【更新】アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移
2011/12/17 07:04


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今レポートでは2005年から2015年(もちろん2012年以降は推定)におけるモバイル加入者数の推移を収録している。【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】でも説明しているように、プリペイド方式によるSIMカードの利用が大勢を占めている地域・国では、一人が複数枚のSIMカードを持っている場合もあり、その時には別々にカウントされてしまうため、結果として人口以上の「加入者」が存在することもありうる(一方でSIMカードを利用していなくとも、日本のように一人が複数台の契約をする事例も少なくない)。従って今件は、「携帯電話などを持っている”人数”」よりは幾分上乗せされた形になることを、あらかじめ認識しておかねばならない(別途記事で解説するが、太平洋諸国でも対人口比で「モバイル加入者率」が100%を超してしまう国は複数存在する)。
まずは積上げ式でのモバイル加入者数推移。ヨーロッパは東西に分割した上での算出なので注意しなければならないが、赤で囲ったアフリカ、そしてアジア太平洋地域の伸び率が著しいのが分かる。

↑ 世界のモバイル加入者数(億人)(2012年以降は推定)
2011年の時点で60億人に達しているモバイル加入者(前述のように重複カウントの問題や、インターネット接続の出来ない通話とSMSのみの携帯電話の加入者も多分に含むことに注意)だが、そのうち約半数がアジア太平洋地域。その後も世界全体の伸び方と同様に、むしろややかさ上げされる形で今地域のモバイル加入者は増加を続け、2015年には40億人に達する。
新興国の方がモバイル系の成長率が高いことは、これまでにいくつもの記事で触れた通りだが、今件データにもそれを裏付ける値が確認できる。

↑ 地域別・モバイル加入者数の年平均成長率
さすがに今後の推定年平均成長率は、どの地域もこれまでと比べて大人しい値となる。それでも欧州や北米がすでに飽和状態に近いのに対し、アジア太平洋・アフリカ地域はまだ伸び代が大きいことが見て取れる(北米・欧州と比べれば、ラテンアメリカや中東もそれなりに伸びが期待できる)。両地域とも絶対数が多い、特にアジア太平洋地域はすでに30億人がカウントされている上でこの上昇率が維持できるのだから、注目しないわけにはいかない。
昨今の経済不況で、アジア太平洋・アフリカ地域のモバイル普及率が鈍化する可能性も否定できない。しかし導入コスト・ランニングコスト共に安いこと、後者は特に価格競争の激化でさらにハードルが低くなっていること、モバイル端末の利用者がその有意性を喧伝し公知することで「ライフスタイルのステップアップアイテム・ツール」として注目を集めていることなどを合わせて考えれば、大きな鈍化は起きないだろう。
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