去年よりはやや改善…大学生の9月末時点での就職内定率は59.9%・前年比2.3ポイントのプラス

2011/11/19 12:00

厚生労働省は2011年11月18日、2011年度(2011年4月1日-2012年3月31日)大学等新卒者の就職内定状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2011年10月1日(9月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の割合)は59.9%だったことが明らかになった。これは昨年よりは2.3ポイント改善されたものの、一連の調査結果が公開されている1997年度分以降、過去2番目の低い値を示している(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職内定状況】も発表されているが、高校新卒者の就職内定率は41.5%となり、昨年同期から0.9ポイントの上昇を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2011年10月1日時点で大学の就職内定率は59.9%。前年同期と比べて2.3ポイントのプラスとなる。さらに今「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の調査が開始された1997年度分以降においては、冒頭でも触れているように、昨年2010年9月末の57.6%を上回っているものの、過去2番目の低い値を示している。

↑ 中卒-大卒の就職内定率(2011年9月末時点と2010年同時期)
↑ 中卒-大卒の就職内定率(2011年9月末時点と2010年同時期)

元々短期大学の就職内定率は低い傾向にあるが、今年は幸いにも他の学歴同様に多少ながら上昇した。とはいえ、9月末日時点でまだ気が早い感もあるが、八割近くが「就職したいのに就職先が見つからない状態」という厳しい状態なのが分かる。もっとも就職率の高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2010年版)】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。また、グラフ中にも表記してあるが、中学卒業予定の学生に対する内定開始期日は2012年1月1日以降と文部科学・厚生労働両省により定められており、今回計測時期においてはデータが存在しない。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2011年9月末時点と2010年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2011年9月末時点と2010年同時期)

昨年同時期と比べていずれも高い値を見せている。そして今回においては国立・私立とも男性の方が女性より高い内定率なのが確認できる。「就職希望者」の前年同期比では、大学では国公立・私立共に女性の増加率は男性を上回るものであり、これが男女の比較で男性の値が高い傾向を後押ししたものと思われる。仮に内定「数」が去年と同数なら、就職希望者が多い方が内定「率」は下がるからだ。

直近9年間における内定率推移をグラフ化すると、次のようになる。昨年よりは改善しているものの、引き続き厳しい状態にあるのがうかがえる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

このグラフからは、リーマンショックの影響を受けた2009年3月卒分(の12月1日現在データ)から、就職率が落ち込みを見せているのが容易に把握できる。そして2010年3月卒分で各期間とも勾配が大きなものとなり、今回データではようやく反転上昇の兆しを見せているのが分かる。



高卒者の内定率もわずかに上昇している。内容を確認すると高校新卒者においては、

・求人数は16.0万人。前年同期で5.9%増
・求職者数は17.4万人。前年同期で0.1%減
・就職内定者は7.2万人。前年同期で2.1%増

という値となっている。求人数が大幅に増え、求職者は微減。結果として(高卒者側から見れば)就職状況はやや改善の動きを見せている。とはいえいまだに求人倍率は1未満(0.92)、つまり「求人数<<求職者数」な状況に違いは無く、さらに企業と求職者のマッチングを考えれば、未だに厳しい状態に違いは無い。

また【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】でも指摘しているが、中高生は正社員以外の雇用形態比率が大きいことから、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性も多分に否定できない。一概に諸手を挙げて喜ぶのは、まだ時期尚早のようだ。

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