が2011年11月16日に発表した、アジア太平洋地域のモバイル加入者(インターネットなどのデータ通信だけでなく、通話、そしてSMSサービス利用者も含む)の動向を書き連ねたレポート「Asia Pacific Mobile Observatory 2011」([http://www.gsm.org/newsroom/press-releases/2011/6570.htm、該当プレスリリース。現在はアクセスできず])を元に、【アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移をグラフ化してみる】をはじめとしてデータの抽出やグラフの再構築、考察などを行っている。今回は主要国における「固定回線・モバイル回線双方のブロードバンド普及率」を見ていくことにする。

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今レポートではアジア太平洋地域該当国として47か国を挙げているが、そのうち人口がある程度以上存在し、モバイル系の情報が精査しやすい、かつ特徴的な性質を持つ17か国を抽出し、それらの国を「AP17」と呼んでいる。今回はその「AP17」を対象とした、モバイル・固定双方のブロードバンド普及率のデータである。

前述の通り、アジア太平洋地域のモバイル加入者(インターネットなどのデータ通信だけでなく、通話、そしてSMSサービス利用者も含む)は約30.2億人。

↑ 世界のモバイル加入者数(億人)(2012年以降は推定)
↑ 世界のモバイル加入者数(億人)(2012年以降は推定)(再録)

↑ アジア太平洋地域主要17か国・モバイル加入者数(2000年・2010年)(単位:百万人)
↑ アジア太平洋地域主要17か国・モバイル加入者数(2000年・2010年)(単位:百万人)(再録)

しかし全員がインターネットへアクセスできるわけでは無く、少なからずは通話とSMS(ショートメッセージサービス)のみの利用。3G(第三世代)携帯電話以降の、いわゆる「モバイルブロードバンド」(固定電話回線などによるブロードバンド通信に準ずる通信速度を有する、モバイル系などの無線通信サービス)を使っている人の割合は国によってさまざま。サービスそのものが整備されていない地域も少なくない。しかし固定回線よりも(利用者・事業者双方において)安価で整備しやすいモバイルブロードバンドに注目が集まり、昨今では各業者の参入により、少しずつながらも浸透が始まっている。

次のグラフは「AP17」における、モバイルブロードバンドと固定回線(電話回線や光回線など)における対人口普及率。国ごとのインターネット事情が反映された結果となっている。

↑ ブロードバンド普及率(固定回線・モバイル回線/対人口比)(アジア太平洋地域主要17か国)
↑ ブロードバンド普及率(固定回線・モバイル回線/対人口比)(アジア太平洋地域主要17か国)

台湾の固定回線普及率が100%を超してしまっているが、これは企業(一般企業以外にいわゆる「ネットカフェ」なども含む)による多数契約がカウントしているからと思われる。またレポートでは「2008年ごろからインフラ整備がしやすく利用者も加入ハードルが低い、モバイルブロードバンドが普及する兆しを見せていた。アジア太平洋地域ではその先鞭をつける形で普及が進みつつある」と説明している。特に(絶対数では少数だが)インドネシアやフィリピンが「モバイルブロードバンドが、国の高速インターネット化を引っ張る事例」の好例であるとし、それらの国も合わせ「エマージングマーケット(急成長を続ける新興国)」のインターネット普及におけるパターンとなるとしている(このパターンは【アフリカにおけるモバイル経由のブロードバンド加入者数推移をグラフ化してみる】で解説した、アフリカ地域と同じ)。

一方で日本やオーストラリアのような先進国でも固定・モバイルの逆転現象が起きている事例もあるが、こちらについては「固定回線は基本的なネット窓口として普及化を果たしており、『モバイルはいつでもどこでも(高機動性を活かした使い方)』『固定はネットアクセスの基本として自宅や企業で』という使い分けの時代に突入している」と説明している。日本の事例はまさにこれに該当するといえよう。

今後はスマートフォンの普及とともに、エマージングマーケットにおけるモバイルブロードバンド化がさらに推し進められ、今件グラフの右側も大きく伸びを見せていくことが容易に想像できる。そしてそれに合わせ、それらの国のさまざまな環境(経済、文化、世情)もまた、少なからぬ変化が起きるに違いない。

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