「すでに回復済み」自分や家族は6割、市町村では3割・県は1割…被災三県での「状態復帰」までの試算

2011/11/24 06:39

復旧作業連合は2011年11月7日、東日本大地震・震災における被災3県(岩手県・宮城県・福島県)での意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、自分自身や家族の生活がすでに震災前の状態に戻っている人は約6割であることが分かった。しかし市町村や県など地方自治体レベルになると、市町村では3割、県では1割足らずに落ち込んでいる。全般的に自分自身やそのごく身近な範囲は回復基調が実感できても、対象となる範囲が広く・大きくなるに連れ「震災前までに戻る時間」は長くなる、と見る傾向があるようだ(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2011年10月12日から17日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で、東日本大地震・震災前に有職者(パート・アルバイト含む)の立場にあり、岩手県・宮城県・福島県に居住していた20-60代の男女に対して行われたもので、有効回答数は3000人。男女比は1680対1320。

調査母体全体に対し「震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間」について、さまざまな対象を提示して答えてもらったのが次からのグラフ。最初は自分自身や家族の生活についてだが、双方とも約6割が「すでに戻っている」と回答している。

↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(自分と家族)
↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(自分と家族)

「まだ戻っていない」とする人達でも、最多回答層は「1-3年」で約1割。「5年以内(すでに戻っている派含む)」で約86%に達している。

これが対象を市町村・県のレベルに拡大すると、状態復帰までの期間試算はずっと先のものになる。「市町村」では3割が「すでに戻っている」だが「県」では1割にすら届かない。

↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(震災前に居住していた場所)
↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(震災前に居住していた場所)

「すでに戻っている」以外の最多回答層は「市町村」では「1-3年」、「県」では7-10年。「県」ではさらに「ずっと戻らない」が15.0%・「分からない」が9.4%に達しており、広域レベルでの被害の大きさが再認識できる結果となっている。

「日本全体」に対する認識は「県」に対するものとほぼ同じだが、「すでに戻っている」との意見がほとんど無いことや、「分からない」とする声がやや大きめなのが違いとして確認できる。

↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(日本全体)
↑ 震災前の状態に戻るのに必要だと予想する時間(日本全体)

今調査ではあくまでも「震災前の状態に戻る」という設問への回答。震災前と違う形での復興・状況復帰も検討されねばならない。失われたものの中には元に戻せるもの、戻せないもの、戻せるが形を変えた方が良いものなど、多種多様な選択肢の中からより良いものを選び、最善化を図る必要があるからだ。

一方でシンプルなイメージとして「元に戻る」までに、県や日本全体レベルでは10年単位の時間を想定している人が多数いること、分からない・ずっと戻らないとの意見も1割をはるかに超えているあたり、今地震・震災の傷跡の深さがあらためて認識できよう。


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