【更新】アジア太平洋諸国のモバイル通話料金の変移をグラフ化してみる

2011/12/20 06:45

モバイル通話料金世界規模のモバイルオペレーターの業界団体である【GSM Association】が2011年11月16日に発表した、アジア太平洋地域のモバイル加入者(インターネットなどのデータ通信だけでなく、通話、そしてSMSサービス利用者も含む)の動向を書き連ねたレポート「Asia Pacific Mobile Observatory 2011」([http://www.gsm.org/newsroom/press-releases/2011/6570.htm、該当プレスリリース。現在はアクセスできず])を元に、【アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移をグラフ化してみる】をはじめとしてデータの抽出やグラフの再構築、考察などを行っている。今回は主要国における「モバイル経由での通話平均利用料金の動向」を見ていくことにする。

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今レポートではアジア太平洋地域該当国として47か国を挙げているが、そのうち人口がある程度以上存在し、モバイル系の情報が精査しやすい、かつ特徴的な性質を持つ17か国を抽出し、それらの国を「AP17」と呼んでいる。今回はその「AP17」を対象とした、モバイル加入者に関するデータである。

まずは2008年と2010年の「AP17」におけるモバイル経由での平均通話料金。

↑ アジア太平洋地域主要17か国における平均分当たりの利用単価(米ドル換算、未記名国はデータ無し)
↑ アジア太平洋地域主要17か国における平均分当たりの利用単価(米ドル換算、未記名国はデータ無し)

「AP17」の中では日本とオーストラリアが高めなこと、タイや中国、インドネシアなどが破格値であることが把握できる。そしていくつかの国で、2年の間に大きな変動が起きているのが分かる(「AP17」のうちグラフ上にデータが無い国、具体的には香港、スリランカ、ベトナムは比較対象となりうるデータが公開されていない)。

その「変動」を分かりやすくしたのが次のグラフ。各国ごとの価格変動を年平均成長率で示したもの。横軸の国の並びは最初のグラフと同じにしてある。

↑ アジア太平洋地域主要17か国における平均分当たりの利用単価(2008年-2010年における年平均変化率、未記名国はデータ無し)
↑ アジア太平洋地域主要17か国における平均分当たりの利用単価(2008年-2010年における年平均変化率、未記名国はデータ無し)

フィリピンはやや例外だが、それ以外は下げ率が大きい国ほど右側に来ている(=現在単価が非常に安い)傾向にあるのが分かる。そしてレポートにもある通り、これら「現状価格が安く、この数年で大幅に値を下げた国々」の多くが、いわゆる「エマージングマーケット(急成長を続ける新興国)」の類であるのが見て取れる。この激化する価格競争が、各国の携帯電話普及率を大きく底上げする要因と考えて問題はない。

レポートでは具体例として(お馴染みの)インドネシアを挙げている。それによると「価格戦争(Price Wars)」と呼ばれる競争が起きており、2006年での平均0.20ドル/分から2010年には平均0.02ドル/分までと1/10の値下げ・年平均変化率マイナス45%を記録しているとのこと。

もちろん過度の価格競争は品質の低下や利幅縮小、無理な経営による企業の破たんリスク(インフラ企業の破綻は、インフラそのものの欠損をもたらし得るため、重大問題となる)を積上げかねないことに注意しなければならない。その点に留意しながらも、今後もアジア太平洋地域の多くの国々では値下げ競争が続き、普及率をますますアップさせていくのだろう。

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