東南アジア諸国におけるパソコンやタブレットPCなどの世帯保有率をグラフ化してみる

2011/11/20 12:00

パソコン購入米調査機関のNielsenは2011年11月10日、東南アジア諸国のインターネットやモバイル端末の利用状況、それらを合わせたデジタル機器の利用時の関連性などを調査した「Southeast Asian Digital Consumer Habits and Trends」の概要レポート「Surging Internet Usage in Southeast Asia Reshaping the Media Landscape」を発表した。そこで先の記事【アジア諸国のネット利用率をグラフ化してみる】同様に、「Southeast Asian Digital-」などを元に東南アジア諸国のデジタル事情をかいま見て行くことにする。今回は「デスクトップパソコンやモバイル系パソコン、インターネットにアクセス可能な携帯電話、そしてタブレットパソコンの世帯保有率」にスポットライトをあてることにしよう(【元記事】)。

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今調査の調査対象はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6か国。調査対象総数は8000人以上で15歳以上の男女を対象としている。なおデジタルコンシューマとは、デジタル機器の利用者層を意味する。

まずは世帯保有率。これは回答者の世帯単位で、問い合わせた機種を持っているか否かを答えてもらったもの。回答者自身が保有していなくとも、家族の誰か一人でも保有していれば「イエス」の回答をすることになる。該当項目は「デスクトップパソコン」「ノー・ラップトップ・ネットブックパソコン」「ネットアクセス可能な携帯電話」「タブレットパソコン」の4つ。

↑ 世帯保有率(デジタルコンシューマ対象)
↑ 世帯保有率(デジタルコンシューマ対象)

国ごとに色々と興味をそそられる動きを示しているが、まず最初に気が付くのはインドネシアの特異性。他の5か国でデスクトップパソコンの保有率が6-7割なのに対し、同国では3割でしかない。これは【モバイル大展開…ニールセンのレポートからインドネシアのネット事情をかいま見る】でも触れているように、同国のインフラ事情によるところが大きい。パソコン経由のインターネットを行うためのインフラ網が整う前に、モバイル系端末でのネットアクセスが浸透してしまったため、パソコンの普及率が立ち遅れた形となっている。同国の世帯保有率で「インターネットにアクセス可能な携帯電話」の保有率が、「デスクトップパソコン」の2倍強に達しているのが象徴的だ。

他の5か国のうちマレーシア、フィリピン、シンガポール、タイは多少の差異があれど「デスクトップとノート系パソコン、ネットアクセス可能な携帯電話の世帯保有率」がほぼ同じ傾向にある。デジタルコンシューマ世帯ではそれらの機種の導入を同じような感覚で行っているのだろう。また、マレーシアやシンガポールではデスクトップ・ノートなどのモバイル系パソコンの世帯所有率が逆転しており、時代の流れを感じさせる。

一方ベトナムは先の【アジア諸国のネット利用率をグラフ化してみる】でも見受けられたが、デジタル系のソフト・ハード共に「これから」の国のようで、まずはデスクトップパソコンの普及を先行する動きにあるようだ。実際、総務省の【世界情報通信事情(ベトナム)】を見ても、(パソコン経由の)インターネット普及率はさほど高くない。ただし【Internet World Stats】を見ると、32.3%と比較的高めの値を示しているが、これは携帯電話などモバイル端末経由のアクセスも含めているからに他ならない(今調査でも「ネットアクセス可能な携帯電話」の世帯保有率は低くなく、むしろマレーシアに続いて2番目に位置している)。

さて次に挙げるのは、「今後1年間で」購入を考えているデジタル機器。もちろんそのままイコール購入するとは限らないが、今後の各国の保有率上昇傾向を推し量るには重要な意味を持つ。

↑ 今後1年間で購入意向のあるデジタル機器(15歳以上のデジタルコンシューマ対象)
↑ 今後1年間で購入意向のあるデジタル機器(15歳以上のデジタルコンシューマ対象)

現在世帯保有率で同じような動きを見せるマレーシア、フィリピン、シンガポール、タイはある程度デスクトップパソコンで飽和状態にあるようで、次に整備すべき端末として「タブレットパソコン」を最上位に挙げている。同様に「スマートフォン」への期待も(特にマレーシアとフィリピンで)高いが、これは先の項目が「ネットアクセスが可能な携帯電話」であり、スマートフォン以外の一般携帯電話のうち、かろうじてネットアクセスができるものも含まれているから。タブレットパソコンに近い期待・意向があるものと思われる。

また、やや出遅れ気味なベトナムではタブレットパソコンではなく、ノートパソコンへの需要が大きいのが興味深い。まるで「デスクトップ」「ノート・ラップトップ」「タブレット」という順番が決まっていて、順番に調達していくかのようである。

インドネシアは他国とは異なる傾向を見せている。どの項目も特段飛び抜けた値ではないが、一様に2-3割程度の値を示している。現時点では携帯電話がインターネットへの窓口の中心だが、今後は多種多様な切り口で窓口を押し広げて行こうという意図が見えている。ただしタブレット機はともかく、デスクトップやノートの世帯保有率が低いにも関わらず、今後の購入意向がさほど高くないのは、現行の環境(つまりモバイル系経由でのネットアクセス環境)に慣れてしまい、わざわざ固定・半固定の環境を新たに整備する必要性をあまり感じていないのかもしれない。



今件はあくまでもデジタルコンシューマを対象としており、世帯・15歳以上の人全体の傾向とはずれが生じている。参考までに先に挙げた【Internet World Stats】から、各国のインターネット普及率(対人口比、パソコンだけでなくモバイル端末経由含む)を挙げておこう。

↑ インターネット普及率(対人口比、Internet World Statsから)
↑ インターネット普及率(対人口比、Internet World Statsから)

この値と合わせて考えれば、各国のデジタル機器事情、インターネット事情や今後の可能性がすけて見えてくるはずだ。

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