「”いずれ結婚するつもり”。ならば一年以内は?」から考える晩婚化傾向(最新)

2016/10/13 05:15

先に【独身者の結婚意思の変化をグラフ化してみる】で国立社会保障・人口問題研究所が2016年9月15日に公式サイトにて公開した、日本国の結婚や夫婦の出生力の動向などを長期的に調査・計量する「出生動向基本調査」の最新版「第15回出生動向基本調査」の調査結果(独身者対象の調査と夫婦対象調査の双方)をもとに、独身者の結婚意識の観点から少子化の要因の一部をかいま見た。今回は同じ調査報告書を基に、「結婚意識を持つものの、一年以内に結婚する意思は無い人」、言い換えれば結婚を先延ばしする人の動向についてチェックを入れることにする(発表リリース:【第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)】)。

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今調査に関する調査対象母集団や集計様式に関しては、出生動向基本調査に関わる先行記事の【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移をグラフ化してみる(最新)】を参照のこと。

まずは復習も兼ねて調査母体における「生涯」の結婚意識。8割強以上の高い割合で「いずれ結婚するつもり」と回答している。

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合(再録)
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合(再録)

それではこの「いずれ結婚するつもり」と回答した人は、どの程度の強い気持ちで結婚願望を抱いているのだろうか。「1.一年以内に結婚したい」「2.理想的な相手が見つかれば結婚しても良い」の2つから成る「(条件が揃えば)一年以内に結婚しうる派」と、「3.まだ結婚するつもりはない」、言い換えれば「いずれは結婚したいけど、一年、二年では無くて、あくまでも”今後”の話のレベル」との先送り・引き延ばし的心境を抱く「結婚はしたいけど先でもいいや派」、合計3つの選択肢を用意。そのうち最後の「3.結婚はしたいけど先でもいいや派」の推移をグラフ化したのが次の図。

↑ 調査・年齢別「まだ(一年以内に)結婚するつもりはない」と回答した未婚者比率(男性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した人限定)
↑ 調査・年齢別「まだ(一年以内に)結婚するつもりはない」と回答した未婚者比率(男性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した人限定)

↑ 調査・年齢別「まだ(一年以内に)結婚するつもりはない」と回答した未婚者比率(女性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した人限定)
↑ 調査・年齢別「まだ(一年以内に)結婚するつもりはない」と回答した未婚者比率(女性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した人限定)

まず男女別だが、どの年齢階層でも男性の方が回答率が高い。結婚願望を持つ人においても、男性の方がモラトリアム感が強い中での願望であることが分かる。特に20代後半において、男女間の差異が大きい。

経年変化では年齢階層別に見ると20代前半までは男性でいくぶん減少、女性で増加する動き。女性は20代前半までの結婚に関しては、ぼんやりとした願いを持つ人が増えている一方で、男性は減少している。絶対値ではまだ男性の方が上だが、このペースでならあと10年ほどで男女の値が逆転するかもしれない。20代後半になると絶対値こそ違いはあれど、男女とも今世紀初頭までは増加、それ以降は減少している。30代前半では女性がほぼ横ばい、男性が増加する動き。

18-34歳の総計値では男女とも漸減、つまり可能ならば一年以内に結婚したい人が増えている動きを示している。独身者の結婚願望、しかも強い意識での願いを持つ人はわずかずつだが増えているようだ。

一方当然ながら、各調査時期においては、調査対象の年齢が上になるほど値が小さくなる。自分が歳を取るにつれて、「結婚はまだ後でいいヤ」とする先延ばしの心境が弱まり、「一年以内に結婚したい」「理想的な相手が見つかれば結婚しても良い」とする前向きな姿勢を持つ人が増えてくる。これは例えるなら、夏休みが終わりに近づくにつれて、宿題にとりかかる人・終える人が増えてくるのと同じ傾向といえる。とりわけ女性では18-24歳と25-29歳との差異が大きいため、20代をタイムリミット的に考える人が多分にいるものと考えられる。



先行記事にもある通り、初婚年齢は上昇の一途をたどっている。

↑ 調査別平均出会い年齢・初婚年齢(歳)(再録)
↑ 調査別平均出会い年齢・初婚年齢(歳)(再録)

大よその年齢階層で可能ならば早期に結婚したい人の割合が増えているにも関わらず、出会い年齢・初婚年齢が上昇している動きを合わせ見るに、出会いの機会が無いのに加え、出会いを果たしても結婚までに至らない、結婚に踏み切れずに同棲や恋人状態が継続している、さらには「結婚をしたい」と考える一方で様々なハードルに阻まれて(いると自認し)半ばあきらめるケースが多分にあるものと考えられる。

人生における先輩諸氏、そして社会全体として、それらの障壁を取り除く手立てを講じることこそが、結婚問題における解決策となるのかもしれない。


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