東日本大地震時の「会社からの安否確認」と職場感、会社との一体感の関係

2011/12/04 06:54

一体感NTTデータ経営研究所は2011年11月28日、「ポスト3.11の仕事観に関する調査」として東日本大地震・震災(以後「本震」)以後における仕事観の状況調査結果を発表した。それによると調査母体においては、本震時に会社から安否確認の連絡があった人はほぼ1/3に達していることが分かった。また、会社から連絡があった人はそれ以外の人と比べて、仕事そのものや会社満足度、働きやすさ、会社との一体感などの点で、連絡が無かった人と比べて高い値を示しているのが分かる(【発表リリース】)。

スポンサードリンク


今調査は2011年9月29日から10月4日にかけて30人以上の従業員規模の企業に勤務する社員(社長・役員除く)などに対し、原則1社1名のみを抽出する形で行われたもので、有効回答数は1021人。従業員規模30人以上300人未満、300人以上1000人未満、1000人以上5000人未満、5000人以上を各1/4ずつに割り付け。電力管轄区分では東北・東京電力管轄内で56.0%・それ以外で44.0%。

先に別記事で記した通り、今般本震で回答者の安否情報と会社への通知について、勤めている会社から安否確認の連絡があったか、あるいは会社から連絡がある前に(会社側に連絡をする仕組み・つもりがあるか否かはともかく)自発的に安否の報告をしたか、それとも会社から連絡は来ないし自分からもしなかったか、この3択のいずれかを尋ねたところ、会社から安否確認の連絡があった人は33.1%に達していた。

↑ 震災発生直後の安否確認 <従業員規模別><資本別>
↑ 震災発生直後の安否確認 <従業員規模別><資本別>(再録)

今件で「会社から安否確認の連絡があった人」、そして「自発的に会社に安否確認の連絡を入れた人」「連絡来ず・せず」の人を合わせたものを「会社から安否連絡が無かった人」として2つに区分した上で、調査時点における仕事観・職場感を聞いた結果が次のグラフ。「非常にそう思う」「まあそう思う」「そう思わない」「まったくそう思わない」の4選択肢の中から一つを選んでもらい、そのうち肯定派の前者二つの回答率を足している。

↑ 「本震」後の仕事観・職場感(本震時における会社からの連絡あり・なし別、一部)(満足度で「非常にそう思う」「まあそう思う」の合計)
↑ 「本震」後の仕事観・職場感(本震時における会社からの連絡あり・なし別、一部)(満足度で「非常にそう思う」「まあそう思う」の合計)

「会社全体の一体感」や「社員を大切にしてくれる会社という実感」の絶対値が1割程度でしか無く、色々と複雑な想いを持つ人も少なくあるまい。一方、取り上げた項目では全項目で「会社からの安否確認がある」回答者の方が高い値、つまり仕事や会社への満足感を体感している傾向がある。

今調査は「本震」からほぼ半年後に尋ねている。本震時の会社側の対応をきっかけに、仕事への満足感や、会社に対する評価を改めた結果、このような高い値が出た可能性はある。「もしも」の時の対応で、会社側の本質をかいま見ることが出来、想いを新たにした、というところだ。

しかし「会社から安否確認の連絡があった人」が勤める会社は、元々従業員からの評価が高めだったのかもしれない。視点を変えれば高い評価を受けるような施策をしている会社であり、その結果「本震」時にも従業員への安否確認の連絡が行われた、つまり安否確認は「会社にとっては当たり前のことをした結果に過ぎない」という見方もできる。

いずれか片方のみが正解ということは無く、その双方が入り混じっている、あるいは双方ともという事例もあるだろう。会社側としては従業員との一体感を図り、必要な場面においても慌てることが無いように、「万一」の時のための備えを再確認し、整備を行う良い機会と見るべきである。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー