結婚を望む人は約9割…独身者の結婚意思の変化(最新)

2016/10/12 05:18

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原則的に男女間の契約様式の一つとして、共に生活し一つの世帯を持つ事を宣言し、社会・法律の上で夫婦であるとの立場で生活するとの表明を成し法律関係を結ぶこと、夫婦になることを結婚と呼んでいる(「婚姻」も似た意味を持つが、結婚後の夫婦関係をも意味する)。現在独身にあるものは、結婚についていかなる意識を有しているのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所が2016年9月15日に公式サイトにて公開した、日本国の結婚や夫婦の出生力の動向などを長期的に調査・計量する「出生動向基本調査」の最新版「第15回出生動向基本調査」の調査結果(独身者対象の調査と夫婦対象調査の双方)をもとに、独身者の思惑を確認していく(発表リリース:【第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)】)。


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独身者の結婚願望は約9割


今調査に関する調査対象母集団や集計様式に関しては、出生動向基本調査に関わる先行記事の【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移】を参照のこと。

まずは18-34歳の独身者における「生涯」の結婚意識。設問では「自分の一生を通じて考えた場合、あなたの結婚に対するお考えは、次のうちのどちらですか」とし、「いずれ結婚するつもり」「一生結婚するつもりはない」の2選択肢を提示している。

結果としては8割強以上の高い割合で「いずれ結婚するつもり」と回答している状況に変わりは無いが、年々その割合が減少傾向を見せているのが確認できる。

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(男性)
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(男性)

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(女性)
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意思(女性)

同時にわずかずつではあるが、「一生結婚するつもりは無い」とする回答率が増加しているのも分かる。今回発表分では特に女性が2.6%ポイントのプラスと大幅に増加を示している。それらの動向を見る限り、2005年に気配として感じられた「結婚離れの後ずさり」もイレギュラー的な動きだった感はある。

その動向をより分かりやすくするため、「いずれ結婚するつもり」の回答者の割合を抽出し、グラフを描き直したのが次の図。

↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合
↑ 調査回別にみた、未婚者の生涯の結婚意識で「いずれ結婚するつもり」と回答した割合

1987年以降、男女の間で「結婚願望の強さ」が逆転。さらに値そのものも2000年前後に底を打ち、再び上昇を見せつつある気配が見てとれた。しかし2010年分以降では再び減少傾向に戻りつつある。2005年の動きは一時的なもので、中長期的には減退の方向性で間違いはないようだ。

「いずれ」の中身


上記調査項目で「いずれ結婚するつもり」と回答した人に、「ではどのような条件に達することが”いずれ”に該当するのか」に関して、2つの選択肢「ある程度の年齢までには結婚するつもり」「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」を用意し、どちらかを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(男性)
↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(男性)

↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(女性)
↑ 調査回別にみた、結婚意思を持つ未婚者の結婚に対する考え方(女性)

男女別では、男性の方がやや自分の年齢を気にする・優先する(=女性の方が理想の相手を求める意識が強い)があった。しかし直近の2回分調査、2010年分以降ではこの関係が逆転し、女性の方が年齢を気にする人の割合が大きなものとなっている。かつては【男性より女性の方が婚活には消極的・理由は「一人が楽しい」「他に時間を使いたい」】などでも現れていたように、未婚男性よりも未婚女性の方が、結婚以外の「やりたいこと」への願望が強く、それを凌駕するだけの相手を求めるこだわりがある結果としての動きによるものと考えられたが、昨今では逆に未婚男性の方が「結婚以外にやりたいことがある」人の割合が増えているのかもしれない。



今調査の限りにおいては

・未婚者の結婚願望は高い

・未婚で生涯を過ごす意思を持つ人はわずかずつだが確実に増加している

・結婚願望を持つ人は大体5-6対4の比率で「年齢と相談して結婚」「理想の相手が見つかるまで我慢」
 ただし1990年代は、やや「理想の相手-」が増加する傾向を見せる

・男性よりも女性の方が結婚願望そのものは強くなっている

などの傾向が確認できる。多くの動きについて、他の調査機関の調査結果を裏付ける内容であり、納得のいく結果ともいえる。

「出生動向基本調査」は基本的に5年おきの調査であり、次の機会は2020年調査・2021年発表となる。その頃にはどのような動きを確認できるのか。今から心待ちにしたい。


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